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健康コラム
ウコンの物語1 ウコンはインドの大地に咲いた神々の花だった

 インドはアジアのなかの準大陸とされているが、そのインドに最初にあらわれた文明がインダス文明だった。この文明は紀元前2300年ごろから同1700年にかけ、インダス川の流域で栄えたとされる。その文明でもっとも有名なのがモヘンジョ・ダーロの遺跡だが、これは都市の遺跡として知られ、非常に高い文明の痕跡を残している。

 紀元前1500年ごろになると、高度な古代の文明も衰退していった。やがて、中央アジアの遊牧民だったアーリヤ陣がインドに侵入し、多くの先住民たちと戦いに勝利したのち、先住民と混血しながら南進し、ついにはガンジス川の中流域まで達したのだった。

 アーリヤ人たちは太陽や雷などの自然を神々として崇拝していた。とくに太陽と火を崇拝していたといわれ、それらをイメージする黄金色は神々の色とされていた。そんな彼らがインドでウコンを発見したとき、狂喜したのだった。なぜなら、ウコンがすべてのものを見事な黄金いろに染め上げてくれたからだ。

 今昔、ウコンは黄金色に染める染料として知られたが、その鮮やかな色は神々の色だったのである。

ウコンはヒンドゥーの祭りでは神々の花だった・・・・・・

 アーリヤ人がインドに足場を築くとともに、彼らの宗教も変化しはじめ、祭祀や祈祷を重視するバラモン教へと発展したが、2世紀頃になると自然崇拝が衰え、それとともにバラモン教も権威を失っていった。そのあとに登場したのが今も多くのインド人たちが信仰するヒンドゥー教だ。

 ヒンドゥー教ではそれまでの自然崇拝に代わり、宇宙の創造をつかさどるジヴァ神などが信仰されるようになったが、ここでもウコンは重要な存在だった。

 毎年、秋になると、インドのベンガル地方の人々はドゥルガー・プージャーの祭りを心待ちにしている。この祭りはラーマ王子が魔王のラーヴァナを退治した記念の日として9月から10月にかけ、9日間にわたって行われる。

 祭りの主役はドゥルガーの女神像である。この女神は10本の手をもつ華麗な女神として有名で、インドの若い女性たちは今もこの女神を健康な美の神として崇めているという。

 ドゥルガーの女神を脇で支え、祭りを盛り上げてくれるのが9種の神聖な植物だ。その9種の植物とはバナナ、サトイモ、ジャヤンティーとも呼ばれるツクノサム、ベルノギ、ムユウジュ、インドクワズイモ、ザクロ、イネ、そして最後がわれらがウコンである。

 祭りではまずバナナの幹にサトイモやウコンなど8種の植物がチョウマメの蔓(つる)で縛られ、さらに幹全体に赤く縁取った木綿のサリーが着せられる。その胸元には丸いベルノギの実が飾られるという。

 サリーに身を包んだバナナの幹は「コラ・ボウ(バナナの奥さんの意)」と呼ばれるが、コラ・ボウはガンジス川で沐浴し、やがて多くの人々に見守られてステージに登場し、祭りを最高潮に盛り上げていく。その華やかな舞台でウコンも「颯爽」とその存在を誇示している。ウコンはベンガルのドゥルガー・プージャーの祭りには欠かせない重要な「役者」なのである。

インドでウコンは貴重なクスリだった・・・・・・

 テルグ地方で新年を祝う祭りはウカッディと呼ばれるが、ここでもウコンは需要な役割を演じている。

 ウカッディの朝、主婦は庭を掃き、水に浸した牛糞をまく。ヒンドゥー教では牛は神聖な動物だし、牛糞もまた神聖なものなのだ。男たちは花の綱で玄関を飾る。この日、家族全員が沐浴し、神々が祀られている部屋の中央には大小ふたつの壷がおかれている。

 大きな壷にはタマリンドの果肉やマンゴのスライスなどが入れられ、その壷の上に小さな壷がおかれ、土製のランプを灯される。そののち壷は朱とウコンの黄色で塗られ、神々にうやうやしく礼拝するという。

 こうしてテルグ地方の人々は家族の一年の平穏と繁栄を祈るのだ。この祭りでも、われらがウコンは需要な役割を演じている。

 インドの結婚式には今もウコンはかかせない。結婚式の日、花婿と花嫁は全身にウコンを塗り、式になると、二人はウコンを火に放り投げて結婚を祝うのだ。インドの人々はウコンに浄化作用があると考え、あらたな人生の出発にウコンの力を借りるのである。

 ウコンは祭りや結婚式で重要な役割を果たしただけではない。古代のインドでは貴重なクスリだった。

 古代のインドでは古典的な医学が発展し、それはアーユル・ヴェーダと呼ばれている。近年、その研究が現代医学との関連でも注目を浴びているが、そのアーユル・ヴェーダを代表する『スシュルタ本集』によると、ウコンは「血液が自由に流出せざるとき」に使ったり、鎮静効果のある植物として紹介されている。

 さらに、ウコンは肝臓病をはじめ、健胃、利尿、虫下し、腫れ物にも薬効があるとされる。『スシュルタ本集』が書かれたのは紀元前3世紀から4世紀といわれるが、古代インドではすでにウコンの薬効は広く認知されていたのである。


文:井上宏生 ノンフィクション作家
『憂鬱の謎』『胡麻の謎』(双葉社)
『複雑系の思考法』(日本実業出版社)
『日本人はなぜカレーライスが好きなのか』(平凡社新書)
 などの著書がある。

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