【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 よもぎ麩、わらび
奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。
さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。
工芸店ようび 店主 真木
昨年漬けこんだ桜が今年はあざやかな色に残っていて、華やかなおにぎりになりました。つけ合わせは昨年漬けた生姜と、奈良大仏殿前の老舗「森」さんの西瓜の奈良漬けです。もちろんお重箱に入れてお花見に行くのもよろしいでしょうが、お皿の中で花より一足先の春を楽しんでいただくのもよろしきものです。桃が咲き、桜が満開になると巷は花色が充満して、新鮮な感じがなくなります。少し早い目が「おしゃれ」ですね。
一菜は菜の花と貝柱(帆立)のぬた。お酢を少し効かせてさっぱりと。お汁は旬のあさり(むき身)、独活、防風、木の芽。正に春ですね。
楕円のお皿は有松進さんのもの、灰釉の色がすがすがしく盛り映えのするものです。あまり分厚いものでなく軽いのもお扱いやすいでしょう。
桃の花の小鉢は金箔が散らしてあり華やかです。おひなさまからお花見までたのしんでいただけるでしょう。
椀は朱赤に黒のヒモ(ロクロで挽く時に盛り上がりをつくる)でアクセントをつけ、平椀にして軽やかにつくってあります。内側は黒の真塗です(輪島・尚古堂の作です)。
お膳は以前に野田行作が辻留さんのために作りましたものを復元しました。角切の寸法が気に入っています。
琵琶の箸置は、新しく入れていただいた作家さん杉田汀女さんのもので、四日市の広永窯で御修行なさり独立してこれからというところの方です。
工芸店ようび 店主 真木