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ウコンの物語2 ウコンは釈迦の時代からの薬だった

 仏教を創始した釈迦の故郷はインドだ。釈迦もそれまで当時の社会を支配していたバラモン教の絶対的な権威に反旗を翻して仏教を起こし、みずから仏陀となった。その仏陀となった釈迦とウコンとカレーにまつわる話が伝えられている。

 一説によれば、釈迦が修行のために山ごもりしたとき、木の実や草の根、香草の葉などを食べて凌いだという。木の実や草の根、香草の葉はいまでいうスパイスである。そののち、釈迦は下山した地で修行中のスパイスを人々に不老長寿の妙薬として教えた。その下山した地が「カレー」という村で、そこからスパイスを使った料理をカレーと呼ぶようになったという。

 この説が正しいかどうかはわからない。が、釈迦がスパイスに馴染み、それらのスパイスにウコンがふくまれていたのはたしかだ。ウコンの原産地はインドであり、その大地に根をおろしていたのだから。

ウコンは護摩壇に捧げられた由緒ある植物だった・・・・・・

 釈迦がおこした仏教の法話にもウコンがさりげなく登場する。たとえば次のような法話が残っている。

 カラコルム山系の崑崙山にはウコンの香りが好きな毒龍がいて、ある尊者はそんな毒龍をこらしめようと考えた。そのため、彼は毒龍が好きな山中のウコンの根をことごとく抜きとらせようとした。驚いた毒龍は雹を降らせて懸命に防戦したが、戦いは不利になるばかりで、ついに尊者に降伏したという。この山は別名香酔山とも呼ばれたというが、ウコンの香りがよほど強烈だったのだろう。

 ウコンは仏教の正解では「カリダ・阿梨陀」と呼ばれている。カリダとは梵語ともいうサンスクリット語であり、インド語では「ハルティ」や「ハルティヒ」と呼ばれ、日本語では「鬱金」と呼ばれている。

 ウコンは日本語では鬱金というが、仏教の世界で鬱金といえばサフランを意味しているし、仏典にもたびたび「鬱金=サフラン」が姿をあらわす。しかし、ウコンも仏典で堂々とその存在を誇示している。

 たとえば『南極大蔵経』にもウコンが登場する。これは「カンダハーラ・ジャーダカ」、または「カンダハーラ司祭官本生物語」とも呼ばれるが、そのなかにこんな一文がみられる。

「・・・・・・王の着物を剥ぎとって黄色い着物を着せ、鬱金で染めたぼろぎれを頭に巻かせ、賤民の住む区域に追いやった」、と。

 ここに登場する鬱金こそわれらのウコンである。

 また、仏教のうちの密教では護摩が欠かせない。護摩とは護摩壇で護摩木を焚いて息災、ご利益などを本尊に祈ることをいう。この祈りは古くからインドで行われていた祭祀を取り入れたものとされている。このときの護摩壇には古くからウコンが捧げられていた。それだけウコンは仏教で重視されていた。

仏典でウコンは黄金色の生薬として名を高めた・・・・・・

 ウコンは仏教の経典に登場したり、護摩壇に捧げられるだけではない。仏典の食事の項にも「奬水」として姿をみせている。

 奬水とは今でいうジュースのことをいう。古代では牛乳や乳製品もクスリとして珍重されていたし、人々は果実のジュースにもそんな役割を期待していた。それは100%のピュアな天然果汁であり、栄養の点でも申し分はなかった。

 仏典に奬水として登場するのはサトウキビやザクロのほか、サトウナツメヤシやバナナ、マンゴウ、ナツメ、ブドウ、ショウガ、そしてウコンだ。古代、ウコンも栄養満点の天然果汁だったわけである。

 そのウコンは生薬としても珍重されていた。仏典で生薬は果薬、茎薬、根薬、葉薬にわけられるが、それらのなかでウコンは香附子(こうぶし)、ショウガ、菖蒲(しょうぶ)、白附子(はくぶし)などもともに根薬として名を連ねる。

 このうち、香附子はユリ科の多年草で、別名ハマスゲともいい、解熱や咳、便秘、利尿などに、サトイモ科の菖蒲は鎮痛、健胃、駆虫に効用があるとされた。キンポウゲ科の白附子は関節の麻痺や疼痛に効くとされ、毒矢の原料としても有名だ。それもそのはず、この白附子は殺人事件にも登場するトリカブトの仲間として知られる。

 肝心のウコンは肝臓病、健胃、利尿、虫下しなどに効くとされていた。それはインドの古典医学、アーユル・ヴェーダで紹介されたのと共通し、仏典ではウコンは「黄金色の生薬」としてその名を高めている。

 釈迦がいつの時代にいきたかは確定していない。紀元前463年から383年だという説もあれば、460年から380年という説もある。いずれにしても釈迦が紀元前5世紀ごろに生きたのはたしかであり、当時、ウコンは仏教を信仰する人々の間ですでに市民権を獲得していたのである。そして、仏教の広がりとともに、ウコンも世界を旅することになる・・・・・・。


文:井上宏生 ノンフィクション作家
『憂鬱の謎』『胡麻の謎』(双葉社)
『複雑系の思考法』(日本実業出版社)
『日本人はなぜカレーライスが好きなのか』(平凡社新書)
 などの著書がある。

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