高島和子さんは今年度もヒノヒカリ、ササニシキ、亀の尾、山田錦、赤米、紅米、緑米、黒米、香り米と、多くの品種を作付いたしますが、まずは本日4月9日、ササニシキの種まきを行います。
温湯消毒を行ったササニシキの種籾を種まき機にセットします。この種まき機は100g以下/1箱と薄撒きができるのが特徴。1箱あたりの種籾数が少なければ少ないほど苗の生育が良くなるのです。
籾を撒き終えたらすぐに苗代に並べます。せっせと並べたら、保温、保湿、直射日光の防止、鳥害の防止を目的としたラブシート(不織布)をベタ掛けし、水をたっぷりと染み込ませたら作業は終了。あとは田植えの日まで大事に苗を育てていきます。
この時期になると古代米の一部の品種(黒米)の苗の色がはっきりと変わってきます。
4月16日の熊本地震により、高島さんの一部の田んぼでは用水が途絶え作付ができなくなってしまいました。そこでいくつかの品種の田植えは諦めていたそうですが、近隣に新たな田んぼで借りることができたので、そこに亀の尾を植えることにしました。
今年の亀の尾は2種類あり、1つ目は昨年育てたものを自家採取したもの、2つ目は東京大学に保管していた亀の亀の籾を取り寄せたもの。亀の尾はかなり昔の品種ですので、これまでの生育で品種の特性が変化している可能性があるため、東京大学に保管されていた「亀の尾の原種に近い」と思われる籾を栽培してみるのだそうです。
ヒノヒカリは6月11日に田植えを行いました。この日は黒米の田植えも行うので、まずは一番奥の田んぼに黒米の苗を植えていき、それが終わると高島さんが田植え機に乗り込み、手前の田んぼにヒノヒカリを植えました。ここの田んぼには赤米、紅米も植え、他の場所の田んぼにはササニシキ、緑米、香り米を植えています。
熊本地震の傷跡も全く癒える見通しが立っていないのですが、さらに6月末には連日の豪雨により水害が発生し、高島さんのヒノヒカリの田んぼにも土砂や流木が流れ込んでしまいました。
流木はなんとか取り除いたそうですが、土砂は水が溜まったままでは取り除くのが難しいので、稲刈りまでそのままにしておくそうです。この水害ではこの他、北野悦之さんや宇都宮さんの田んぼにも土砂が流れ込みました。
9月24日はササニシキの稲刈りでした。一足先に亀の尾の稲刈りは済んでいたものの、それからしばらく続いた長雨の影響でなかなか稲刈りができず、本日ようやくコンバインが田んぼに入れるようになりました。
とはいえ、雨が抜けきっていないのでぬかるんでいる箇所も多く、コンバインで刈りつつもかなりの面積を手刈りする必要があるので、高島さんのところへ研修にきている新規就農者の方と一緒にザクザクと鎌で稲を刈っていきます。
田んぼ手前の背が高い「香り米」と、穂が真っ黒の「緑米」はまた後日、10月中旬ごろの稲刈りとなります。