Gradation Leather

グラデーションレザー

中性のイタリア・フィレンツェより続く伝統的なベジタブルタンニン鞣しを施した革、
‟イタリアンレザー”。
このイタリアンレザーに染料にて色の濃淡をつけ、独自の深みと色彩を手に入れた革が
“グラデーションレザー”です。

レザー本来の艶を損なうことなく染め上げられ、また使いこむ事でより深みが増す“エイジング”も堪能できます。

職人により一つ一つ手作業にて染色されるため、2つとして同じ濃淡・柄の物は無いレザーです。

手間ひまかけた
鞣し工程

"鞣し"とは動物から採取した"皮"を加工し、"革"へ仕上げていく加工のことです。これにより有機素材である動物の皮が腐敗することなく、素材として使用できるようになります。

ベジタブルタンニン鞣しは少なくとも約10の行程があり、職人が手間ひまかけ一般に知られるレザーへと姿を変えます。

その工程の中でレザーの印象を大きく左右する“染色”があり、グラデーションレザーではこの染色工程だけでも専門の職人が存在するほど重要なプロセスです。

レザーの色彩

レザーは既知の通り、動物の皮を鞣すことで腐敗を防ぎ有機物が1つの‟素材”へと変化した姿です。
したがってレザー本来の‟色”とは、元の動物のスキンカラーに起因します。

無染色のカウレザーはヌメ革と呼ばれ、とてもシンプルに素直なエイジングを感じられ、
年月と共に深みのあるレザーらしい茶色に姿を変えるレザーです。

一方で市場に出回っている様々な色味のレザー製品の多くは、染色または顔料にて色を纏っています。
それぞれに魅力や優れた特徴があり、レザーには欠かせない加工方法の一つです。

染料と顔料の違い

レザーに様々な色を与える染料と顔料。
それぞれの特徴を紹介します。

<染料>
染料はその文字が表す通り「染める」ことでレザーに着色します。
レザーは言わば細かな組織が絡まりあったフェルトのような構造で、その隙間に染料が浸透し色が定着します。
この染め方も複数の方法があり、レザー自体を染料に浸してムラなく全体を染める手法や、ハケなどにより濃淡や柄を付ける染め方などと多岐にわたります。

染料はレザーに浸透するため、レザー自体の銀面(表層)や質感などのレザー本来の表情を損なうこと無く着色できるというメリットがあります。

<顔料>
染料とは異なり、ほとんど浸み込むこと無く‟コーティング”に近い着色処理です。
顔料の優れている点は、レザー表面を薄くコーティングするため、ムラなく全体を同一色に整えることが出来ます。
また、レザー正面の細かなキズやシワなども目立ちにくくなります。

さらにレザー本来の色に左右されないため、パステル調やビビッドなカラーリングなど、染料では表現できないような色味も表現することができます。

グラデーション
レザー

染色によって様々に姿を変えるレザー。
その中でも特に独自の存在感を放ち、あたかも数年使い込んだレザーのような奥深さと、唯一無二の色彩を身に纏ったレザーです。

元々レザーは使い込むうちに良く触れる部分、例えばレザージャケットでいう袖口やポケット周りなどが身体から出る油分を含んだり擦れることで磨かれ、徐々に濃い色と艶が増し、レザーならではの風格ある姿に変化します。

レザーのエイジングの一つであるこの変化を再現しようと生み出されたのが
‟パティーヌ仕上げ”という手法です。
筆などでレザー製品のフチや凸部分を濃く染色することで初めからエイジングレザーのような美しい色合いを再現することに成功しました。
グラデーションレザーはこのパティーヌ仕上げを施した、その名の通りグラデーションが美しいレザーです。

グラデーションレザー
の魅力

色の濃淡

グラデーションレザーの一番の特徴ともいえる色の濃淡は、場所により染色具合を変えることで表現されています。
まるでエイジングを施したレザーのような奥深い色合いを手にした時から堪能できます。

唯一無二な模様

職人による手作業にて染め上げられるため、2つとして同じものが存在しないのもまたグラデーションレザーの特徴と言えます。
ブラシやハケによって無数の線が並び、数あるレザーの中でも異色の存在感を放ちます。

エイジング

レザーの表面(銀面)の質感や艶を損なうことなくカラーリングできる“染料”だからこそ、また一味異なったエイジングに。

グラデーション独自のカラーリングとエイジングが合わさる事で、より深みがあり、それでいて鮮やかな姿へと変化していきます。

レザーに個性を。

レザーに無くてはならない処理“染色”
その中でもレザーに唯一無二の色彩と美しい濃淡を与えるパティーヌ処理にて生まれたグラデーションレザー。

その神秘的な色合いはきっと多くのシーンで普段の生活に色を与えてくれるはずです。