軽快なおもてなしの料理 六月
おもてなしの料理の中には家族へのもてなしも入っているのです。
日常の中で、時にはいつもと違う発想でちょっとごちそうをと思うのは愛情であり、作る側にもいただく側にもたのしいことに違いありません。
いつもとは少し変えてその季節らしい器を出してみる、同じものでも切り方を変えてみる。いろいろとこまかな工夫があれば料理は生き生きとするのです。
この頃はおとりよせブームとかで主婦が何から何まで作らなくても美味しいものが入手可能です。少し手間をかけ、しっかり作ったものと市販のものの組み合わせで軽快におもてなしの方法を覚え、あまり負担にならないようにすれば時々やってみたくなるのではないでしょうか。
今年は露地もののそら豆(お多福豆)が遅くてやっと出始めました。
塩ゆでしただけで十分に美味しいお豆を正木さんの水草文の小深い器にそっと盛り入れて、つめたいお酒でじっくり初夏を楽しんでいただいてはいかがでしょうか。
そうしているうちに、旬の鯵を細作りして胡瓜と大葉と合わせ、二杯酢と生姜で。出来たての貝の小皿を取り皿といたしました。この可愛らしい絵は正木さんがお持ちの古染付の貝の絵を少しアレンジしたものだそうで、渕の波の絵も繊細で貝の可愛らしさを補佐しているようです。
先日、立葵の花を路端で見つけました。お花も流行があるのかあまり立葵の花は見なくなりましたが、乾山はお好きだったのか、いろいろなものに画かれています。この鉢は伏原さんの作品で、花だけが鉄と呉須で画かれたものの写しです。盛り心地のよい使い勝手の良い大きさです。
白焼の鰻はあじろ木平皿に。鉄絵が面白く入っている魯山人風のお皿です。白い炊きたてのご飯を木の芽の香りもすがすがしい新キャベツのお漬物と一緒に。
こんなお献立は如何でしょうか。
乾山写葵文大鉢・小
夏鮮やかな葵の花を、呉須と鉄絵で描き上げる感性は、さすが乾山です。
伏原博之
44,583円
染付貝文5寸皿
正木春蔵さんご自身がお持ちの古い染付をモチーフに作られた小皿です。
正木春蔵
7,700円
絵唐津千鳥文様小皿・三角
三角のおにぎりのような面白い形の小皿です。旬の酒の肴をちょこんと・・・。
中村恵子
3,036円
白磁輪花楕円小皿・大
すっきりとした白磁の小さな小皿です。お醤油を入れるのぞきとしてお使いください。
水野克俊
4,400円