Tetsuya Kitano
2013北野鉄矢さん 25年度産商品ページ

北野鉄矢さんの田んぼと無農薬栽培を示す立て看板。

厳しい暑さも色濃く残る9月初旬、阿蘇地方では待ちに待った稲刈りが始まる季節です。

南阿蘇鉄道・長陽駅のほど近くにある田んぼへ到着すると、北野鉄矢さんが稲刈りの準備を着々と進めていました。 ■ 記録的な猛暑とコシヒカリの関係。 記録的な猛暑となった平成25年の夏ですが、その猛暑は稲に思わぬ弊害をもたらしました。それは「育ち過ぎ」です。
稲は基本的に気温が高ければ高いほど大きく成長するのですが、気温30度を超える連日の猛暑によって稲が成長しすぎて、多くの水田で稲がバッタバッタと倒れてしまったのです。

収穫前、お米の登熟度合いをチェックする北野さん。

そもそも「コシヒカリ」という品種は収穫直前に台風が来ようものならベタッと寝てしまうほど非常に倒れやすい品種なんですが、別に台風が来たわけでもないのに、まるで車で踏みつぶされたかのようにぺったりと倒れてしまうのは今まで見たことがありません。

これほどまでにコシヒカリが倒れた原因として、記録的な猛暑、コシヒカリという品種の倒れやすさ、の二つに加え、「化学肥料の使用」があります。
化学肥料の使用は著しく成長を促す反面、必要以上に稲が伸びすぎ、稲の倒伏を加速させる原因ともなるのです。

じゃあなぜ北野鉄矢さんのコシヒカリは猛暑で育てたコシヒカリであるにも関わらず、全く倒れていないのか。それは肥料を全く施していないからです。■ 無施肥の自然栽培なら、猛暑もなんのその。そもそも植物ってのは、ちょっと暑いくらいでバタバタ倒れたりはしません。実際、暑かったからって倒れてるのは稲くらいなもんで、森の木々もその辺に生えてる雑草もピンピンしてます。
肥料を与えない「無施肥」という、自然に最も近い栽培方法を行ったことにより、北野鉄矢さんのコシヒカリは自然の植物と同じくピンピンしてるわけなんですね。

見学会時の北野鉄矢さんの田んぼ

そんな「自然栽培コシヒカリ」を作る北野鉄矢さんですが、稲も立派なら田んぼも立派です。田んぼも立派ってどういうことかといいますと、もうとにかくきっちりしてあるんですね。
■ みんな驚いた、その田んぼの美しさ。 収穫の少し前に「環境保全型農業技術研究会」という有機農業の団体の見学会で北野鉄矢さんの田んぼを訪れたのですが、訪れたみなさん、その田んぼの美しさにほれぼれしていました。

田んぼの畦は綺麗に整備されており、除草剤を一切使用しないのに田んぼに草は全く生えておりません。数回の機械除草に加え、田んぼに入っての手除草をまめに行っているためです。

田んぼを見ればその農家の人となりが分かる」と言いますが、まさにその通り。米作りに対してとにかく真面目に向き合うという、有機農家・北野鉄矢さんの姿勢は、同じ米農家として見習っていかねばならないと痛感させられます。 ■ 環境保全とはこういうことです。 このコシヒカリを栽培している田んぼで使用する水は、喜多堤湧水群から流れてくる阿蘇の天然水ですが、田んぼで使用された水は再び地下へ吸い込まれていき、20年の歳月をかけて熊本平野へ辿り着いて、熊本市にて水道水として使用されます。
この阿蘇地方における環境保全型農業とは、景観や米自体の安全を目的とするだけでなく、熊本の水瓶として安全な地下水を保全するという大切な役割もあります。「自然栽培」であれば、農薬や肥料によって地下水を一切汚染することなく稲作を行うことができるのです。

南阿蘇の大自然の中で行う、無農薬・無施肥栽培という環境保全型農業で栽培したコシヒカリ。
安全、環境保全、美味しさを、全て兼ね備えた素晴らしいお米です。