Katsuyoshi Fujiwara
2013藤原勝義さん 25年度産商品ページ

無農薬・無化学肥料栽培を示す看板。生産者名は息子の浩二さんの名前になっている。

■ 南阿蘇村で作る無農薬栽培のヒノヒカリ南阿蘇村の有機農家である藤原勝義さんより、昨年に引き続き農薬と化学肥料を一切使用せずに栽培したヒノヒカリが入荷いたしました。

喜多無農薬米生産会」と「喜多いきいきくらぶ」という二つの水稲生産会に所属する藤原勝義さんは、奥さんや息子の浩二さんとともに、ここ南阿蘇村河陽で農薬と化学肥料を使用せず「ヒノヒカリ」と日本酒用の酒米である「山田錦」を栽培しています。

そんな藤原さんの栽培したヒノヒカリが、田植えから4ヶ月と3週間が経ち、本日いよいよ収穫の時を迎えました。

コンバインで稲を刈る浩二さん。狭い場所は立って刈り具合をチェックしながら操作する。

■ 今日は稲刈り。一家総出で行います。同じく無農薬・無化学肥料で栽培している山田錦は一足早く稲刈りを終えており、残すのはこのヒノヒカリだけ。籾乾燥機の調子が悪かったため少し稲刈りが遅れましたが、週末やってくるという台風を前に、なんとか今日中に稲刈りを終えたいところです。

奥さんが田んぼのコーナー部分の稲を手刈りし、稲刈りに備えます。準備を終えた田んぼにコンバインに乗った浩二さんが到着し、すぐに稲を刈り始めました。大型のコンバインはみるみるうちに稲を飲み込んでいき、10アールほどの田んぼはあっという間にすっきりとした平地に戻っていきました。

藤原勝義さんの役目は籾の移動。コンバインで収穫した籾はある程度たまったところで軽トラックの荷台に積み込んだ穀物搬送機(その名も秋太郎)に移され、すぐに米の乾燥と籾摺りを行う「ライスセンター」に運ばれます。ライスセンターに到着した籾はすぐに乾燥機に移され、1〜2日かけて適度な水分量まで乾燥したら籾摺りを行い、その後30kgづつ袋詰めして出荷となります。

と、ここで乾燥機に「無農薬米専用」の文字を発見。そう、この喜多ライスセンターにはなんと無農薬米だけを乾燥させる乾燥機があるのです。

乾燥機には「無農薬米用」の張り紙がある。このライスセンターでは無農薬米のシェアが非常に多い。

■ 喜多地区の有機農家のこだわりとは喜多無農薬米生産会と喜多いきいきくらぶという二つの無農薬栽培米の生産会が存在する喜多地区のライスセンターだけあって、農薬や化学肥料を使用する慣行栽培で作ったお米と混ざらないよう、きちんと配慮してあるんです。
現在は5台ある乾燥機のうち2台が無農薬栽培米専用となっており、この喜多地区のオーガニックのシェアの高さが伺えます。

藤原さんがこの喜多地区で「安全なお米を作っている」と堂々と胸を張れるのは、栽培中に除草剤や殺虫剤、化学肥料を使用せずに作ることはもちろんのこと、収穫後の無農薬栽培米の扱いについての取り決めがしっかりしていることも大きな要因なんですね。

刈り取ったばかりの籾。この後乾燥、籾摺りを経て玄米へと加工される。

■ 使用するのは有機肥料と、人力除草 藤原勝義さんのヒノヒカリは農薬類は一切使用せず、使用する肥料は同じ南阿蘇村にある「南阿蘇有機肥料生産センター」で生産されている「牛若丸」という肥料だけ。
BMW(バクテリアミネラルウォーター)という技術を使った水と南阿蘇村で飼育される牛の堆肥から作られるこの肥料は極上の有機肥料であり、性質的には米の収量を上げるというより土壌微生物による「土壌の改善」を目的としたものです。

この「牛若丸」と、2回の手押し式機械除草と度重なる手除草により、安全と環境に配慮した「持続可能な農業」を実現しているのであります。