Tetsuya Kitano
2016北野鉄矢さん 28年度産商品ページ

長野訓之さんが作る、無農薬・無施肥栽培のコシヒカリ。

北野鉄矢さんが作る、無農薬・無施肥栽培のコシヒカリ。

種まき

今年度も北野鉄矢さんの米作りが始まりました。4月11日、最も早く田植えを行うコシヒカリの種まきを行いました。温湯消毒で殺菌した種籾を苗箱に丁寧に播いていきます。育苗に使用する土はお隣の山都町の赤土。同じ阿蘇内にも赤土を販売する業者さんはいくつかあるのですが、北野鉄矢さんいわく「ここの土が一番質が良い」そうです。順調にいけば約1ヶ月後の5月初旬に田植えとなります。

種まきを行う北野鉄矢さん。

種を播いた苗箱の様子。

5月8日、田植え

種まきから5日後の4月16日に発生した熊本地震により、北野鉄矢さんの圃場も大きな被害を受けました。幸い、畦や土手などの損傷はなかったものの、一部の田んぼでは水を引き上げていたポンプが壊れ、作付ができなくなりました。そこで今年度はヒノヒカリの作付は行わず、作るのはコシヒカリのみとなります。

5月8日、全面運休となっている南阿蘇鉄道の線路下の田んぼで田植えを行いました。ここの田んぼも一時は地震による地下水脈の変化で農業用水の渇水が懸念されましたが、なんとか大丈夫そうです。例年どおり、非常に丁寧な田植えでまっすぐに苗を植え付けていきます。

後ろを見ながら慎重に田植えする。

田植えしている田んぼ。

植えたばかりの苗

除草作業

今年の阿蘇はとにかく大変です。いまだ続く地震の被害もさることながら、梅雨入りしてからは連日の豪雨。高島和子さんや北野悦之さんなどの田んぼでは氾濫した河川の土砂が流れこむなどの被害を受けています。

6月27日。この日も朝から雨でしたが、北野鉄矢さんの田んぼを通りかかるとカッパを着込み除草作業に勤しんでおられました。「雨ばかりばってん、今のうちに草ば取っとかんとね」と言っておられますが、除草機を数回かけた田んぼ内にはすでに雑草の姿はほとんど見当たりません。それでも数少なく残る雑草を一本一本抜きとっていきます。とても真似のできない完璧さです。

雨の中、カッパを着て除草作業を行う

かなりの面積の田んぼを地道に除草する。

抜いた雑草

7月19日の稲の様子

7月19日の稲の遠景。

田んぼの草を刈る

8月15日の稲の様子

今年は1枚しか作付できなかった森の中にある田んぼ。そこへ行くには、南阿蘇鉄道の線路を歩いていく必要があります。普段は電車が来ないかどうかを確かめて気をつけながら歩くのですが、地震で谷を渡る鉄橋が崩落し運休が続いているため、線路に電車が走ってくることはありません。たった4ヶ月電車が走らないだけで、まるで廃線したかのうように荒廃しています。

田んぼではコシヒカリがすくすくと育っていました。少ない湧き水を田んぼに入れるため、水路を掘ってパイプをつなぎ、なんとか用水を確保しているようです。

8月15日の稲の遠景

8月15日の稲の様子。

少ない湧き水を農業用水として使用している

まるで廃線になったかのような南阿蘇鉄道の線路。

9月16日、稲刈り

今年度のコシヒカリの稲刈りは9月16日に行われました。この森に囲まれた田んぼ数枚は、例年であれば全てヒノヒカリが作付されているのですが、今年度は地震の影響によりコシヒカリを1枚だけ作付しております。その1枚の田んぼも農業用水といえば湧き水がぎりぎり流れてくるだけですので水が足りるか心配されましたが、立派に穂を実らせてくれました。

ここ最近続いた長雨の影響でやや土がぬかるんでいますので本当はあと数日乾かしたいところですが、また明日からは当分雨の予報ですので、今日中になんとしてでも刈り終えなければなりません。コンバインが沈んでぬかるみで倒れた稲を一株ずつ手で起こしながらゆっくりと刈っていきます。

別のコシヒカリの田んぼでは奥さんが隅を手刈りして稲刈りの準備を行っていました。「今年はいろいろ大変でしたけど、米ができてよかったです」と額の汗をぬぐいながら笑っておられました。

倒れた稲を手で立てていく。

稲刈りを行う。

稲刈りも慎重に、丁寧に置こぬ。

黄金色に実った穂。

隅を手刈りする北野鉄矢さん。

他の場所にあるコシヒカリの田んぼ。

こちらでは奥さんが手刈りしていた