【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 はんぺん、菊菜
奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。
さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。
十一月の声を聞くとちょっと栗御飯は遅いかなと思いますが、まだまだ秋です。
栗御飯は焼栗ごはんにすると皮をむきやすく、香ばしくてこれも美味しいものです。お塩を入れずに炊いて出来上がってからバラバラっと塩(粒状のがよいです)をふり、むら塩味を楽しみます。飯茶碗は中村恵子さんの絵唐津です。栗の色が映えて秋らしい風情です。
海老ヶ瀬保さんの縁なぶり向付には白あえを盛りました。白みそと、ごまのこっくりとした味が一品の主役を果たします。
味噌汁ははんぺんに菊菜で、お味噌は自然なものの好きな友人が菊人形の頃に必ず届けて下さるもので、大阪・枚方市産(菊人形味噌という商品名)を使ってみました。辛口でさっぱりした味です。椀は奥田志郎さんの汁椀。美しくて堅牢でいつも何げなく使える、なくてはならぬ椀という感じがします。
漬物鉢は長森さんの鉄絵。きっぱりとしゃっきりとして、いろんなものの映える器です。根菜類のつまみ菜または日野菜などよろしいと思います。
お箸は奥田志郎さんの黒の塗箸。素地を一本ずつ削ってていねいに塗りすすめた心地よいお箸です。
きのこの白和え
舞茸、しいたけ、しめじなど何でもよいのですが3種類ほどを一日くらい干します(桜井の「にしむら」さんに教えていただいたのですが、市販のきのこを少し干しますと香りは高くなり美味しくなります)。これをさっと塩茹でして適当に切り、冷ましておきます。
にんじんは小さい拍子木切りにしてこれもさっと塩ゆでしておきます。
こんにゃくも細めの拍子木切にして灰汁をしっかり抜き冷ましておきます。
三度豆はなるべく細いものを選び、色が飛ばないように、よいゆで具合のところ(三度豆はさっとゆでた位は美味しくないので)を常に研究しておいていただいて1.5cmくらいに切り、これも冷ましておきます。
木綿豆腐をさっとゆでて出来るだけ水気をしぼっておき、すり鉢でしっかり摺ります。そこに白みそと、よくすったごまを半々位にして入れよくまぜて、味をみて下さい。
きのこ、にんじん、こんにゃく、三度豆を加え、さっくりとフワフワっと混ぜて下さい(ねばらないように)。
朱4.2寸汁椀
くりが深くとても軽い仕上がりで、八分目でたっぷり200mlほど入ります。
奥田志郎
19,800円
絵唐津飯碗・唐草文・大
唐津焼のお茶碗です。素朴な表情が魅力です。こちらの文様は唐草です。
中村恵子
5,940円
青瓷縁なぶり向付
時が経つほどに「青」がいろいろな表情をみせてくれそうな青磁です。
海老ヶ瀬保
6,600円
長石釉6寸深鉢
少薄く固く焼き閉められていますが、伊羅保はとてもやわらかな表情を魅せてくれます。
長森慶
6,600円
朱布盆・小
「小」はうどんや蕎麦、丼にちょうど良いサイズとなっています。
奥田志郎
33,000円