足立の大将は、醤油つくりを心から愛している人です。
                                       推薦者 醤油ソムリエ 高橋万太郎


2009年3月に足立醸造に新しい桶が運び込まれました。5,000リットルを越える大きさの醤油を仕込むための木桶です。
そして、この出来事は醤油に携わる人たちにとっては大きな「驚き」でした。
製造技術や設備の進歩に伴って、「短期間」かつ「低コスト」で醤油作りができるようになっている昨今、昔ながらの桶で醤油を仕込むことは、「手間」と「時間」と「コスト」のかかるものとして、その数は減少の一途をたどっています。

「桶仕込みをやめる」話を聞くことはあっても、「桶を増やす」話を聞く機会はありませんでした・・・
桶仕込みの場合、機械が自動的に管理してくれるものではありませんから、常に職人が向かい合って適切なサポートを施してあげることが必要不可欠になります。
「休みの日であっても蔵の様子を見に行ってしまうんだ!」と足立の大将。その表情からは、本心から醤油造りを愛する様子が話をしていると伝わってきます。
全国の醤油蔵を訪ね歩いていると、それぞれの蔵によって醤油の味が違うことを日々実感しています。むしろ、造り手である職人の「人柄」や「想い」というものが、醤油の味に現れているのでは・・・?!と感じてさえいます。
足立の大将と初めて出会った時、大きなザルで大豆を洗いながら、こんなことを呟いていました。

「毎日、醤油だけ造っていることができれば・・・これほど幸せなことはない!」と。

醤油は「自然」が造るものですが、それだけでは決して美味しい醤油はできません。
美味しい醤油になるように、少しだけ人が手を加えてあげる。
人が関わりすぎることもだめなわけで、その「少し」の加減が職人の技なのです。
もちろん、一朝一夕で会得できるものではありませんし、教科書に書かれているものでもありません。

足立の大将が日々醤油と向かい合って造り上げた天然醸造醤油。私自身大好きで、胸を張ってお薦めする逸品です!


高橋万太郎

職人仕立ての醤油の美味しさに魅了されて、
全国にある醤油蔵を渡り歩き、その訪問蔵数は100以上に上る。

奥深い醤油の魅力を多くの人に伝えようと
ウェブサイト「醤油職人.com」を立ち上げ、
「醤油ソムリエ」、「醤油プロデューサー」として
数々の雑誌、メディアからも注目され多岐に亘り活躍。

醤油業界を背負って立つ若き担い手の一人である。