鉄の丈夫さ、蓄熱作用などの長所と、アルミの熱伝導の良さ、錆に内部まで侵されない等の良さを併せ持った耐熱性に優れた鋼板です。
ヘビーユースにも耐えるので業務用パン型などに多く用いられています。使い込むと油がなじんで使いやすくなっていきます。
初回に空焼きが必要であることや、手入れが悪いと下地や部品から錆が出ることもあって冷やしには向かない、という注意点もあります。
●ご使用前●
初めて使用するときは、まず空焼きを行ってください。
※フッ素樹脂加工、スーパーシリコン加工の食パン型には空焼きは必要ありません。
空焼きとは、製造時に付着した工業油を焼き切り、改めて型の内側に食用油を塗って焼くことで型の内側に薄い油の膜(油膜)を張る作業のことです。
油膜を作ることで、パン生地の型離れがよくなり、錆びにくくなるため型の耐久性が向上します。
なお、空焼きには定義がございませんので、正解がないのが現状です。
以下の空焼きの仕方は、浅井商店で販売しておりますアルタイト製のパン型をご使用していただく前に、当店がお勧めする空焼きの方法です。
■空焼き方法
ショートニングとは、無味無臭の固形油脂です。スーパーの製菓材料コーナーなどで購入することができます。
油脂は種類により、成分の違いから焦げやすいものや、匂いの強いものがあります。空焼きの際の油脂は、ショートニングかスプレーオイルを使用して下さい。
また、液体油脂は垂れやすく、塗りムラや塗り残しの原因になる恐れがあるので避けて下さい。
■フタも同様に、内側部分と、溝の内側にショートニングを塗る。
■油膜について
アルタイト(アルスター)の食パン型は、使い続けるごとに油膜が強化されていき、油膜の色が濃くなって見栄えが悪くなる場合がありますが、問題ありません。 (油膜がパン生地に混入することはありません)
油膜が強化されることで使い心地がよくなり、型離れの良いいわゆる「育った」状態のパン型になります。
この油膜を保護するために、パン型はなるべく水洗いをせずに保管して下さい。
また、空焼きの際に油脂を厚く塗ると、油膜がベタつくことがありますが、多少であれば使用には問題ありませんのでそのままご使用下さい。
ただし、厚く塗りすぎてしまい、ダレて段になってしまう程でしたら、メラミンスポンジや、がんこたわし等できれいに油分を落とした後に、再度空焼きが必要です。
●使い方(生地を入れる際の準備)●
空焼きを行った後も、毎回使用する際に、ショートニングやスプレーオイルを塗ってから生地を入れて下さい。またその場合は、サラダ油やバターなどの油脂も使用可能です。
ショートニングを刷毛に適量とり、型の内側全体(底部分と内側の側面)とフタの内側(溝の内側含む)にまんべんなくのばす。
塗り跡などは残ってもよいので、塗り残しのないように隅々までしっかり塗る。
スプレーオイルをよく振り、型の内側から20cm程離して、2~3秒ほど内側全体にまんべんなく吹き付ける。フタの内側にも同様に吹き付ける。
(全体にまんべんなく吹き付けられていれば、キッチンペーパーなどでのばす必要はありません)
■〇パンが型にくっついてしまった…!
■使い始めのパン型は、油膜の生成が不十分なために、パン生地が多少くっついてしまうことがあります。
もし生地がくっついてしまっても、型が傷む原因になるので、生地を取り出す際に金属のヘラやナイフなどは使用しないで下さい。
何度か使用するか、空焼きを繰り返していただくと次第に型離れはよくなってきます。
■上記の手順を行い、使用前に油脂を塗ったにもかかわらず生地がくっついてしまう場合、
多くの場合は使用前に塗る油脂が足りなかったか、塗り残しがあることが原因です。
いずれの油脂を使用する場合も、生地を入れる前には塗り残しの無いように念入りに塗って下さい。
また食パンに混ぜ込んだ材料や、表面に塗った卵などが型に焦げ付く場合もあるので、そうした材料が型に付着しないように注意して下さい。
●使用後のお手入れ方法●
基本的には洗わず汚れをよく拭き取って保管します。
使用後の型があたたかいうちに、軍手などをはめてやわらかい布で汚れを拭き取りながら、型に残った油分を内側全体に薄くのばしてそのまま保管します。
もしパン生地の一部などが型に張り付いて取りにくい場合には、張り付いたパン生地に油をしみこませてふやかすと拭い取りやすくなります。
汚れがひどい時、長期使用しない時は、中性洗剤(食器用洗剤)をつけたやわらかいスポンジで洗い、すぐに水気を拭き取ったのちにオーブンの余熱で乾燥させてから保管して下さい。ただし、次の使用時には再度空焼きを行うことをおすすめします。
●おすすめのスプレーオイルと刷毛●