まり椀・奥田志郎|【一汁一菜】お味噌汁中心の食事

【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 豚肉の薄切り、ささがき牛蒡、胡椒

 奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。

 さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。

工芸店ようび 店主 真木

【一汁一菜】お味噌汁中心の食事INDEX

鍋の季節

 基本で単純な食事一汁一菜。品数を減らして一品一品をなるべく素朴に丁寧に作ってみることにします。

 特にお味噌汁は昔から大切な日本の食卓の上の一品。さまざま吟味して美味しく体によいものを作る工夫をしてみようと思います。

 お味噌汁は塩分をあまり採りたくない方は敬遠なさるようですが、お出汁をしっかり濃くするとかなりお味噌の量を減らしても美味しくいただけます。お出汁は毎日作らなくてもたっぷり作っておいて二、三日分なら冷蔵、それ以上は冷凍しておくと大変便利に使えます。鰹とお昆布のお出汁もくせがなくてよろしいのですが、日常にはおじゃこだし(出汁雑魚)はいかがでしょうか。おじゃこはすり鉢でこまかく砕くか切って、なるべく厚手のお鍋でゆっくり煎ります。こげない様にほんのり香ばしい匂いがする様になったら、火から降ろしてそのまま冷めるまで置いておくと、水分と共にナマクサ味がぬけて香ばしくなります。そこに水を加えて10〜15分煮ます。ガーゼまたは濾し紙で濾して下さい。何度か試していただいて、自分好みの濃さを発見して下さい。

 今回使いました味噌の事、冒頭にも書きました下下味亭さんがずっとお使いになられていた、お豆の香りが生きている法林寺味噌を使いました。浜松の法林禅寺さんがお造りになっている味噌で、味も香りも何十年も前から全然変わらず美味しくて、お値段も前からあまり変わっていません。「あまり大量に作っているわけではありません」とおっしゃっていましたが、お分け下さると思います。

 お味噌汁の中味は暑い時に少し動物性のものと思い豚肉のうす切(うんとうすい方がよい)とささがきごぼうを入れました。これには黒胡椒を少々かけて。これも下下味亭の御主人、福島さんの味覚です。ごぼうと豚肉の脂身、胡椒の香りと辛みがよく合っているように思います。

 朱のお椀は年月が経ちますとますます輝く朱に発色します。毎日の味噌汁の椀としては最良のものでしょう。今回はまり椀を使いました。

 大阪は天神祭、天神様の梅鉢紋のお皿を取皿にして、少し季節感も出してみました。

工芸店ようび 店主 真木
  • まり椀

    漆器・輪島塗:まり椀・奥田志郎

    漆器の店としてスタートした「工芸店ようび」の人気定番漆器は、こちら「まり椀」です。

    奥田志郎

    22,000円

  • 呉須鉄格子紋飯碗

    呉須鉄格子紋飯碗・杉本寿樹

    口造りが反った端反タイプです。

    杉本寿樹

    3,520円

  • 三島7.2寸浅鉢

    三島7.2寸浅鉢・吉井史郎

    細かな三島の文様が優しさも運んでいます。素朴さが魅力。

    吉井史郎

    13,200円

  • 正角小皿・大

    染付:正角小皿・大・梅鉢文・植山昌昭

    正方形の小さなお皿です。見込みには、様々な伝統柄が・・・。

    植山昌昭

    2,310円

  • 朱布盆・小

    漆器・輪島塗:朱布盆・小・奥田志郎

    元々は小料理屋さん用ですが、小丼に小さめのお吸い物の組み合わせはいかがでしょうか。

    奥田志郎

    33,000円

染付:正角小皿・大・梅鉢文・植山昌昭