土用の丑の日|和食器、季節のコーディネイト |
鰻箱輪島の産地のものとして標準型と云われる鰻箱を、奥田五右衛門商店では40年前位まで造っていて、その名残りが残っていました。全国の鰻屋さんにかなり大量に出て行ったもので、使用頻度も高く丈夫なことが要求されたのはもちろんのこと、(ご飯を入れて鰻をのせる)量的にも使いやすかったのではないでしょうか。 いま手にとってみますと、鰻屋さんからの要求が積み重なってそれが形に反映されて、欠けないような口づくりの丸みとか、べたっと下にくっつかないための足のように見える切れ込み(つまがけ)とかが実に要領よくうまく出来ています。大量に作られたと言っても機械生産のものではなく、手で作るための仕事を考えた誠にあっぱれな商品だと久し振りに見てあらためて思いました。今はもうこの形は作られていませんのでこれで最後のものです。(余談ですが輪島ではこの一段の鰻箱をうな重と呼んでいたそうです。) 以前から御紹介しています面取りの鰻箱は、多面体のため作る時に大変な手間がかかっています。奥田志郎さんの兄、故 奥田達朗さんが産地の素地にあきたらず造ったもので、洗朱と いうこともあってこれはまた華やかで魅力的な鰻箱となっています。二種類の大きさがあり、小の方が通常の大きさ、大の方は京都の四条「松乃」さんのご注文で造り、少し残ったものです。 塗り物に入れたご飯は何故か美味しく、特に鰻が入って一緒に醸された香りは独特のもので、蓋を開けた時のうれしさは格別です。 一器三様、どうぞためしてみて下さいませ。漆器がますます好きになっていただけることでしょう。 ようびの塗物は毎日の御使用に耐えるように出来ております。洗う時は天然繊維でしっかり洗っていただき、落としたりぶつけたりしなければ20年30年と仲良くしてくれます。 工芸店ようび 店主 真木
価格に消費税は含まれていません。(外税)
|