サンスクリット語で”平和郷”を意味する、インド東部のシャンティニケタン。この地から生まれた山羊革工芸品は「シャンティニケタニ」と呼ばれ、かつてインドの詩人タゴールが日本を訪れた際、革細工に感動し、その技術をインドに持ち帰ったことが始まりといわれています。 平和と農民の自立を願うタゴールの志とともに発展した山羊革工芸品は、農民たちの副業として広がっていきました。
現在では、西ベンガル地域の生産者の大切な仕事となっています。




カラフルな色使いが目を惹く、山羊革工芸品。
ネコやゾウ、キリンなどの愛らしい動物柄から、花柄や幾何学模様などバリエーション豊富な色柄は「他にはない!」「こんなの欲しかった!」とお客さまからご好評を頂いています。
これらは万力という機械を使って革に型押しをした後、布をクルクルと丸めただけの手作りの筆に染料を染み込ませ、1つ1つ丁寧に、手作業で色をつけていきます。細かい部分を色付けするのは、とても根気のいる作業です。 また、仕上げにローラーで圧力をかけることで、革に含まれる脂分が表に染み出し、エナメルのような独特のツヤとなって輝きが生まれます。ひと昔前までは、この工程はガラス玉を使って行われていたそうです。




山羊革工芸品は、軽くて使いやすいのが特徴です。
種類により重さは異なりますが、大きなトートバッグでも500g程度と、他の皮革製品に比べ、とても軽量。革のバッグは重くてちょっと…という方にもオススメです。
また、使っていくうちに、徐々に革色が美しいアメ色へと変化し、光沢が増してゆきます。
革を柔らかくする薬品等を使用していないため、最初はハリを感じるかもしれませんが使い込むほどにしっとりと柔らかく手に馴染みます。ゆっくりと年数を掛けて風合いの変化をお楽しみください。




山羊革工芸品に使用されている革はすべて植物タンニンでなめしています。製造工程中にも環境を汚染するような有害廃棄物をほとんど出さないため、自然環境に優しい素材として見直されつつあります。 貴重な天然素材をあますところなく使用しているため、革に色ムラや小さなキズやシワがついている場合がありますが、タンニンなめし革の風合い・特性としてご理解いただければ幸いです。
着色には発がん性の疑いのある成分を含まないアゾフリー化学染料を使用しています。




山羊革工芸品を私たちに届けてくれるのは、東インドに自らの工房を持つチャタジーさん。イスラム教徒とヒンズー教の対立を避けて18歳で難民として、 母国である東パキスタン(現バングラデシュ)から裸一貫でイン  ドに避難しました。その後、中断していた教育を終えるために 大学へ入学。卒業後にシャンティニケタニと関わることになりました。2年ほど無報酬で工房で働き、技術を習得した後、 独立。この仕事をはじめてからもう40年以上がたちます。 「山羊革細工の仕事は、私の生きる道です。 それにこの仕事はとてもクリエイティブな仕事でもあるんです。毎年新しい色やデザイン、型ができますからね」 とチャタジーさんは言います。




第3世界ショップAsante Sanaとチャタジーさんとは1988年からの長いおつきあいです。いつも「フルスイングで頑張ります!」というのが口癖で、工房で働くスタッフからは「とても親切、まるで父親のよう」と親しまれているチャタジーさん。訪問をした時の話では、現在は後継者不足や、インフレによる原料の高騰など問題を抱え、以前はチャタジーさんのような山羊革工房を営む団体は近所に20件程ありましたが、今では5件程までに減少し、伝統的な手仕事の文化が失われつつあります。「工房で働くスタッフはみな家族のようなもの。だからみんなが継続して働けるよう、伝統を守りながら新しいことにもチャレンジして工房を守っていくんだ。」とチャタジーさんは新しいチャレンジに意欲的です。
 






フェアトレードとは、近年の経済活動のグローバル化に伴う大量生産、大量流通といった仕組みで生まれた南北問題を解決するための、もうひとつの貿易のありかた。
私たち第3世界ショップは、フェアトレードを通して開発途上国の貧困問題など南北の経済格差の解消を目指し、生産者の仕事づくりや生活向上を応援しています。