腕時計：neel(ニール）

---neelセレクトショップの歩み

■neelセレクトショップOPEN

neelセレクトショップは、1999年9月に、楽天市場の1000店舗出店キャンペーンに便乗してオープンしました。
当時のインターネットといえば、通信速度が最大64kbpsと、今では信じられないほど遅い速度のISDN。
オープン当初のneelは、いかに画像を使わずに商品の良さをお伝えできるか、がキモでした。
1998年にオープンした楽天市場の出店者数は、2019年現在5万店舗に近づいています。
その1000店舗目に出店しましたから、neelがいかに古い出店だったか、お分かりいただけると思います。

そして有限会社新流（ニール）として、1999年12月に、法人登記いたしました。
楽天市場の出店料30万円、法人登記費用は300万円。徒手空拳で開業いたしました代表は、貯金もほとんどなかったためにこれらの費用を、当時かわいがってもらっていた社長様に借りたそうです。
そのため、neel楽天市場店の店舗URLは、neelではなく「asr」となっています。
これは、お金を貸してくれた社長様の会社の名前だったのです。
借金も翌年には全額返済し、店舗URLもneelに変更すれば良さそうなものですが、縁と恩を何よりも大切にするneelでは、これを20年間変更しませんでした。
今も、これからも、恩人への敬意をこめて、私たちのURLは「asr」のままです。

翌年にオープンいたしました「neelヤフーショッピング店」は、neelのURLでスタートいたしました。

■正規品オンリーショップへ

起業はいたしましたが、1999年、2000年は、まだEコマースという言葉すらなく、私たちは「ネットショップ」と呼ばれ、あまり信用してもらえませんでした。
通信販売というものは当然すでにありましたが、世の中はまだまだリアルのお店で買い物をするのが常識で、インターネットのお店なんて信用できるのか？と考えている方がほとんどでした。
銀行も、大手メーカーも、実店舗を持たず、ホームページとメール、電話のみで販売をする私たちのなにを信用して良いのかわからず、まったく協力していただくことはできませんでした。
そこで私たちは、並行輸入と呼ばれるルートの腕時計を、現金で買い付けてネットで販売する、という営業スタイルで起業したのです。
毎日のように、大阪船場の問屋街へキャッシュをもって買い付けに行き、腕時計を仕入れて写真を撮り、ネットにアップロードしてお客様からご注文をいただきました。
そして販売によって得た売上金を手にまた仕入れに走る。その繰り返しでした。

私たちは創業当時から、「お客様に腕時計を長く愛用していただく」というポリシーを掲げておりました。
ですが、並行輸入ルートの腕時計の場合、故障などした際の修理がメーカーではなく「町の修理屋さん」に依頼することになります。
そうなると当然、純正ではない部品を使って修理することになります。
この修理方法が、私たちが提唱する「腕時計を長くご愛用いただく」ということに反しているのではないか、というジレンマに苦しみました。
そして、お客様に安心で安全な腕時計をご提供し、アフターもしっかりサポートさせていただくために、「メーカー様と直接お取引がしたい」という思いが日に日に増していきました。

そして2003年、「neelは日本の時計屋なのだから、日本の御三家（セイコー様、カシオ様、シチズン様）の腕時計を販売したい」ということで、この御三家にお取引のお願いをすることにいたしました。
メール、電話でアポイントをお願いいたしましたが、前例がない、信用できないということで、回答はけんもほろろでした。
ネットショップが全く信用されていないことは知っておりましたが、これほどの仕打ちを受けるものか、と、愕然としたものです。
それでもめげずに、何度も何度もお願いをしまして、とうとう、セイコーウオッチの担当者より、「東京本社に来い、話だけは聞いてやる」と言っていただけたのです。

代表は喜び勇んでまいりましたが、担当者との商談内容は取引開始からは程遠く、どちらかといえば、「うっとおしいのでこれを最後にあきらめてもらおう」というような内容でした。
代表はそこをなんとかと、根気よく訴えておりましたら、その様子が当時の営業部長の目に留まり、「こんなに頼んではるんやから、なんとかしてあげなさい」、と、鶴の一声で取引開始が決まったのです。

セイコーウオッチ様との取引が開始されると、シチズン時計様もすぐに「では当社とも・・」ということでお取引を開始させていただけました。
そして私たちはこの時点で決断します。「並行商品の販売はすべてやめて、正規品オンリーショップになる」と。
かねてより、安心安全な腕時計をお届けし、お客様に長くご愛用いただきたいというのが私たちの望みでした。
それがかなう商品を得た今、100%その商品を売る会社になろう、という決断でした。
しかしむつかしい判断です。
口で言うのは簡単ですが、当時の売上は並行輸入商品で作っておりましたから、これからどれだけ売り上げを作れるかもわからない正規品でオンリーショップにするなど、会社経営の観点からは反対意見も噴出しました。

難しい判断ではありましたが、代表は、「正規品オンリーショップ」に舵を切りました。

■ベストストア、ショップオブザイヤー授賞

正規品オンリーショップに舵を切ったことで、売り上げは半減、利益は1/4になりました。
それまではパイオニアとして業界のトップを走っていたわけですが、見る見るうちに後発のお店に抜かれていきました。
それ見たことか、と、並行商品廃止に反対していた仲間たちも去っていきました。
為替の関係で、並行輸入の腕時計は、正規品の半額ほどで売られています。
並行品が飛ぶように売れ、腕時計ネットショップが軒並み急成長する中、neelは正規品にこだわり続け、まるで生気を失ったかのようにその存在感をなくしていきました。

転機となったのはインバウンドでした。
2010年ごろから中国の観光客の方々が日本に多くいらっしゃるようになり、彼らは日本製品を爆買いし始めました。
インバウンドは、ネットショップには直接影響はなく、リアルのお店にお客様が殺到したわけですが、このインバウンドにより、国産ブランドの良さが見直されるという動きが始まったのです。
スイス製の時計もいいけど、日本にも世界に誇る国産ブランドがあるじゃないか。
そんなムーブメントが沸き起こり、正規品のみを取り扱うニールに、徐々にお客様がアクセスしてくれるようになりました。

2012年に、Yahoo!ショッピングのベストストア賞をいただきました。それから2018年まで、7年連続でこの賞を頂戴しております。
実は、2004,2005,2006年にも頂戴いたしましたので、今現在7年連続10回、表彰をされております。
2014年には、楽天市場「ショップオブザイヤー賞」を頂戴いたしました。
2015、2016年にも頂戴し、2017年には大賞、そして2018年にも大賞、ダブルイヤー賞を頂戴しました。

私たちは、どんなに苦しくてもポリシーを変えませんでした。
「お客様に安心安全な腕時計をご提供し、それを長くご愛用いただく。」
そのために私たちは正規品のみを取り扱うお店になり、その信念を貫いてきました。

私たちはこれからもこのポリシーを大切に、世界に誇る日本の一流の腕時計や、海外ブランドを正規ルートでご案内し、ご提供してまいります。
そしてneelが誇る「7年延長保証」などを通じ、お客様が長くご愛用いただける環境を整備し、ご自身からお子様やお孫様へ、腕時計を長く長くご愛用していただけるよう、たゆまぬ努力を続けてまいります。

■腕時計を長くご愛用していただきたい

私たちは、腕時計を、ただ時刻を知らせるための道具とは考えておりません。
オーナー様の腕元で、同じ時を刻む小さな頼りがいのある相棒と考えております。
ですので、できる限り長くご愛用いただき、お子様やお孫様にまで代々受け継いでいっていただく。
そんな光景を夢見ております。

腕時計の中をご覧になられたことはありますか？
小さな歯車やネジ、パーツが所狭しと重なり合っており、それらが規則正しく動いております。まさに精密機械です。
精密機械は、メンテナンスが必要です。
メンテナンスをしていても壊れるときもありますので、修理も必要になります。
neelでは、長くご愛用いただくためには、メーカーによるメンテナンス、修理が必要であると考えています。
裏蓋を開ける、という作業であっても、防水性の保証するためにメーカーにて行うべきと考えています。
例えば、トヨタ車に乗っていて、エンジンの調子が悪くなり、調べたところピストンがおかしい。
ちょうど同じ大きさのニッサンのピストンがあるからこれを入れて修理しよう。
こんな修理をしたらどうなるでしょうか。
もうそれは、トヨタ車ではありませんし、メーカーが保証している耐久性や堅牢性は失われてしまっているでしょう。

腕時計も同じなのです。
ですので、私たちはメーカー正規品にこだわっています。
並行品ですと、前述したトヨタ車のような修理になってしますのです。
neelでお買い上げいただいた腕時計には、かならずメーカー保証が付きます。
さらに、長くご愛用いただくために、当店では、メーカー保証+neelによる延長保証で、最大7年間の保証をお付けしております。
これは、メーカー保証期間後の不具合に対し、当店において保証修理をするのではなく、メーカーに修理を依頼し、その費用をneelが負担させていただく、というものです。
全ては、お客様に安心して長くご愛用いただきたい、という思いでさせていただいていることです。

腕時計は、使い込むほどに肌になじみ、味が出てきます。
小さな傷も、思い出になっていくかもしれません。
（ポリッシュサービスもございますので、細かい傷は消して新品のような輝きを取り戻すこともできます。※モデルによります。詳しくはお問い合わせください。）
延長保証でお修理をお受けする際、お修理費用が新品価格を上回ってしまうようなこともございます。
そのようときは、当店スタッフよりお客様にご連絡させていただき、お修理か、新品交換かを選んでいただきます。
腕時計を新品に交換すれば、新しい状態になることは間違いございませんが、これまでその時計と共に歩んで来られた歴史も刷新されてしまうかもしれません。
ケースやバンドについたキズにも思い出がこもっているかもしれない。
新品になってしまうことで思い出が失われてしまうかもしれない。私たちは、お客様と腕時計との大切な歴史や思い出を大切にしたいのです。

neelの古くからのお客様に、お買い上げいただいてから10年以上、同じ時計をお使いになられている方が何人もいらっしゃいます。
決して高価な腕時計ばかりではございません。
皆様、数年に一度は不具合が出て、お修理をさせていただいております。

腕時計を拝見いたしますと、毎日大切お使いになっている様子がよくわかります。
こういう腕時計を拝見させていただく時が、この仕事をしていて本当に良かったと思える瞬間の一つです。

これからも、お客様が長くご愛用いただける一本をご提供していきたいです。

■お受け取りいただいたら、すぐにお着けいただけるように・・・

金属バンドの腕時計の場合、お客様の腕にあわせてバンドのコマ詰めをしなければ、ご使用していただくことができません。
実店舗の場合、お客様の腕のサイズを確認しながら調整できますが、通信販売では対面販売ではございませんので、
サイズ調整をさせていただくことがむつかしく、ほとんどのネットショップがこのサービスをしておりません。
neelは、1999年の創業時から、ネット通信販売でありながら、ご希望のお客様にはバンドサイズを調整してお届けする、という挑戦に取り組み、20年かけてそのノウハウを蓄積してまいりました。
すべては、「お受け取りいただいたらすぐに着けていただきたい」の一心からです。
もちろん費用はいただきません。ご注文時に、手首サイズをお書き添えくださいましたら、専門スタッフが心を込めてバンドサイズを調整してお届けいたします。