スイスワインの特徴
スイスワインの特徴がよく出ているのは 白ワインと言われています。
スイスでは、30種以上の白ブドウが栽培されていますが、その約40%がシャスラー種です。
この種は、土壌と気候環境を繊細に反映し、成熟後のワインの特徴や味に現れてくるといわれています。
一般的にその味は、フルーティーな芳香をもち、さっぱりとした切れ味の良いドライタイプの白を生産します。
スイス東部(ドイツ語圏)では香り豊かなリーズリングやシルヴァーネ種の栽培が主流となっています。
また、赤ワインではピノ・ノアール(27%)が代表的な栽培品種で主にジュネーブ州、ヌーシャテル州など
スイス西部(フランス語圏)でピノ・ノアールとしてボトリングされています。
ヴォー州、ヴァレー州では、他品種とのブレンドとして使用されています。
ヴァレー州では、12種以上の赤ワイン用品種が栽培されています。ギャメイ種(14%)は、西部のみで育つ赤ワイン用の2番目の代表品種です。
イタリア語圏ティッチーノ州ではメルロー種(6%)のみが栽培されています。
その他、ミュラー・テュルゴー種(5%)、シルヴァーネ種(2%)、となっています。
変わったところでは、知られざるロゼワインとして、ピノ・ノアール種からできる
オイユ・ド・ペルドリ(Oeil-de-Perdrix,山鶉の赤目)があります。
上品でエレガントな風味を持ち、デリケートでまろやかな香気を特徴としており、地元のワイン通では定評のあるロゼであります。
なぜ日本では知られていないの?
日本ではスイスワインはあまり知られていません。
それは、スイスが フランス、イタリア、ドイツのワイン大国に囲まれている事もありますが、国内消費量が国内生産量の3倍と生産量をはるかに上回っているからです。
一言で言えば、スイスはワイン輸出国ではなく輸入国で、国内で生産されるワインは自家消費に回っていると言うことでしょうか。
ワイン輸出協会のデータによれば、スイス人は年間一人あたり41リットルのワインを消費しています。
97年の赤ワインの消費については国産のものを5.3kl外国産の輸入ワインを15万kl消費しました。
白ワインについては、国産のものを6.6万kl、外国産輸入ワインを2.4万kl消費しました。
97年度のスイスのワイン消費量は、29.3万klでした。そのうち、スイス国産ワイン消費の比率は41%(11.9万kl)、
外国産輸入ワイン消費は59%(17.4万kl)でした。
■長い歴史を持つ由緒正しいワイン
スイスと聞いて思い浮かぶものといえば、アルプスの美しい風景、チョコレート、時計、そして日本で今も人気の高いハイジではないでしょうか。 もし、その中にワインを含めた方は、相当なスイス通と言えるでしょう。
スイスワインが造られ始めたのは古く、ローマ人がこの地に侵攻してきた紀元前一世紀のローマ時代にまで遡り、それ以来長い歴史と文化の中でワイン造りが受け継がれてきた、スイスワインは古い歴史を持つ由緒正しいワインなのです。
■スイスワインに使われる主なブドウ品種
●シャスラー(白ワイン用)
スイスワイン全生産量の39%がこのブドウから造られており、ヴァレー州の名産品ファンダンは、世界的にも名が知られている。
●リースリングxシルヴァーナー<ミュラー・トゥルガウ>(白ワイン用)
スイス東部トゥルガウ州出身の、ヘルマン・ミュラー博士によって開発されたブドウ品種。 ベルンからスイス東部にかけて多く栽培されており、このブドウから造られるワインは、花のような香りが特徴。
●ピノ・ノワール<ブラオブルグンダー>(赤ワイン用)
シャスラーに次いで多く使われるブドウ品種で、スイスワイン全生産量の28%がピノ・ノワールから造られる。 ヌーシャテル州のロゼワイン「ウィユ・ドゥ・ベルドリ」は、スイスを代表するこのブドウ品種から造られるロゼワイン。
●ガメイ(赤ワイン用)
シャスラー、ピノ・ノワールに次いで生産量が多く、ジュネーブ州、ヴォー州などのスイス西部で多く栽培され、こくのある赤ワインがこのブドウ品種から造られている。
■スイスワインの特徴と愉しみ方
国民一人当たりのワイン消費量は年間44リットル、世界の五本指に入るスイス人は大のワイン好き。 自国で生産されるワインの大半が国内で消費されるので、輸出に回る数量が少ないことから、高い品質にもかかわらずスイスワインの世界市場での知名度は低く、日本では見かけることの少ない希少価値の高いワイン。
土地代、人件費などのコストが高く、また内陸国なので輸送コストも高く付くので、フランス、ドイツなどの近隣諸国のワインと比べてスイスワインは値段が少々高い。 しかし、価格だけ比べるのは野暮なこと、スイスワインには爽やかな美味しさのほかに、こんなすぐれた良さもあるのです。
赤ワインに含まれているポリフェノールが、健康に良いことはすでによく知られていますが。 ポリノフェールの成分はケルセチン、カテキン、エピカテキン、レスベラトールの四つに分けられるそうです。 その中のレスベラトールが一番健康に効果があり、暖かい地域のブドウより、スイスのような涼しく湿気のある地域のブドウに、このレスベラトールがより多く含まれているとのこと。
美味しく希少価値が高いだけではなく、健康にも良いスイスワインにはアルペンチーズとのマリアージュが最高、アルプスノ自然が育んだワインとチーズで至福の時に乾杯
|