Masashi Utsunomiya
2016宇都宮政志さん 28年度産商品ページ

宇都宮政志さんが作る、無農薬・無施肥栽培のコシヒカリ。

宇都宮政志さんが作る、無農薬・無施肥栽培米。

種まき

熊本地震の被害が色濃く残る4月29日、宇都宮政志さんが種まきを行いました。
地震で住んでいた家が半壊し、すぐ近くの山に複数の亀裂が生じたために避難所生活を余儀なくされている宇都宮さんご夫妻ですが、「大変だけど米だけは作らんとね」と奮起しておられます。

当店と同じく、今年度より「より良い苗」を目指してポット育苗に切り替えたため、種まき機もポット専用のものを使います。籾を播き終えると、すぐに田んぼに作った苗代に苗箱を並べます。

宇都宮さんのいくつか田んぼでは地震で水源が枯れたり畦が崩れたりして作付けができなくなりましたが、この苗代を作っている田んぼも水が少なくなったそうで、育苗はできるものの、田植えができるほど水が溜まるかは分からないそうです。

苗を並べる宇都宮さん

ポット用の苗箱。

ポット専用の種まき機で種まきを行う。

奥さんおと苗代に苗箱を並べる

苗を並べた苗代。

6月10日、コシヒカリの田植え

苗代で育てている苗も順調に成長し、いよいよ田植えの時がやってきました。
ポット苗なので田植え機もポット専用。3輪タイプのポット田植え機で苗を植えていきます。当店もそうだったのですが、ポット苗は田植え機の植え付けの仕組みがマット苗とかなり異なるため、最初は綺麗に植え付けるのが非常に難しく、宇都宮さんも四苦八苦しておられます。ですが苗はさすがのポット苗。マット苗よりも葉数が多くて草丈も長く、とても丈夫に成長しています。

ポット田植え機で田植えを行う宇都宮さん

毎年作っている田んぼ。

ポット苗なので生育が良い

調整が難しく、転び苗が発生する。

奥さんと二人で作業する

水害により土砂が流れ込む

地震後、追い打ちをかけるように襲った6月の豪雨。遠く避難所から除草に通っていた宇都宮さんの田んぼにも土砂が流れ込みました。
幸い、土砂は一枚の田んぼの入り口付近のみの被害となったようですが、他の場所の田んぼでは斜面が崩壊しました。斜面が崩壊した田んぼは地震後、崩壊の予兆があったために作付をしておりませんでしたが、この被害で復旧の見通しは完全に立たなくなってしましました。今回の水害、南阿蘇村の他の田んぼでは白川の氾濫により全て土砂で覆い尽くされた田んぼも多かったようです。

また、背後にそびえる夜峰山では豪雨で亀裂が広がり崖崩れが発生しております。宇都宮さん宅周辺では、自宅の倒壊はなくとも、山の崖崩れの危険性が非常に高いために引っ越しされる方が多いそうです。

水害で土砂が流入した宇都宮さんの田んぼ。

法面が完全に崩壊した田んぼ。

7月19日の稲の様子

7月19日の田んぼ

7月19日の稲

8月15日の稲の様子

8月15日の田んぼ

8月15日の稲

9月27日、コシヒカリの稲刈り

9月27日にコシヒカリの稲刈りを行いました。稲を刈るのは当店も毎年稲刈りをお願いしている笠野ファームの笠野真喜さん。4条刈りのコンバインを操り稲を刈っていきます。

と、途中でぬかるみにハマってコンバインが動かなくなってしまいました。この田圃では地震後、水脈が変化して水が湧くになって湿田となり、加えて連日の雨で水が抜けきっていなかったのが原因のようです。宇都宮さんのトラクターで引っ張ってなんとか脱出。事なきを得ました。

宇都宮さんは最近、仮設住宅ではなく、南阿蘇村内の別の地区の一軒家にお引っ越しされたそうです。「仮設住宅では農機具が置けず不便ですからね」と宇都宮さん。大変な被害にあってもなお、農業への意欲はまったく衰えてないようです。

宇都宮さんの稲を刈る笠野さん。

稲刈りを見守る宇都宮さん。

生育は良さそうだ。

ぬかるみにハマったコンバインをトラクターで引き上げる

溜まった籾を搬出。