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当店の組立工程 ツーリング (ヨシガイ ENE CICLO C-1 )編

こちらの組立工程の写真は旧型のC-1となります。
現行のC-2とはパーツ構成やパーツの形状及び組立て方が違います。

写真をクリックすると大きい写真が見られます。

実店舗の店頭に「最近通販で購入したばかりの自転車の調子が悪いので見て欲しい」という依頼がよくあります。試しに触らせていただくとブレーキや変速は動くには動くけど大抵は「ゴリゴリ」感が強く動きが鈍いものです。よく見るとメーカー出荷状態そのままのワイヤーを使ったままのおおよそ「これ1時間ぐらいで組み立ててるの?」と思わしきいわゆる「手抜きセッティング」が多いようです。1日に何十台と組み立てをする効率重視な商売でしたらこれも当然といえば当然です。「ブレーキが効かないわけ」や「変速がしないわけ」ではなく安全面では問題ないレベルなのでしょうが現時点で動きが重すぎるのでライダーは余計な握力が必要で疲れやすいし、しかもその状態でブレーキや変速はいつまで動くことができるのか?半年?1年?その前に動きの悪さにライダーはいつまで耐えられるのか?高い買い物なのにその自転車やパーツが本来持っている性能を発揮できないし体感出来ない、こんなの楽しくないはずです。

当店は店頭でいままでに数千台をお客さまに販売をさせていただきました。納車してから数ヶ月後に店頭へ点検に持ってこられるお客さまの自転車の状態を隈無く観察しておかしい箇所はないか調べております。実はそれを次ぎに組ませていただく自転車に反映させていただくのです。トライアンドエラーの蓄積とその経験を持って更なる細心の注意をはらい組立をさせていただくのです。リムフラップを強化するのは「パンクのリスクを減らすため」、ブレーキやシフトワイヤー類を惜しげもなく交換するのは「できるだけ長い間スムーズに動かすようにするため」、クランクを一度外してBBを締めるのは…等々。

今回ここで組立工程を見ていただくのはツーリングバイク、しかもスポルティーフと言われるいわば「マニアックな自転車」です。マニアックと言いましても一般的に今は普及していないというだけです。ただ、今回のこのスポルティーフは現代には存在しないパーツをメーカーがないものは作ってしまえ!!という無茶苦茶なコンセプトのもとに作られたものです。しかも数々の困難もあり組立に物凄く時間がかかってしまいます。

購入されたお客さまが「バイクやパーツの本来持っているポテンシャルを感じる事が出来る」それを「できるだけ長い間」「気持ち良く快適に乗り続けることができる」これが当店の自転車の組み立てコンセプトです。

「ヨシガイ ENE CICLO C-1」の組立工程 1 2 3 4 5 

箱から出してフレームの傷やクラックの有無を調べる。

メーカーからこのような箱に入ってお店に入荷します。
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箱から出した状態です。昔から七分組なんて言われています。これからする行程の多さからから考えると気持ち的には「2分組」ぐらいですか。
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梱包材を丁寧にはがしていきます。
梱包材をはがしたら「クラック(割れ)」や「大きな傷」がないかチェックします。でも最後の最後に見つかる事もありますので組立中も注意深く見ています。

ホイールのセッティング(フロント)

まずは前輪から作業にかかります。
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タイヤをはずすタイヤレバーはプラスチック製のものでタイヤに傷を付けないように注意深くはずします。
最初に付いているリムテープは薄いしょぼいものです。
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ねじれ等がなければとりあえず最初のものの下に粘着のリムテープを貼って強度を高めます。
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ハブはシールドベアリングなので取付けネジのガタがないかをチェックします。
ハブの調整が終わったらリムの振れ取りを行ないます。まずはリムとスポークのなじみ出しで床に置いて両面ともに少し圧力を欠けます。
センターゲージでホイールのセンターを注意深く見ます。
縦振れからまず取ってから左右のセンターを出して行きます。
ニップル回しはニップルのサイズに合ったものでないとニップルをなめてしまったりしてしまいます。
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何度も調整してなじみ出しをして完成に近づけて行きます。
ツーリングバイクなのに何故か段付スポーク。本来は軽量化のため。
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振れ取りは結構時間のかかる作業ですが、これをちゃんとやっていませんと後の作業が逆に困難になります。
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振れ取りが終わったらタイヤを取付けて行きます。
ちゃんとワイヤービードが入るのかを確認しながらはめて行きます。
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チューブをかまないように注意してはめて行きます。
一部でもちゃんとはまっていないかを全体確認します。
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フロントのクイックリリースを取付けます。鉄なのでもちろんグリスアップします。
グリスアップしたらフロントホイールに差し込みます。

ハンドルまわり(ステム、ヘッドパーツ)のグリスアップ

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俗にいうノーマルヘッドです。フォークコラムにネジが切ってありコラムにステムが刺さる昔ながらのタイプです。
ヘッドのロックネジをはずします。上と下の2枚のナットで緩みを防止しています。
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上ベアリングをグリスアップ。
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ステムの挿さる内部もグリスアップして錆びや固着を防ぎます。
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取付けるステムにもグリスを塗ります。
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ステムも仮止めします。
ステムには限界線があるのでそれ以上必ず差し込みます。
グリスアップが終了したら組付けて仮組します。
グリスをどっぷりとベアリングに付けます。
コラムのねじ切り部分にもグリスを塗ります。
下のベアリングももちろんグリスアップ

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