Nishida Masashi
2014西田正志さん 26年度産商品ページ

今年は早い段階で2回除草機を掛けたという西田さんの田んぼ。そのせいか雑草も少なく夏季の天候不順の影響も寄せ付けずに稲の出来も良いものとなった。

今年は早い段階で2回除草機を掛けたという西田さんの田んぼ。そのせいか雑草も少なく夏季の天候不順の影響も寄せ付けずに稲の出来も良いものとなった。

9月28日、稲刈り。さてさて、今年の出来は。

去年度の稲刈りは9月21日だったので、今年は1週間遅れての稲刈りとなりました。26年度産の熊本県産米の収穫量は夏季の天候不順により「やや不良」であると発表されましたが、西田さんの稲はどんな感じですか?

「うーん、ここは去年より出来が良か感じがしますね」

と言いますのも、ここの田んぼは2012年の九州北部豪雨により表土が流出して土質が変わってしまったそうですが、それが随分回復してきたとのこと。長年に渡って自然栽培を続けているために土壌微生物が豊富で、そのため土壌の回復が早いのかもしれませんね。

さらにもう一つの理由に「籾の薄まきによる健康な苗の育苗」があるようです。
「今年は薄まきしたおかげで苗の出来がよかった。来年は移植に最適な時期をもっと計算して田植えしてみようと思います」
20年以上の長きに渡る無農薬栽培歴を以って、それでもさらによい稲を育てるために怠らない研究。西田さんの安全で美味しい米作りは、これからさらにパワーアップしていくようです。

西田さんの田植え。
除草剤を使わない米の無農薬栽培に欠かせない技術である成苗植え。西田さんは籾の薄まきにより成苗の栽培を行っている。

除草剤を使わない米の無農薬栽培に欠かせない技術である成苗植え。西田さんは籾の薄まきにより成苗の栽培を行っている。

5月30日、立派に成長した苗を田植え

2014年5月30日午後3時、阿蘇市狩尾。JAの大型穀物貯蔵施設 「カントリーエレベーター」のすぐ近くにある西田さんの田んぼで待っていると、向こうのほうから田植え機でこちらへ向かってくる西田さんの姿が見えました。

「今年はいい出来だったよ」と自慢気に見せてくれた苗は、一ヶ月以上の長い時間をかけて4葉の成苗を育てあげただけあって、なるほど、無施肥の自然栽培なのにすごく立派に育っております。籾の量を通常の半分以下にしかまかない「薄まき」の効果は抜群のようですね。

筋まきした苗箱用にセッティングした田植え機に乗り込み、いざ田植え。背が高い成苗なので田植え後にすぐに深く水を張って雑草を抑えることができます。

数枚ある全ての田んぼの田植えが終わったら、その数週間後に除草剤を一切使わない無農薬栽培の米作りの最重要任務である「除草作業」を、この田植え機に装着した除草機を使って行うことになります。

西田さんの種まき。
筋状にまかれた種籾。西田さんは一般の栽培の半分以下の量の種籾しかまかないため、苗をゆっくりと健康に育てることができる。

筋状にまかれた種籾。西田さんは一般の栽培の半分以下の量の種籾しかまかないため、苗をゆっくりと健康に育てることができる。

西田正志さんの自然栽培による苗作り

阿蘇市狩尾で農業を営む西田正志さん。26年度の米作りがいよいよ始まりました。
西田さんは苗箱に少量の種籾を播種することができる「薄まき用種まき機」を持っておりますが、今回その種まき機の新型を購入されたため、旧型を当店に貸してくださいました。お借りした種まき機を使ってみたのですが・・・これはスゴイ!!筋状にきれいに種籾がまかれていきます。

種籾を薄くまくことには何のメリットがあるのかと言いますと、「健康な苗」を育てることができるんですね。一箱の苗箱に大量の種を入れると、種が苗箱に入っている土の栄養の奪い合いをすることでやがて栄養が足りなくなり、ある時期を経過すると苗が育たなくなります。この成長しなくなった苗を「老化苗」といいます。
しかし一箱の種の量が少ないと、一粒辺りの栄養量に余裕がありますので、長い期間苗を育てることができるのです。

自然栽培では苗にも肥料分を一切使用しないので、こうした技術で健康でたくましい苗を育てていくのです。