Tetsuya Kitano
2012北野鉄矢さん 24年度産商品ページ

不便な田んぼだからこそ出来る、安全なお米作り。

北野鉄矢さんが作った道。

軽トラックでもギリギリ通れるほどの細い山道。鬱蒼と茂る杉林の中をしばらく走ると、ようやく視界が開けました。行き着いた先は、やがて収穫を迎えようとしている数枚の小さな田んぼ。ようやく北野さんの「隠れ田」に到着したようです。

ものすごい山の中にある田んぼ。
南阿蘇村の農家である北野鉄矢さんは南阿蘇村内のいくつかの場所でお米を作っていますが、今回ご紹介いたしますヒノヒカリは、地元民さえたどり着けないような山の中にある田んぼで作っております。
こんな狭い道を通って毎日水管理に行くとなると、かなり不便な気がしますが・・・どうやら、これでもマシになったほうみたいですよ。

田んぼを見つめる北野鉄矢さん。

今通ってきた道、自分で作ったですって!?。
北野さんの父がこの田んぼでお米を作っていた時にはまだ車の通れる道はなかったため、を連れていき代かきを行い、田植えや稲刈りは全て人力で行なっていたそうです。今ではなんとか車の通れる道ができたため、小さいトラクターや稲刈り機を持っていけるようになりました。へぇ〜、数枚の田んぼのために道を作るなんて、行政もたまにはやるもんですね。

「いや、この道は自分で作ったんだよ」・・・・・・はい?
「小さいショベルカーを中古で買ってね、自分でコツコツ掘って作ったんだよ」

け・・・結構長〜い道のりでしたけど・・・この道を自分で作ったんですか!いや〜、おみそれいたしました。

普通であれば、そこまで苦労して道を作ったところで先には数枚の小さな田んぼしかないわけで、こんな不便な場所にある田んぼは見捨てて平地の田んぼを探すのが懸命であると思うんですが・・・いや、私には判るような気がします。北野さんがそこまでしてまでこの田んぼで米を作りたかった理由が。

収穫直前の稲

不便だからこそ最高の田んぼ。
エコファーマー認定農家として「農薬の使用は初期の除草剤一回のみ」の減農薬栽培に取り組むにあたり、周囲に農薬を散布する田んぼが全くないこの環境は「安全な米作り」を行うにはうってつけの場所。この「隠れ田」で米作りができるのであれば、道を自力で作る苦労なんてなんてことはないのです。
ちなみに米の味を左右する「」はポンプを使って山の下から地下水を汲み上げてますので、味もピカイチ。不便といったら、山の中すぎるのでたまにイノシシに田んぼを荒らされることくらいでしょうか。

なお、今年から1枚の田んぼで無農薬・無施肥栽培に挑戦されておりますが、来年度からは全ての田んぼを無農薬・無施肥栽培で作られるとのこと。これからの北野鉄矢さんの米作りに期待です。

  • 北野鉄矢さんが作った道。細いが軽トラックは通れる。
  • どっさりと穂をつけた稲。
  • 収穫前の田んぼを見つめる北野鉄矢さん。