今回のゲスト:

Thinking Dogs / TSUBASA & Jun

NANAMI:
ThinkingDogsはどんなバンドになりますか。
TSUBASA:
どんなバンドって色々な場所で聞かれるんですけど。どんなバンドって。
Jun:
一言で、私達はどんなバンドです、みたいな。
TSUBASA:
まあ、でも僕達で言ったら4人組の、男4人組のバンドなんですけど。最近で言ったらそれこそ、自分達がどんなバンドかっていうのを見つめなおす時間みたいなのがやっぱり世の中の状況がこういう風になって、自分たちの武器というか、何で戦えるのかみたいなのをもう一度すごい見つめなおしたんですよ。そのときに、やっぱり自分たちにできることって4人全員曲作れたり歌詞書けたりするんで、その部分をもう、やっぱり、ライブもできない今、ライブができるようになった時に、皆を驚かせられるような、すごい楽曲作ってやるぜっていう部分も、本当に見つめなおしたというか。
NANAMI:
そうなんですね。でも皆が曲作れて歌詞も書けるってなかなか。
TSUBASA:
珍しいですよね。
TSUBASA:
でも本当4人とも全然違うタイプというか、ちょっと詩人ぽいのを書く奴もいれば、ストーリー書く奴もいて、自分の体験書く奴もいてみたいな。 例えば僕らの曲聞いてもらって、え、これ誰書いたんだろうみたいなのとかを、考えながら聞いてもらうとちょっと面白いかもしれません。
Jun:
詩も曲も全員4人やりますしね。
NANAMI:
なるほど、事件簿に上海事件っていうのがあるんですが。
TSUBASA:
上海事件はですね、フェスなんですけど。上海のフェスに出演させていただける機会があって、メンバー4人で行って出たんですけど。楽曲6曲ぐらい?やってるうちの、結構この曲は盛り上げたいよねっていう曲のところで、イヤモニ付けてたんですけど、イヤモニから一切音聞こえなくなったんですよ。しかも途中で。
Jun:
全員同じタイミングでぶつって音切れて。
TSUBASA:
で、こうやってもう、ぱって見合わせたら、皆すげえ笑ってんですよ、なんか。焦ってるかなと思ったら。俺聞こえないって思って見たら、なんか皆、俺も聞こえないよ、みたいな。聞こえません、みたいな。
Jun:
みんな聞こえないから大丈夫。
TSUBASA:
そう。で、アイコンタクトだけでその後乗り切って。
清水:
切れるとどういう状況になるんですか。
TSUBASA:
ライブするときって、楽器の弾いてる音と、プラスでそれを盛り上げるための音を同時に流してたりするんですよ。 なんで、その音、外では、要は会場のお客さんには聞こえてるんだけど、やっぱそれって反響とか色々するんで、僕らも聞いてないとなかなか合わせられなかったりするんですよ。
Jun:
リズムがね、取れなくなっちゃうんですよね。だからもう皆でドラムとかね、目視で見ながら合わせにいって。
TSUBASA:
ずれちゃうんで、外で流れてる音に合わせるとかしかできなくなっちゃったんですよ、その時。
NANAMI:
すごい。じゃあみんなで本当アイコンタクトでとりあえず合わせようって感じですよね。
Jun:
そうですね。あれは多分一軒家の共同生活で培われたってやつですね。
NANAMI:
すごい。そう、男4人バンドメンバー皆で共同生活しているっていうの聞いて、えっと思ったんですが。
TSUBASA:
いや俺も、えっ、と思ってます、ずっと。
Jun:
僕も、えっ、と思ってて。でもなんだろう、皆さんが多分イメージしてるのって男のバンドが4人集まって暮らしたらそれうるさいだろうとか、ありそうですけど、我々すんごい静かなんですよ。
NANAMI:
でもお2人に会って、そんなうるさい感じじゃなさそうだなとは思いました。
TSUBASA:
そう、めっちゃ気遣いながら、住宅街の中の一軒家で住んでるんで。気遣いながら、周りの人とかにもね、挨拶しながらいったりして。
Jun:
そう、警戒されないようにしっかり挨拶して、回覧板しっかり回して。
NANAMI:
でもお仕事も一緒にしてて、お家に帰っても皆一緒ってことじゃないですか。どんなですか。シンプルにすごい気になって。
TSUBASA:
なんだろうな。終わらない合宿してるみたいな感じなんで、例えばライブとかイベントとか行っても、帰ってきてリビングで反省会したりとか。良い点も多くて、例えば楽曲の一部、良いフレーズ思いつきましたって言うと、すぐリビング集まってこう合わせてとかもできるんで。
Jun:
打ち合わせすっごい楽っすよね。
清水:
逆に何か大変なこととかってあるんですか。例えば喧嘩とか。
TSUBASA:
大変。喧嘩は一回もないですね、今まで。結構気遣いあってっていうか。
Jun:
全員気遣ってる。
TSUBASA:
そう言うとあんま聞こえ良くないですけど。よく聞かれるんですけどご飯、誰かが作って一緒に食べたりするんですかとか。っていうより、共同でお風呂使ってキッチン使ってそれぞれの部屋があるっていう感じなので。
Jun:
ぶつかり合うこともないし。
NANAMI:
でも共同スペースもお掃除したりとかあるじゃないですか。当番制なんですか。
TSUBASA:
いや、もう気づいた奴が、掃除をしましょうっていう。
NANAMI:
でもそれで成り立ってるってすごいですね。
TSUBASA:
成り立ってますね、なんだかんだね。
清水:
普通だと結構、あいつ散らかして、とかなりそうですよね。
TSUBASA:
誰かが散らかしたら誰かが掃除して、誰かがお皿を洗わなきゃ、誰かが洗って。
NANAMI:
じゃあもう本当この4人だからできてる感じはあるかもしんないですね、絶対に。ルールみたいなのとかはないんですね。揉めないルールみたいな。
Jun:
ルールを決めないことがルールみたいな。そうですね。多分決めちゃうと、あいつやってねえじゃねえかみたいに、なんか憎しみが生まれてきて…
NANAMI:
でも確かに、それ結構重要かもしれないですね。ルール決めないって。

編集後記

日常から自分達だけでなく周りにも気を遣い、自由な創作活動を行えるようにルールを決めずとも各々が環境を作っていく。個々の音楽性だけでなく、様々な状況に対応する「チーム力」に気付きました。
音楽のクオリティを求める日々。そして事件簿をお聞きする中でも垣間見えた「チーム力の高さ」こそ、共同生活で培われたThinkingDogsが根底に持っている強みなのだと理解しました。

Thinking Dogs(TSUBASA & Jun)

2014年6月より始動。TSUBASA(Vo.)、わちゅ~(B)、Jun(G)、大輝(Dr.) からなる、4 人編成バンド。翌年6月にデビューシングルとなる「世界は終わらない」をリリースしメジャーデビュー、TBS系ドラマ「ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜」の主題歌に抜擢される。その後もドラマ、映画、アニメ等、数々の主題歌に起用されお茶の間にも知れ渡るロックバンドとなる。21年11月17日にはテレビ東京系ドラマ「じゃない方の彼女」の主題歌に起用された10枚目のシングル「エキストラ」をリリースするなど、現在も精力的な活動を見せる。