漢方薬 Q&A 


Q.1 漢方薬とは?

漢方薬は中国で生まれ、日本人の体質や日本の風土に合わせ独自の発展をしてきました。
漢方薬は症状を改善するために体質や体力に応じて2から数十種類の生薬で構成された処方を使用します。



Q.2 漢方薬は長い期間服用しないと効果が出ない?

病気の状態によります。
カゼや胃炎、花粉症などの急性症状で初期の処方が適切であれば、服用後30分~1時間程度で効いてくる場合もあります。
一方、慢性化した病気、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、アトピーなど体質改善を目的とする場合は、やはり一定期間の服用が必要です。
服用期間は病状や体力によって異なりますが、1ヶ月服用しても変化が感じられない場合は処方が適していない可能性もありますので一度ご相談下さい。



Q.3 煎じ薬・エキス剤(粉薬)・錠剤の違いは?

一言でいうと「効果」です。
よく例えられるのは、煎じ薬がドリップコーヒーでエキス剤はインスタントコーヒーといわれます。
煎じ薬は生薬の成分そのままに吸収しやすいですが、煎じる手間や時間がかかります。
服用しやすいように加工されたものがエキス剤や錠剤です。
まずは無理なく服用できることが大切ですので、生活スタイルや続けやすい方法に合わせてお選びください。



Q.4 漢方薬に副作用は無い?

体質・症状に適した漢方薬であればほとんどの場合、副作用はありません。
漢方薬は病名が同じでも、服用される方の体質や体力によって処方が異なります。
そのため、体に合わなければ副作用が出ることもあります。
また、稀に漢方薬に含まれる生薬が合わないことがあります。



Q.5 漢方薬と西洋薬の違いは?

漢方薬は数種類の生薬で構成され多くの成分を含んでいるため、ひとつの漢方薬でいろいろな症状に効果を発揮します。
西洋薬は人工的に化学合成された物質で、その多くは一つの成分で構成されているため局所的に効果を発揮します。
また、漢方薬は身体の崩れたバランスを整え、免疫力・治癒力を高めて症状を治します。
西洋薬は即効性が強く、対処的に症状を鎮めます。
例えば頭痛の場合、西洋薬では鎮痛剤(痛み止め)が処方されますが、漢方薬ではその原因(冷えや肩こり、ストレス、生理痛など)や体質によって処方が異なり、それらを改善することで治します。



Q.6 他の薬(西洋薬や漢方薬の別の処方)と併用しても大丈夫?

西洋薬との併用は基本的には問題ありません。時間をずらして服用してください。
漢方薬の別の処方と併用は、成分が重複している場合や作用が逆になっている場合などがありますので、一度ご相談ください。



Q.7 妊娠中でも漢方薬は服用できる?

妊娠中で、急性病(風邪や胃腸病など)や慢性病(皮膚病や腎炎など)を患っている方、貧血、むくみ、流産予防や胎児の発育促進などを目的に服用する漢方薬もあります。
ですが、服用出来ない漢方薬もありますので一度ご相談ください。



Q.8 自分に効いた漢方薬を他人に飲ませても大丈夫?

基本的にはいけません。
漢方薬は原因や体質、体力によって処方が異なります。
例えば不眠症の場合「眠らせる」というより「なぜ眠れなくなったのか」を考え、体質的な改善を目標にします。
まずは専門家によく相談して服用されることをお勧めします。