ときたまにではあるが、「ダーツは危ないんじゃないですか」と 言われることがある。世界中でいまやポピュラーとなっているダーツではあるが、このインドアスポーツの普及の低さを嘆かざるを得ない。
 「突端恐怖症」の気が、なきにしもあらずであるが、危ないというのなら、アーチェリーだってゴルフだって大いに危険だし、人を狙って投げた場合ならダーツだってそうである。だが、それはまさに狂気の沙汰で、いきなりボウリングの大きなボウルを顔に投げつけられるか、ゴルフのアイアンで、イヤというほど頭を殴りつけられるようなものだ。
 ゴルフのアイアンが、ゴルフボールを打つモノであるように、 ダーツの矢で狙うモノは、ただひとつダートボードだけなのである。
 他のあらゆるスポーツと同様ルールを正しく守ってプレーしさえすればよく、たとえばバッターボックスにはバッター 一人が立つようにダーツのスローイング時に二人以上並んで 投げないし、ゴルフのクラブを振っている人のそばを歩かないのと 同様にスローイングの前を横切ったりすることも無いだろう。
 常識だといってしまえばそれまでだが、この常識なるものを破る人がいるから危険なのだ。これはもうダーツやゴルフが危険なのでは無く、そういう非常識な人が「危険人物」なのである。
 さらに付け加えるならば、自分ではいい格好のつもりなのだろうが、ダーツの矢をピッチャーのような投球モーションで投げたり、あるいはナイフ投げのように投げる人がたまにではあるがいる。 これも「危険人物」「非常識」といわねばならない。
(参考文献 英国流ダーツの本)