Tadaaki Sakai
2012酒井忠晃さん 24年度産商品ページ

産山で発見!なんと無農薬栽培歴30年のお米。。

産山村の遠景。

みなさん、朗報です。ものすごいお米を発見いたました。なんとお米の無農薬栽培歴が実にウン十年を超えるという、阿蘇、いや、日本でもトップクラスの無農薬栽培米の生産者が産山村にいたんです。

米を求めて産山村へレッツラゴー。
事の起こりは黒大豆味噌でおなじみの光農會の大谷さんからの一本の電話でした。「店長さん、産山村で無農薬・無化学肥料栽培でお米を作っている人がいるのでぜひ紹介したいんですけど」
そんな話ならそりゃあもうぜひお願いしますということで、面会の約束を取り付け、さっそく産山村へ車を走らせました。お会いする相手は酒井さんという名前のお方。一体どんな生産者なんでしょうか。

産山村竹の畑地区。

着いた先は産山村の竹の畑(たけのはた)地区。南西に阿蘇山、北西にくじゅう連山を望む山あいの小さな地区で酒井忠晃さん夫妻は7反ほどの田んぼでお米を作っております。
以前は産山村の村議会議長をお勤めになっていたという酒井さん。お孫さんに囲まれてニコニコと笑うその印象は、まさしく好々爺そのものといったところです。

なんと、お米の無農薬栽培歴は30年以上!?
さて、早々にお米についてお伺いしてよろしいでしょうか。えーとまずは・・・農薬を使わずにお米を作り始めたのはいつ頃からなんですかね。
「うーん・・・もう30年以上にはなるかなぁ〜」・・・・さ、さ、30年ですか?
「違うわよお父さん、私がお嫁にきて5年後くらいからだからもっと前からよ」え〜!?
ちょっと待って、ちょっと待ってください酒井さん。一体いつからなんですか。

すると酒井さん夫妻、「えーとあん時にはもうやってたから〜」とか何とか言いながら米作りの記憶を辿っていきます。話をまとめると、40年くらい前に殺菌剤や殺虫剤などの農薬の使用を止め、それから5〜10年後くらいに田植え時に一回のみ使用していた除草剤の使用も止め、完全無農薬にてお米を作るようになってそうです。

イノシシ対策のため田んぼに設置してある電気柵。

きっかけは自身の「環境破壊」。
農薬を使った次の日に田んぼを元気に泳いでいたカエルたちが水に浮いて死んでいるのを見たり、年々周囲の用水路から蛍やドジョウが消えていく事態を憂いだ酒井さんは、ある日殺虫剤の使用を止めました。

それからしばらく初期除草剤一度のみの減農薬で米作りを行い、それから鯉を田んぼに放し除草する「鯉農法」を数年行った後、アイガモで除草を行う「合鴨農法」にたどり着いた酒井さん。現在では合鴨農法に加え、菜種油の油粕と家で飼っている牛の堆肥という無化学の有機肥料のみでお米を作っております。ちなみに酒井さん、厳しい認定基準で知られる「有機JAS認証」も取得しておられるそうです。

経営する農家レストランで取材に答える酒井さん。

安全なだけじゃないんです。
そんな酒井さんのお米、ただ安全なだけではありません。こんなエピソードがございます。
ある日、酒井さんの田んぼを訪れた秋田の農家がこんなことを言いました。「こんな九州の山の中で美味しい米が作れるか!」そして後日、その農家から酒井さんの元へ秋田の米が送られてきたそうです。

「へ〜秋田は有名な米どころだからよほど自信があったんでしょうね。それでお味はどうでした?」すると酒井さんこう一言。

「うちの米のほうが美味しかったよ」

牧草を食べるあか牛たち。

秋田の米に勝った、というのは何だか眉唾もののエピソードに思えますが、よくよく考えると納得できる理由がいくつもあるんですよこれが。

酒井さんのお米が美味しい3つの理由。
まず第一に、酒井さんの無農薬歴の長さ。すんごく長い。なんせ数十年。だから田んぼの化学物質は完全に分解され自然に帰り、美味しいお米を作る土壌は完成しているわけです。
よくお米の生産者から「無農薬に切り替えて次の年から美味しくなった」とか「うちは3年かかった」とか聞くんですが、酒井さんのお米には数十年にも及ぶ実績があるんです。

第二の理由は、良質な肥料の問題。いい肥料は美味しい米を育てるのでございます。
酒井さんは田んぼに菜種油の油粕牛の堆肥を肥料として施しておりますが、その牛は酒井さんが飼育している産山育ちのあか牛でして、しかもその牛の餌は牧草のみ。しかも産山村の原野で収穫された無農薬・無化学肥料栽培の牧草です。
外国産のトウモロコシなどの高カロリーな飼料は与えておりませんし、牧草に病気予防の抗生物質剤なども一切混ぜておりません。つまり、この牛ちゃん、とってもオーガニックな牛ちゃんなんです。そんな牛の堆肥は必然的に無害で上質な肥料となるのです。

産山村にある水汲み場。

混じり気のない純粋な天然水。
そして最後の理由は・・・もうお分かりですね?そう、です。
池山水源山吹水源などの有名な湧き水スポットが点在する産山村ですが、その湧き水は惜しげも無く田んぼにも使用されております。
しかも酒井さんの田んぼは水源から直接導水されているため家庭の生活排水が混入しないので、美味しい米を作るための絶対条件である「純粋な山の天然水」を100%米作りに使用できるのです。

それ以外にも、阿蘇でも最も標高の高い場所で寒暖の差が激しいためにお米の味が引き締まるとか、阿蘇特有の火山灰を含んだ黒土が美味しいお米を育むとか、いろいろな理由があるんです。

農薬や化学肥料を使用を止めて数年するとどじょうが戻ってきた。

他にはないすんごいお米です。
というわけで数十年にも及ぶ無農薬栽培歴を誇り、合鴨を利用した栽培方法により除草剤は一切使用せず、自家飼育の牛の堆肥を使用するといった循環型農業を実践し、しかも水源から湧き出る天然水を利用した米作りを行なっているという、最高に安心安全なうえに美味しいお米である酒井さんのコシヒカリ

すごいでしょう。こんなお米ないでしょう。だから最初に言ったでしょう。「ものすごいお米を発見しました」って。
これ以上のお米となると全国でも探すのは難しいんではないでしょうか。こんなお米を販売できる当店は本当に幸せものです。

  • 田んぼ横を通り過ぎる列車。
  • 縞模様の田んぼ。
  • 頭を垂れたミネアサヒ。