NANAMI:
ご結婚と出産を経てソロ活動をスタートされたと思うんですけど、不安とかってありませんでしたか?
伊藤:
不安だらけでしたね。私にとっても初めての経験のことだらけだったので、三姉妹の一番下だと分かると思うんですけどお姉ちゃん達が色々やって育ててくれたので、自分であんまりしないというか。人に頼ることは凄い得意なんですけどね。自分でしっかりしていくっていうのがちょっと苦手で、ソロ活動をスタートさせる時には、私伊藤千晃が中心となっていろいろ物事が進んでいくことが多かったので、そこに対して責任を持ってやるっていうのにプレッシャーを感じたりだとか、また子育ても同時にしていかなくちゃいけないっていう不安にちょっと押しつぶされそうな時はありますね。
NANAMI:
そうですよね。出産をするってだけでも初めての経験なのにそこでまた人生としてスタートしていく新しい形でってなってくると、自分じゃ考えらんないですよ。
伊藤:
いや、本当私も大パニックでしたね。「大丈夫かな?私で」って思うことも多々ありました。
NANAMI:
ソロ活動になって良かったこと、大変だなって思ったこととかって何かありますか?
伊藤:
そうですね。大変なことの方が最初は多くて、今までは私、誰かに何かを決めてもらう方が楽だったんですよ。だからどちらかといったらついていく方が好きというか、「これをやりなさいね」って言われて分かったっていう風にやる方が得意だったんですけど、ソロになってからは私が何をやりたいか、私がスタッフにも一応指示を出すっていう形に変えざるを得なかったので、そのやり方に慣れるまで指示の出し方とかが難しいなって悩んだ時期があったんですけど、今はそれも慣れてきてそれが音楽として形になった時とか『KIKI AND DAYS』の商品に変わった時とか、成し遂げた時の喜びはすごいありますね。ソロになってから。
NANAMI:
自分から発信していかないと進まないっていうのは、多分すごく大変ですよね。
伊藤:
そうなんですよ。でもすごいやりがいを感じているので、本当に楽しいなってよく思います。
清水:
『KIKI AND DAYS』というブランドを手掛けられ、商品を作る上の拘りや大変なところはありますか?
伊藤:
ブランドって難しいですね。
清水:
難しいですね。
伊藤:
いや、本当に思ってた以上に難しくて、自分の作りたいものと手にとってもらうお客さん達とのテンションの擦り合わせもすごく大切だなって思うし、でもそこが一番落としどころとして難しかったりだとか、拘ってこういう良い生地、良いボタンとか良い素材って使いたいけどコストに合わないとか、そういうバランスを取っていくのが何を優先順位として一番掲げるのかっていうのが少しまだ難しいなって思うことはありますね。
NANAMI:
ブランド手掛けて、逆にこの瞬間嬉しかったな、みたいなのってどんな瞬間ですか?
伊藤:
そうですね。ブランドをやっていて手に取ってくれる人たちがすごい今回の商品良かったとか、今だとSNSで自分が付けたその着た洋服とかも上げてくれるじゃないですか。だからそれがすごい似合ってるの選んだなって思う瞬間とか幸せ感じますね。
清水:
伊藤さんにとっての成功って何だと思いますか?
伊藤:
私、成功ってすごい難しいなと思ってるんですけど、あまり成功したいって考えたことがないんですよ。だから目標とかは達成したいって思うんですけど、成功って何だろうなって改めて問われると難しいですね。でも成功するまでに必要なことってあるじゃないですか。例えば努力もそうだし、成功するまでに通ってきた道の方が私は、もしかしたら大切にしてるかもしれないですね。なので、どんな結果であれその結果にたどり着くまでの道をどう歩むかっていうことが成功に繋がるので、成功とはそれまでに辿る道のことを言うんじゃないのかなと思います。
清水:
自分を奮い立たせてた頃の考える成功とはまた別の考え方になりましたか?
伊藤:
そうですね。それは、もしかしたらその歩む道に必要だったことかもしれないから、成功への道と言えるところではあると思います。
編集後記
自身がやりたいと思って入った芸能界。これまでに多くの苦労と悩みを経て、爆発的な人気を得た後からソロ活動まで。怒涛に移り変わる環境の中で、奮闘されてきた伊藤千晃さんが周りに支持される理由が分かりました。初めての経験に臆すことなく立ち向かい、積み重ね、会得してきたからこその辿り着いた、成し遂げる喜び。成功するまでに通ってきた道を大切にしていると語る伊藤さん。我武者羅ではありながらも、努力を怠らない結果が、今という成功に繋がっているのだと分かりました。