Tokuo Masuda
2014増田十九男さん 26年度産商品ページ

バックに見えるのは阿蘇山。増田さんの家と田んぼは阿蘇山のすぐ麓にあり、ここからほんの1kmほどの距離に京都大学火山研究所がある。

バックに見えるのは阿蘇山。増田さんの家と田んぼは阿蘇山のすぐ麓にあり、ここからほんの1kmほどの距離に京都大学火山研究センターがある。

無農薬栽培の基本は種もみの自家採種。来年の米作り用の種もみを確保しておく。余ったら摺って食べればいいので、みんなかなり多めに確保する。

無農薬栽培の基本は種もみの自家採種。来年の米作り用の種もみを確保しておく。余ったら摺って食べればいいので、みんなかなり多めに確保する。

10月17日、増田さんの稲刈り

10月17日、さわやかな秋晴れの空が広がる南阿蘇村の沢津野地区。本日は増田十九男さん夫妻稲刈りが行われます。
午後1時。昼過ぎから刈るって言ってたんでちょうど刈り始める頃だろう。そう思って田んぼに到着すると……うおっ!もう刈ってる!しかももう半分以上刈ってる!ちょっと待って、ちょっと待って、まだ写真一枚も撮ってないっす。ただでさえ当店の作業と重なったために増田さんの田植えは撮りに来れなかったんで、せめて稲刈りの写真はガッツリ撮ろうと思ってたのに!

とりあえず奥さんに「稲が全部刈られる前に、夫婦揃って稲んとこに立ってる写真を撮りたいんですけど」とお願いしたら、「うちの旦那は籾ば運んで行ったバイ」。どうやら今日の役割分担は北野悦之さんが稲刈り、十九男さんが籾運び、奥さんが端の手刈りのようです。

と、ようやく十九男さんが戻ってきました。ささ、写真撮りますんで二人で並んでください。「あたしゃよかばい!恥ずかしか〜」。なんば言いよっとですか。夫婦お二人除草を死ぬほど頑張ったんですから、お二人のお米ですよ。だから写真もお二人ですよ。

最後は十九男さんがコンバインに乗って稲刈り終了。草取りを頑張ったおかげで収量もまずまずのようです。どうもお疲れ様でした!

増田さん夫婦の頑張りが凝縮されたお米です

前述のように増田さん夫妻はほぼ手除草で除草を行ったようですが、それにはもう一つ理由があったようです。

「手で草を抜くついでに稲の回りを手でグルグル掻き回すとですよ。そうしたら稲がビシッと伸びてくるんですよね」。なるほど、草取りついでに稲の根に酸素を供給していったんですね。確かに水を抜いて酸素を与えると稲がグワッと伸びますもんね。だからこんなに稲の立ち姿が綺麗なんだ。

真夏に日が照りつける中、「あとどれくらいで終わるかなんて考えないようにしながら」朝から晩まで延々と行った除草作業。お二人の頑張りにより育まれた、素晴らしい無農薬・無化学肥料栽培のヒノヒカリです。

除草中の増田さん
増田十九男さん。南阿蘇村でも一際標高の高い沢津野地区で米作りを行っている。店長が行った時は夫婦二人で畑作業に精を出していた。

増田十九男さん。南阿蘇村でも一際標高の高い沢津野地区で米作りを行っている。店長が行った時は夫婦二人で畑作業に精を出していた。

広々した田んぼ。今年は全部で4反ほどを無農薬栽培で作ったという。これほどの面積を手で隅々まで除草したというから驚き!

広々した田んぼ。今年は全部で4反ほどを無農薬栽培で作ったという。これほどの面積を手で隅々まで除草したというから驚き!

標高350mに位置する南阿蘇村・長陽駅。その長陽駅より、さらにずーっとずーっと阿蘇山の方へ登っていくと、標高550mの山あいに沢津野という小さな地区があります。この地で長年米作りを行っている増田十九男(とくお)さん夫妻は、今より20年ほど前に無農薬栽培に挑戦されていた時期がありました。しかし、当時は長くは続かなかったんだとか。

「会社勤めをしながらじゃ草取りに手が回らないってのもあったけど、頑張って作っても取り扱ってくれるとこがなかったってのが大きかったですね」。当時は今ほど有機農産物に興味がある人は少なかったですからね。

慣行栽培に戻ったものの、それからも「EM菌」を使った米作りを行うなど安全な米作りを模索していた増田さん、今年度より「喜多無農薬米生産会」に入会し、再び無農薬栽培による米作りを行うこととなりました。

土壌微生物を活かした米作り

9月初旬。増田さんの田んぼに訪れると、穂が出揃ったヒノヒカリが青々と揺れておりました。

「穂の高さが綺麗に揃ってるでしょ。BMWしか入れてないから育ちが揃ってるんですよ」
農薬を使用しないのはもちろん、肥料も土壌を改良する目的の微生物BMW(バクテリア・ミネラル・ウォーター)だけを使用しておりますので肥料ムラによる生育の差が全くありません。しかし、稲の成長が素晴らしい理由はそれだけではなさそうです。

気合!増田夫妻の手掻き除草法

水田内を見ると雑草がほとんど繁茂しておりません。これはきっちり除草を行った効果ですね。やはり除草機は3回くらい掛けたんですか?「いえ、除草機掛けは一回だけで、後は手で掻きました」・・・はい?

話を聞くと、稲の周囲の土を手で掻き回すことで除草を行ったそうでして、いや、ちょっと待ってくださいよ、田んぼの面積4反くらいあるじゃないですか。これを一株一株、全部手で除草したんですか!?

「まぁキツいんですけど、よか米作るのが仕事なんで苦にはならんですよ」と奥さん。「そうは言っても作業中は田の端っこは見らんようにしとりましたね。あまりに果てしないんで。手元だけ見てやっとりました」と増田さん。

たった一回だけでも除草剤を入れればやらなくてもいい苦労。当店のお米の数々は、生産者の皆さまのその果てしない苦労によって作られているのです。