学生服辞典

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短ラン セミタン 標準型 中ラン・長ラン
着丈65cm以下の学生服を短ランとよぶ。袖より着丈が短く、袖ボタンが1個、詰襟の高さが低いのが特徴。 短ランと標準型の中間のセミ短ラン、略してセミタン。昭和でも過激な短ラン・長ランは学校に着て行けず、着丈が袖丈より長いセミタンなら校則可の学校が多かった。学校に着て行ける変形学生服として、最も需要があったモデル。 着丈71.5~75.5cm(170A時)で、標準型の基準をすべて満たしている学生服を標準型とよぶ。「標準型認証マーク」などが付いている。 着丈75cm~100cmを中ランセミチュウ、100cm以上を長ラン洋ラン(ヨウラン)などと分類。厳密な分類はない。着丈が長いほど袖ボタンが増え、詰襟が高くなる特徴あり。
V-シルエット A-シルエット W-シルエット サイズ
肩幅が広い逆三角形のV型シルエット。通称ビッグショルダー。威圧感があり、短ランや長ランでは定番のシルエット。胸囲など横幅は普通です。変形全盛期は肩幅が広いファッションが私服でも流行、変形学生服も影響を受けました。 肩幅が狭い三角形のA型シルエット。スリムショルダーでは、胸囲が細いスルムタイプが多く、タイトな着こなしができます。変形全盛期の終盤にモード系が流行、A型ラインを中心に商品化。 横幅が広いワイドシルエット。腰履きしたズボンに合うシルエットで、学生服をゆるくラフに着こなすスタイル。また、胸囲・胴囲・肩幅がA体より若干広いAB体のため、A体ではサイズが合わない方にもおすすめ。 学生服やシャツのサイズは、縦と横のサイズを組み合わせた表示。数字は縦サイズ、英語は横サイズ。170Bなら、170Aと袖と着丈は同じで、横幅は約16cm広い(4サイズ大きい190Aと横幅同じ)。
変形学生服ではM(170A)、L(175A)、LL(180A)、3L(185A)と表示される。
着丈 レギュラーカラー ラウンドトリムカラー
学生服の詰襟の付け根(詰襟ふくまない)から裾までの「背面中心」を測った長さが着丈である。同じ商品でもサイズよって着丈は異なるが、商品表示は基準サイズのM(170A)サイズの着丈で表記されている。つまり実測値ではなく、「デザイン」や「バランス」と解釈するのが正しい。
例えば着丈60cmの学ランは、Sサイズ:着丈58cm、M:60cm、L:62cm、LL:64cm、3L:66cmと、実際はワンサイズで約2cm異なる。袖丈も胸囲もバランスよく増えるため、デザインは変わらない。
詰襟内側に樹脂を装着するタイプをレギュラーカラーとよぶ。昭和までは全てこのタイプ。
学生服の決まりとして詰襟上部に「白線2mm」を出さなければならず、当時はこの技術しかなかった。
詰襟上部に白線を埋め込んだラウンドカラー、またはパイピングカラーとよぶ。レギュラーカラーに比べ、詰襟が低く、樹脂の冷たさがない。
高価な学生服では、詰襟内部が「ウレタン芯」で柔らかく、折れ曲がらない。安価品はウレタンではなく紙製の芯で硬い。
ローカラー・ハイカラー オールステッチ 玉ポケット・胸ポケット スペンサーカット
詰襟が低いものをローカラー、高いものがハイカラー。主に前者は短ラン、後者は長ランに用いられ、着丈の長さに比例して詰襟高が変わる。なお、標準型は4cm高である。 ミシンステッチの飾り縫いのこと。生地の「つなぎ目」や「フチ」に施される。糸色は黒。商品によって肩にステッチがないものや、ステッチ間隔が違ったりもする。呼び名は「ハイステッチ」「オールステッチ」など。 胸ポケットは着丈の長さに比例してバランスよく大きさが変わる。短ランは小さく、長ランは大きめ。
極短では極めて小さい玉ポケット(画像上)もある。上下に縁のある構造の両玉ポケットである。
前面の着丈が極めて長い仕様。着丈が短か過ぎるとバランスが悪いため、前丈を通常よりも長くして学ランらしくしています。極短にみられる仕様。
飾りボタン 総裏・半裏 ベント
袖ボタン数を変えられる仕様。ボタンホール縫いの中心は開口されておらず(ボタンが通らない)、生地表面にボタンが縫い付けられている。左画像では、飾りボタンが上、下2つはホールに穴が開いている本穴仕様。
■ 飾りボタンを本穴にする
ボタンホール中央に切れ込みを入れるとボタンが通せる。
■ 飾りボタンを減らす
ボタンの糸を切ってボタンを外し、ボタンホール縫い目の糸も切ると、袖ボタンが1つ減る。
背中の裏地構造。詰襟からスソまで裏地が貼られているものを「総裏」、詰襟から袖ぐり付近までの裏地を「半裏」。効果的な差はほとんどないが、総裏は保温力に、半裏は通気性に優れる。 背面スソ中央の割れのことで、長ラン特有の仕様。歩きやすく動きやすいように割れています。通常は20cmほどの割れ。
ボンタン バナナボンタン(ヒザボン) ファスナーボンタン ロックボンタン
ワタリ(もも幅)からスソに向かって細くしぼりこんだシルエット。変形全盛期ではダントツの人気、変形ズボンの代表格です。その人気からさまざまなボンタンも誕生。 ヒザ下から急激に細く、曲線を描くボンタン。大工さんのズボンのようなデザインです。迫力はボンタン最強。ワタリが太いタイプにしかないため、だぼついたシワも特徴。 スソ幅は13~15cm。極限まで細いスソ幅を追求したボンタン。着用時に足が通らないためファスナーを用いる。
(現在は生産なし)
ワタリの細いボンタンにみられ、膨らみを抑えたボンタン。校則の厳しい学校に人気があったモデル。
(現在は生産なし)
ドカン バギー ブーツカット スケーター
ワタリ50cm以上でスソ幅30cm以上の袴(はかま)シルエット。迫力は変形ズボン随一!番長や応援団長のイメージが強いドカンです。所説ありますが、水道管の土管(どかん)のように太いため、その名が付いた。 ボンタンとストレートをミックスしたような、全体にふくらみのあるズボン。ストレートではもの足りず、ボンタンまでは要らないという方に人気でした。
(現在は生産なし)
ワタリは細め、ヒザ幅がタイトで、スソ幅が広いラッパ型ズボン。ブーツカット、フレアー、ベルボトムなどとも呼ばれます。平成初期のモード人気とともに再ブーム到来。 平成時代に腰履きが流行り誕生したスケーター。腰で履くとお尻が垂れて見栄えが悪いことから、お尻とワタリの境界を無くしたのがスケーター。腰からスソまで一直線のシルエット。細いドカンとしても好評。
ストレート 斜めポケット・縦ポケット 腰帯 ピスボタン
ズボンの基本シルエット。標準型もストレートです。
ワタリ31cm以下はタイト系、32~33cmはスリム系、33~34cmが普通、35cm以上は太めのストレート。スソ幅は21~25cmぐらいになります。
斜ポケと縦ポケとは、フロントポケット入口の角度のこと。斜めも縦も標準型でも採用されているため、どちらも違反ズボンではない。 学生ズボンには腰帯「あり」「なし」がある。どちらも標準型でも採用され違反ではない。「あり」は腰回りのフィット感があり、ストレート系に多く用いられる。「なし」は腰回りの圧迫感がなくゆったり履ける特徴がある。 後ポケットを留めるボタンをピスボタンとよぶ。ピスボタンは文字プリントがされていても標準規定外のため違反にはならない。
標準型はポケット内部に、変形は外側にピスボタンが縫い付けられている。
またハイウエスト(腹巻)に用いられるボタンもピスボタンになる。
ノータック・ワンタック・ツータック ワタリ
タックとは、前ファスナーを挟む左右ヒダのこと。
ヒダが無いものを「ノータック」、片方に1本ずつのヒダを「ワンタック」、2本ずつを「ツータック」とよぶ。
タック本来の機能はヒップにゆとりを持たせる構造で、学生服的には飾り目的。タックが多いほど迫力を増す。
特殊なタックに、タックを袋縫いしてヒダを無くした線だけのタックを「ダーツ」とよぶ。なんちゃってタックです。ツータックを履きたいが校則でワンタックまでの学校などに人気だった。
(現在スリータック以上、ダーツは生産なし)
ワタリとは、もも幅のこと。ズボンを平らに寝かせ、足の付け根を計測した幅。寝かせ計測のため、ワタリ34cmなら、もも囲は2倍の68cm。ワタリ1cmでもも囲が2cm増えるため、ワタリ1cmでも変化量が大きい。
商品表示のワタリは、基準サイズの「Mサイズ」の値。ウエストサイズが大きくなると、ワタリも大きくなる。その量はワンサイズでワタリ1cm増減。スソ幅は0.0~1.0cmの違いでほとんど変化はない。
例えば、ワタリ34cmの商品は、Sサイズ:ワタリ33cm、M:34cm、L:35cm、LL:36cm、3L:37cmと実際のワタリはサイズによって異なる。ただし、ワタリ以外も全体的に増減するため、デザイン的な違いはない。ワタリ○○cmはデザインを意味する。
アマブタ(雨蓋)・フラップ 箱ポケ ループ・ループダウン 並行ループ・クロスループ
後ポケットのフタをアマブタまたはフラップと呼ぶ。標準型にはない変形ズボン特有のアクセサリー。フラップはポケット内部に固定されているため、アマブタをポケットに収納することもできる。ピスボタンはポケット内部ではなく、外側に付いている。
稀になるが、変形でポケット内部にピスボタンが縫い付けられている構造をチェンジフラップとよび、フラップとポケット外側を一緒にボタンで留められる。
後ポケットが「片玉ポケット」のデザインを箱ポケとよぶ(玉とはフチのこと)。アマブタやピスボタンがないシンプルな構造。主にスケーターのシルエットで用いられるアクセサリーである。 ベルトを通す帯をベルトループとよぶ。4cm幅のベルトまで通すことができる。
ループダウンとは、ズボン端とループの間隔のこと。標準型は0.5cm、ワタリが太いほどループダウンは広くなる特徴がある。画像の赤矢印のループダウンは2.5cm。
変形全盛期にはループの無いノーループ仕様のズボンも販売されていた。
後ろ中央のループ並びのデザインで、並行しているループを並行ループ、交差するループをクロスループとよぶ。標準型は前者になり、基本的にクロスループは標準型にはない。
また、逆三角形のように下だけ接触しているループのVクロスもある。
Vカット バックダーツ ハイウエスト ノープレス
腰の割れをVカットとよぶ。ループダウンが広いほど割れ具合が大きい。ストレート系や標準型にVカットは存在しない。Vカットは腹部を圧迫しない効果のほか、デザインとしての役割も大きい。
商品説明の「Vカット2.0cm」のセンチとは、切れ込みが2.0cmを意味する。
お尻にヒダのある折り目をバックダーツと呼ぶ。ヒップに若干のゆとりができる。いわば後側のタックである。
これに似た縫い線で、ヒダを袋とじのように縫った「ヒダのないダーツ」は、余った生地を形よく整えている補正線になる。
ベルトループの上にある生地が極端に伸びた構造をハイウエスト腹巻とよぶ。ワタリ50cm以上のボンタン・ドカンにみられる構造である。極短と上下で合わせるには、ハイウエストが好ましい。ハイウエストはボタン留めで調節機能やストレッチもない。ご飯を食べてポッコリすると圧迫されることもあり、構造上ウエスト直しで広げることもできない。サイズにゆとりをもつことが鉄則。きつくなったらボタンを端に付け替えるとサイズが2cmほど広がる。 脚のプレスライン(折り目)が無い仕様。ジーンズのように、脚の前後に折り跡がありません。
プレスラインは、ご購入後でもアイロンで簡単に付けることができます。
裏地 プリント裏地 シークレットポケット
ズボンの裏地は、「腰回り」「ファスナー」「ポケット」のみとなる。上着の裏地と違い面積は小さく、着用時に見えることはほとんどない。
ワタリが太いほど鮮やかな裏地色で、ワタリが細くなるとダーク系。標準型やストレートは「ブラック色」が中心である。
昭和の変形全盛期には、多彩な裏地が登場。プリント柄、チェック柄、上着には龍の刺繍やプリント。隠れたお洒落へのこだわりも当時の流行りだった。
(現在は生産なし)
縫い目に隠れたシークレットポケット。ファスナーは黒、持ち手も超小型で存在感のないポケットだ。持ち物検査や、お金を隠す場所など、救済ポケットでもあった。
(現在は生産なし)
当ページは当店の経験やメーカー情報を元にした内容で、すべての学校や地域に適応するものではございません。