飲みすぎると胃ではなにが起きているの?
飲みすぎによる胃痛、胸焼けなどの胃の不快症状は、お酒(アルコール)の多量摂取が原因です。
アルコール度数の高いお酒を飲むと胃のあたりが熱く感じませんか?
熱いお茶を飲んでも熱さを感じないのになぜでしょう。
胃は本来、粘液のベールが胃の内側を覆っていて、いろいろな刺激から守られています。
しかし、アルコールは分子のサイズが小さいため、粘液のベールを通り抜けてしまい、
胃自体に刺激を与えてしまいます。
このような時、胃の表面は炎症を起こして"胃痛"の原因になっていることがあるのです。
また、アルコールは胃粘膜を刺激して、食べた物を消化するための胃酸の分泌を促します。
胃酸はpH1〜2の強酸性で、この強い酸から胃粘膜を守っているのも粘液です。
ところが、アルコールの刺激で胃粘膜が弱っていると、胃粘膜は胃酸の刺激を受けやすくなってしまいます。
そして、胃酸の分泌が多くなると"胸が焼ける""酸っぱいものが逆流する"などの不快症状を引き起こす原因になります。
翌朝、吐き気があったりするのはなぜ?
アルコールは胃や腸から吸収され、肝臓で処理されて、アセトアルデヒドに変わり、
筋肉や脂肪組織に運ばれて二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿となって身体の外へ出ていきます。
しかし、アルコール量が多いと、分解しきれなかったアセトアルデヒドは血中を回り、
吐き気や頭痛の原因となるのです。
予防方法はあるの?
確実な予防方法はありませんが、対応方法としては、酒の肴に良質のタンパク質(枝豆、納豆、豆腐、カキフライ、アサリの酒蒸しなど)をとること、イッキノミは避けること(肝臓は1時間に日本酒にして0.3合程度の処理能力しかない)、お酒とは別に水分を補給することなどがあげられます。
(胃のサイエンス:www.i-no-science.com/column/teach/teach06.html)