猫の健康を維持して、長生きさせるには正しい食事を適量与えることにつきます。
人間と同様で、偏食や過食は健康を妨げる一番の大敵なのですよ。
生後半年くらいまでに食事の嗜好や習慣が決まってしまうので、きちんとした生活を送っていれば、高齢猫になった時にでも、そんなに無理なく量や回数を減らすだけで、問題なく健康に暮らせると思います。
猫は、特に偏食の傾向が強くて、わがままな面があるので、好物ばかりを与えているような生活をしていると、病気の処方食のように食事内容を変える必要が生じた場合に、与えた食事を受け付けないなど、困ったことになってしまいます。
猫が病気になる原因のひとつとして、飼い主が体に合わない食事を与えていたという事例が数多くあります。
猫の食事管理は飼い主さんの大きな責任です。
大きな責任。
大きな責任なのですが…………。
ただひとつ、どんな本や資料にも書いていないことですが、人間の食べ物でもいいですから、高カロリーで猫にとって消化の良い物をひとつだけ、与えるようにして、それをその猫の大好物とします。
少し位、塩分があっても、高カロリー過ぎても構わないのです。
先ほどと違って矛盾している話…。めちゃくちゃ矛盾しているのですが。
なぜこんな事を言うのかと申しますと。
これは、ゴロにゃんママのお友達・先輩で、犬を飼っている方から教えてもらったことなのですが、犬や猫でも高齢や病気で体が弱ってくると、食事を食べなくなってしまいます。
そんな時にひとつだけ大好物を作っておくと、たとえ体が弱ってもその食べ物だけは食べるのです。ちなみにその「わんちゃん」の好物は「チーズ」だったそうです。
そんな大好物ひとつで、ちょっとでもほんの数日でも、長生きしてくれたらどんなにいいか。
「クロ」の場合も、好物は2つありました。ひとつは、「秋芳」という百貨店にしか売っていないとてもおいしい「かまぼこ」。
もうひとつはお寿司のえび!!!
これは本当に大好きでした。
実は、「クロ」が、自力で食べられた食べ物の最後は、この「お寿司のえび」でした。
普通のえびではダメなのです。
ちょっとお酢の臭いのする「えび」が大好きだったのです。
もう既に固形では食べられなくなっていたので、細かく細かくつぶして流動食のようにして、与えたのが最後です。
この「えび」を最後に、病院でもらった流動食を強制的に注射器で流し込むという食事になりました。
そこから約3週間ほどして亡くなりましたよ。ほとんど最後は餓死状態。
扁平上皮がんが口の中にできたために、体は健康だったのに、食べられなくなって死んでいったのです。もちろんがんの進行もとても早かったのですが…。かわいそうな死に方でした。
「クロ」の場合は、残念ながら高カロリーで消化がよいという食べ物ではありませんでしたが、それでも、これなら食べてもらえるということで、ほんのちょっと寿命を延ばせたと思います。
もう本当にギリギリのところの究極な意見なのですが、看病している身になると、「今日は、食べてくれた!!!!」。
もうその日一日は、とても幸せな気分になれるのです。
「今日は食べない」「今日は少し食べた」と一喜一憂してしまうのですよ。
ですから、ひとつだけ、大好物を作っておいて下さい。決していつも与える必要はないのです。
たま〜にたま〜に、あげるといいです。
まあこれはゴロにゃんママの意見なので、それでも人間の食べ物を与えてはいけないと言う意見はあるとは思いますが…。
でも最後の時を、迎える時くらい、大好物をあげても構わないですよね。
あんなにおいしそうに喜んで食べてくれるのですから…。
話を元に戻しますね。
今のところ、残念ながら老化を阻止する食事方法はないのですが、病気になりにくい食生活は長寿へとつながります。
どんな食事がいいのか獣医さんにアドバイスをもらったり、飼い主さん自体も勉強したりと、常に気をくばる必要があると思います。
猫の老化は、7〜8歳ころから始まるといわれています。
市販されているキャットフードも7才以上に与えてくださいという商品が、最近特にみられるようになりました。
やはり人間同様、年をとったらそれなりの食事を与えた方がいいってのが、今現在の考え方のようです。
でもゴロにゃんママから言わせるとどうなんでしょうか、なんとなく7才ではまだまだ成猫ってかんじです。
昔は7才といえば、結構長生きって思いましたが、今はみんな元気です。
ここで余談ですが、何年か前に参加した女性の医学の講座で、人間の寿命について大学の教授の先生が語っていたのを思い出しました。
これがとてもおもしろかったので、ちょっと触れてみます。
その先生いわく、明治時代位まで、日本で人の寿命は、50才を越えることがなかったのだそうです。
それが今では、男77才/女87才とめちゃくちゃ寿命がのびました。
ゴムひもに例えると50cmのゴムが80cmに伸びたってかんじでしょうか。約1.6倍になっているのです。
でも女性が子供を産める上限の年齢、つまり閉経の平均が、49.9才らしいのですが、寿命が延びたからといって49.9才×1.6倍ではないらしいのですよ。
生殖器という体の一部分は、とても原始的で、神秘的な部分で、ずーっと変わらないそうなのです。
ですから人間の寿命が40才だった昔の人は、死ぬまで子供をつくる能力があったのだそうです。
49.9才だと当然そうなりますよね。時代が変わっても閉経年齢の平均は49.9才なのだそうです。
ですから猫も人間と同様で、昔と比べてだいたい1.6倍は長生きしています。もっと倍率は高いでしょうか。
栄養や環境が良くなった事がやっぱり第一条件かなあと思います。
だから高齢猫と呼ばれるのは、7×1.6倍の11才くらいからではないかと思うのですが、これはちょっと言い過ぎですかね。
猫も年をとると、運動量が減ってくるので、カロリーを2割ほど減らして下さい。
高齢猫は、運動不足と腸の働きの低下から便秘になりやすいので、食物繊維を多く与える事も必要です。
老化の現象として、歯茎が弱くなって固い物が食べれなくなったり、脂っこいものを食べなくなったりします。
一回に多くの量が食べれなくなるので、食事の回数を増やすことも、必要になって来る場合もあります。
消化のよいものをできるだけやわらかくするなどしたり、タンパク質はなるべく良質のものを少量で、エネルギー源は炭水化物から獲るようにしたほうがいいと思います。
水は多めに与えた方がいいかなあ。
栄養の吸収が少し落ちるので、猫のマルチビタミンなどを利用して、食事に混ぜたりるすのもいい方法かもしれません。
年とともに偏食傾向が強くなる猫もいるので、栄養バランスには特に注意が必要です。
キャットフードも高齢猫用と結構充実してきているので、それを与えるのが一番いい方法かもしれません。
年齢 |
体重 |
体重1kgあたりの必要量
(kcal/kg) |
1日の必要量 |
食事回数
(1日) |
生後3週目(授乳期) |
〜250g |
|
|
5〜6回(4時間おき) |
250〜400g |
|
|
4〜5回(5時間おき) |
生後3〜6週目(離乳期) |
400〜600g |
260 |
160〜225 |
4回 |
8週目 |
600g〜1kg |
260 |
160〜225 |
4回 |
14週目 |
1.2〜1.6kg |
200 |
235〜300 |
3回〜4回 |
20週目 |
1.8〜2.5kg |
150 |
280〜375 |
3回 |
40週目 |
2.9〜4.0kg |
100 |
316〜436 |
3回 |
運動量の少ない成猫 |
オス約5kg
メス約3kg |
70 |
オス350
メス210 |
1〜2回 |
運動量の多い成猫 |
80〜90 |
オス
400〜450
メス
240〜270 |
2回 |
妊娠猫 |
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100 |
300〜400 |
4回 |
授乳中の猫 |
|
250 |
750 |
4回 |
高齢猫(7才以上) |
オス約5kg
メス約3kg |
60 |
オス300
メス180 |
1〜4回 |
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