ロープの洗浄とケア |
●クリーニングに使用する洗剤は中性洗剤を使用してください。
●ロープ全体をブラッシングし充分にすすいだ後、風通しの良い場所(陰干し)でしっかりと乾燥させてください。
●洗濯機を使用しての洗浄も可能ですが、弱水流にて洗い脱水はかけないでください。 |
コア(芯)とシース(外皮)のズレ(外皮の弛みについて)
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ロープを永く使用しているとコアとシースの間に微妙な弛みが出てくることがあります。
※本案内は使用可能なロープに対しての手入れ方法となります。限度を超えた使用頻度のロープや墜落など大きな力が加わった経緯がある場合は除かれます。
弛みがコアへのダメージにより発生した物ではないか、ロープ全体を入念に点検を行った上で処理を進めてください。 |
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点検方法
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●点検は目視と触診により判断する必要があります。必要に応じて洗浄し、清潔な状態で行う事が望ましいです。
●ロープの片端より始めは軽く握りながらスライドし、まんべんなく目視・触診にて点検を進めます。
●主に外皮への切傷・摩耗は重要なサインです。ダメージの度合いを確認してください。
●外皮表面のうっすらとした毛羽立ち程度であれば、強度低下には影響を及ぼしません。 |
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以下の場合はその部分を切断またはロープの破棄を検討してください。
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●明らかな外皮の切傷や大きな毛羽立ち。
●コア(芯)が露出した切傷。
●シース(外皮)内でのコア(芯)のこぶ・折れ・空洞化
●局部的な変色や薬品・溶剤によるダメージと思われる症状。またその原因が不明瞭な場合
●摩擦や発熱体との接触により、ロープ表面に光沢感が出た場合。
●長期間、直射日光(紫外線)にさらされたロープ。 |
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交換時期について |
●PPE及び個人保護具に関連するロープ類は個人へ割り振られるべき装備品となります。
●使用者は製品の製造時期・識別番号に加え使用履歴・状況を管理することが大切です。
●使用履歴が不明瞭な物、極度の加湿、墜落制止の履歴のあるものは使用するべきてはありません。
【ロープの寿命について】
未使用かつ保管環境が良好な場合のみ、ロープの寿命は製造月より最長15年間となります。ただし使用開始日より最長10年が優先されます。
例1)保管期間5年+使用期間10年≒最長寿命15年
例2)保管期間7年+使用期間8年≒最長寿命15年
例3)保管期間2年+使用期間10年≒最長寿命12年
ここにあげるロープの最長寿命は、いずれもロープに対しストレスやダメージが生じていないことが前提となります。
摩耗や劣化が進んだ場合には状態に応じて破棄する必要があります。
平均的なロープの寿命として、毎日使用した場合は3〜6ヶ月、毎週末使用した場合は2〜3年、使用頻度低い場合は4〜5年、極端に使用回数が少ない場合は10年が目安となります。
また、1度でも大きな衝撃荷重が加わった場合や、ロープに損傷があった場合は使用を中止し破棄してください。
【以下の場合、ただちに使用をやめて破棄してください。】
・落下係数2に近い墜落を制動した場合
・ロープのコア(芯)にダメージを受けた場合
・シース(外皮)が非常に摩耗した場合
・ロープの安全性に少しでも不安を感じた場合
【ロープの寿命を延ばすポイント】
初めて使用する前(開封時)にロープ全体を半日〜1日水に浸し充分に陰干ししてください。
製造する際に使用する溶剤を落とし、ロープが締まります。
なお、本工程を行う事でロープ全長に対し数%の縮みが発生することがあります。
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参考文献提供:シンギングロック/SINGING ROCK sro
エーデルワイス/EDELWEISS SAS |