♪雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ。
 降っても降っても まだ降りやまぬ。
 犬は喜び 庭駈(か)けまわり、
 猫は火燵(こたつ)で丸くなる。

犬は寒さに強く、猫は寒さに弱い。
「雪」はそれを象徴する童謡の様に思います。
確かにその様な感じは見受けられます。(どうしてか?それはまたの機会に・・・)
しかし、小さい頃から室内で一緒に生活をされている犬や猫において
外気温が低くなるこの時期、気を付けて頂きたい事があります。
特にご高齢なお子さんに必要な事かもしれません。
循環器(心臓)に留意されるよう主治医さんから注意を受けられている方。
心疾患のお薬を服用されておられるお子さん。
ご高齢で代謝が落ちてこられているお子さん。
他疾患で治療、その他をされているお子さん。
皮膚疾患(痒み・炎症その他)でお悩みのお子さん。
・・・などは、本当に気を付けて頂きたく思っています。
それは、身体全体が短時間に大きな温度変化にさらされる事により、危険性が少なからずあると言う事です。


では、どういうことなのでしょう?
銭湯や温泉に行かれた時や、サウナに、「心臓のお弱い方や循環器障害などをお持ちの方はお控え下さい。」
などの注意書きを目にされた事があると思います。
意味合いが違うにせよ、似かよった事かと思います。
犬や猫に置き換えるとどういうことになるのでしょう。

以前にお話しさせて頂いたことがありますが、人の様にほぼ全身に分泌汗腺が存在するのではなく、非分泌汗腺であると言うことからもお察し頂けるかと思います。
暑さにおいては身体に熱がこもる現象が見られるのではないでしょうか。
これは、当然自然界において越冬する為には必要不可欠な一つと言える機能でしょう。
しかし、越冬する必要の無い室内で生活をされているお子さんにとってはちょっと不都合になってくる場面があるように思います。
[室外]で生活されている子たちは低温環境(外気温)において、生活上必要(生命維持)な中で身体の体温を上昇し、
それを維持するため問題は無い様に思われますが、
[室内]で生活をされている場合はどうでしょうか。

外気温の寒さを感じることもなく、或いは暖かさに誘われヒーターの前や
オコタの中にもぐっている子たちも少なくないと思います。
身体は当然暖かい(暑い?)状態でコントロールされているということです。
身体の環境変化に対する適応は瞬時に出来るものではなく、
ある程度の時間がかかります。

例えば暗い部屋から急に明るい部屋に移動した時、その逆であっても元の様に見え出すのに時間が必要なこともその一つだと思います。
私なんかは、同じ姿勢を続け次の姿勢をとるのに痛みと苦痛を伴い、
痛みが取れ、正常に動けるようになるのに時間がかかります。(笑)

その様な子たちがお外に急に出た場合どうなるでしょう?
当然楽しさのあまり、はしゃいで急激な運動をする場面も出てくると思います。
人の様に私は今この様な状態だからこうしなければ身体に負担をかける。
急に動くと良くないからゆっくりしないと・・・・なんて思う前に楽しみや喜びが先行するのが
お子さん(犬・猫、もちろん人のお子さんもだと思います)だと思います。
当然本能で行動し急激な行動がとれなければ野生では生きていけない場面が多く出てくるからだとも思います。
外気温が0度前後、ましてやもっと低ければ温度差が30度以上になるわけで、
体感温度はもっと差が出るかもしれません。

となれば身体に大変な負担が掛かり、心臓などは大変な負担をしいられることになるのではないでしょうか。
お分かり頂けると思いますが、生命の危機が訪れるのもお分かりいただけるかと思います。
もし、私が急に立ち上がり極寒の中で走ったもんならしばらく、
いや、永遠に横になっていなければならない事態になるかもしれません。(涙)

その様な事にならない為にも、親御さんにとっては少し時間がかかり、大変かと思いますが、
窓を少し開けるなど外気を室内に入れ、ゆっくり10分前後時間をかけ、
お子さんを外部温度に慣らされたうえ(外気温における身体のコントロールへの切り替え)、お外に出されることをお勧めしたいと思っています。

急にお外に出た場合、その時点では問題が無くても後々積み重なって、影響が出てくるように思います。
それは、病気の誘発や症状の悪化に結びつく要因にも成りうるものだと思っています。


循環器障害・脳神経疾患・代謝障害・椎体障害(関節疾患も含む)・皮膚疾患なども同様に気を付けてあげて下さい。
例えば、皮膚に疾患がある場合、温度上昇が良くない場合がある。
など、個々の疾患におきましては、またお話しさせていただく必要もあろうかと思っています。

季節の変わり目
犬も猫も人も植物も生きとし生きるもの
少なからずとも負担がかかるものです。
小さな負担も積み重なれば、
大きな負担に成りうるものではないでしょうか。
上手く乗り切ってあげる。
これも大切な予防かもしれません。

温度でも何でも
大きな「差」
差があればある程、お気を付け頂きたく思っています。
今だけではなく、この子たちの未来のためにも。
ちょっとした事が大きな予防効果を上げることもある様に思います。

まだまだこれから寒さが一段と厳しくなって来るかと思います。
親御さんもお身体にはくれぐれもご留意下さいます様、
親御さんあってのお子さんたちだと思っています。
今年も一年、
健やかな日々を送って頂きます様、
心から希望致します。