Tadaaki Sakai
2014酒井忠晃さん 26年度産商品ページ

コンバインで刈り取られていく酒井さんのコシヒカリ。一昔前までは全部の田んぼを掛け干しで乾燥を行なっていたそうである。

コンバインで刈り取られていく酒井さんのコシヒカリ。一昔前までは全部の田んぼを掛け干しで乾燥を行なっていたそうである。

刈り取り前の稲をチェックする酒井さん。今年度の熊本地方の米の収穫量は「やや不良」であると発表されたが、酒井さんのお米は問題はなかったようだ。

刈り取り前の稲をチェックする酒井さん。今年度の熊本地方の米の収穫量は「やや不良」であると発表されたが、酒井さんのお米は問題はなかったようだ。

今日は酒井さんの稲刈りです。電話したら「2時くらいから刈るよ〜」とのことだったので、ちょうど2時に酒井さんちに到着。すると酒井さんちは法事だったらしく、まだ後片付けを行なっておりました。もうちょっとかかりそうだな・・・どうしよ。そうだ!あの水源に行ってこよう!

沢水水源にレッツゴーです

酒井さんの田んぼに使用されている農業用水は産山村の山中にある、知る人ぞ知る水源「沢水水源」から導水されているのです。この水源の水は集落の飲み水としても使用されており、つまり飲めるほど良質で新鮮な水なわけです。

険しい川沿いを歩いていくと…・ありました。沢水水源。なんて美しい景色なんでしょうね。途中には民家なども全くないために川に生活排水などは一切入りません。酒井さんのお米は100%水源の水だけで作られているというわけですね。農薬や化学肥料を一切使用せず、肥料は菜種油粕と自家製有機堆肥のみ。そしてこの新鮮な湧き水。そりゃあ酒井さんの米は美味しいわけだ

さて、稲刈りスタートです

沢水水源から田んぼへ移動すると、ちょうど酒井さんが田んぼにやってきました。「お待たせ。そんじゃ稲刈り始めましょうか」

近所の農家の方がコンバインを操作し、酒井さんのコシヒカリを刈り取っていきます。籾コンテナに注がれる籾を見た酒井さんは「うんうん、今年は日照不足の割りには上出来ばい」と満足なご様子です。9月に入ってからは天候も良かったですからね。日中の天気の良さ、それに阿蘇の中でも一際標高の高い産山村の夜間の寒さによって、お米の美味しさの決め手であるでんぷんギッシリと蓄積されたことでしょう。

その昔、田んぼからドジョウや虫の姿がなくなったことに気づいた時から田んぼに殺虫剤や除草剤を入れることを止めた酒井さん。それから30年以上もの月日が流れました。

当店のお客さまからの酒井さんの米作りに対する感謝のメッセージをいただいたため、それを酒井さんに伝えると「ハッハッハ!そりゃ嬉しいねぇ。そうやってうちの米を美味しく食べてくれる人がいるからキツくても頑張れるんだよなぁ」と朗らかに笑っておられました。

酒井さんの田んぼで泳ぐアイガモ。
酒井さん夫妻の手ほどきを受けながら田んぼにアイガモを放つ園児たち。すぐに草や虫を食べだす食欲旺盛なアイガモたちに子どもたちもビックリ。

酒井さん夫妻の手ほどきを受けながら田んぼにアイガモを放つ園児たち。すぐに草や虫を食べだす食欲旺盛なアイガモたちに子どもたちもビックリ。

子どもたちと一緒にアイガモを投入

苗も順調に育ち、いよいよアイガモたちを田んぼに入れる時期となりました。

当日。酒井さんちに着くと・・・んん、何やら小さい子どもたちがバスに乗ってやってました。話を聞くと、今年は子どもたちへの食育の一環としまして酒井さんのお孫さんも通う「うぶやま保育園」の園児らと一緒にアイガモを田んぼに入れる作業を行うとのこと。

酒井さんの奥さんに紙芝居で「合鴨農法米」の作り方を教えてもらった園児たち、さっそくアイガモを手に取って田んぼに入れる準備を行います。同じ園児でもいろいろな子がいまして、怖くてアイガモを触れない子もいれば1人で2羽つかもうとする子もいたり、「かわいい〜!かわいい〜!」とやたらアイガモを愛でる子もいたりと様々です。

せーのの合図で水田に放ったアイガモたちは勢いよく泳いでいき、さっそく水の中にくちばしを突っ込んで草や虫を食べていました。

種まきをする酒井さん。
種まき作業の様子。酒井さんは有機JASを取得しているので、種まき機も慣行栽培のものとは別のものを使用している。

種まき作業の様子。酒井さんは有機JASを取得しているので、種まき機も慣行栽培のものとは別のものを使用しなければならない。

合鴨農法のためのポット苗による苗作り

酒井忠晃さんはアイガモを使って水田の除草を行う、いわゆる「合鴨農法」でお米を作っております。
この合鴨農法、苗が小さいうちに田植えを行ってアイガモを水田へ投入するとアイガモに苗を食べられてしまうため、苗の大きさには特段気をつける必要があります。

そこで酒井さんは「ポット苗」と呼ばれる育苗方式で苗を育てております。これは小さな穴が開いた苗箱にほんの数粒ずつ種まきを行うことにより、種まきから40日以上も育苗を行うことができるという優れもの。田植えするころには苗はすっかり大きくなっておりますので、アイガモは苗を食べずに小さな雑草だけを食べるようになるのです。

この日は産山村のお隣の大分県久住町にて、近隣の「ポット苗農家」と共同で作業。ポット専用の種まき機を使い、ポット専用苗箱に種をまいていきます。これより40日かけて、病気やアイガモに負けない強い苗作りを行なっていきます。