真珠ネックレスの選び方

真珠ネックレス(パールネックレス)の選び方

皇室や王室の方は公式の場で必ずと言っていいほど、真珠ネックレスピアス・イヤリングを着けていらっしゃいます。
真珠は世界でもそれほど格式あるジュエリーのひとつなのです。 普段使いだけでなく、冠婚葬祭でも使えるオールマイティーな真珠ネックレスは、大人の女性になったら必ず持つべき、必須のジュエリーといえるでしょう。

しかしながら、「そろそろパールネックレスがほしいけど、サイズってどんなのを選べばいいかわからないわ・・・」
そんなお悩みはありませんか?

ここでは真珠の魅力を知り尽くした真珠の卸屋さんが、わかりやすく真珠ネックレスの選び方をご説明します。
まずは、真珠ネックレスの6つのポイントを抑えておきましょう。

【真珠ネックレスを買う時の6つのポイント】

◆ポイント1 真珠の照り

照りとは、真珠の光沢のことです。これは真珠層の均一さ、表面が滑らかさなどによって差が出てきます。
つまり、表面が滑らかで、真珠層の巻きが厚いほど照りが良くなり、価値が高いとされています。
このように「巻き」と「照り」は真珠の輝きを左右するもので、真珠を選ぶ時の大切なポイントになります。

照りが良い真珠・・・真珠に映るものがシャープに見え、真珠を覗き込むと自分の顔が映っているのがはっきりと見えます。また、内側から深みのある輝きを放っています。
照りが良くない真珠・・・真珠に映るものがぼやけたように見えます。また、真珠の内側からでなく、プラスチックパールのように表面上がピカっとしていて重厚な輝きがありません。


▲右から左へ行くほどテリが良くなっています

◆ポイント2 真珠の巻き

巻きとは、真珠の核を巻いている真珠層の厚さのことです。
真珠はドブ貝を加工して作った丸い核を貝の中に埋め込み、その周りを貝自身が作り出す分泌物で覆うように巻いていくことによって出来ていきます。
つまり、巻きはその覆われた分泌物(真珠層)の厚さのことを言います。巻きが良い=真珠層が厚いということです。
真珠層が厚いものほど良質で強い輝きを発する力を持っています。

しかしながら、肉眼で巻きの厚さを識別するには長い経験が必要になるため、一般の方が巻きの厚さを識別するのは困難です。
簡単な識別方法としては、ポイント1の「照り」でお伝えしたように、巻きが厚いほど深い光沢を放ちます。
巻きが薄いと、プラスチックパールのように表面上がピカッとしていますが、重厚な味わいがありません。
また、真珠層がはがれやすくなる、黄ばみが出る、色あせが早いなど劣化現象が起きてきます。

◆ポイント3 真珠のキズ

真珠は生きている貝から形成される宝石ですので、キズは当然、自然物としてできます。

キズには大きく分けて2つあり、加工時に出来たキズと真珠が育つ間に出来たキズとがあります。
まず、前者の加工キズですが、真珠もダイヤモンドやルビーなどの宝石のように、本来の美しさを引き出す加工を施します。
これをエンハンスメント(改良)と言い、加熱や漂白、調色などの処理方法があります。
これらの処理は過度に陥ると真珠層を崩壊しますが、その痕跡を加工キズと呼んでいます。
加工キズの形態は、ひび、われ、剥れ等々いろいろあります。

次に後者のキズを「エクボ」と呼び、これは本真珠の「証」とされています。
また、真珠をぐるっと一周するような溝を「サークル」と呼びます。
これらは貝の中で真珠が形成されるときに色々な要因でできるのものです。


真珠にキズがある場合は、キズの多さ、大きさ、場所が選ぶポイントになります。
キズが少ない程、またそのキズが小さい程、良質とされます。
全く無傷のものはごくわずかですので、キズの位置なら気にならないというものを選びましょう。

真珠ネックレスの場合・・・中央部にキズが少ないもの
真珠ペンダント・真珠ピアス・真珠イヤリングの場合・・・正面や横にキズが少ないもの
真珠リングの場合・・・てっぺんにキズの少ないもの

※真珠の卸屋さんではできるだけキズは裏側あるいは下側になるように加工しています。

◆ポイント4 真珠の色

真珠の色は真珠の種類によって違ってきますが、大きく分けてホワイト、ピンク(赤)、クリーム、ゴールド、ブルー、シルバー、ブラック、グリーン系に大別されます。
真珠の色は様々で一概にどの色が良品質であるとは言い切れません。
あこや本真珠については、一般的にはピンク系が好まれているため、評価が高くなっていますが、お好みや使用目的に合わせて選ぶことが重要です。

■黒蝶真珠のカラーバリエーション

■白蝶真珠のカラーバリエーション

◆ポイント5 真珠のサイズ、長さ

真珠の卸屋さんではあこや本真珠ネックレスの多くのサイズをご用意しております。
基本的に品質が同じであれば、サイズが大きくなればなるほど価値とともに価格も上がっていきます。
パールネックレスは使用目的などによって適したサイズを選ぶと良いでしょう。

サイズはネックレスの「太さ」にあたる部分を測ります。(写真のピンクの線の部分)
グラデーションネックレスやバロックネックレスなど、真珠の大きさが複数ある場合は「7.0-9.0mm」のように真珠が一番小さい部分と大きい部分の2ヶ所の大きさを記載しています。
もし、記載の大きさについて疑問を持たれた場合は、細かくお測り致しますのでお気軽にお問い合わせください。

真珠の卸屋さんではあこや本真珠ネックレスの多くのサイズをご用意しております。

パールネックレスの各サイズのイメージやおすすめポイントをご紹介しますね。

4.0-5.0mmのパールネックレス・・・繊細なラインが魅力、上品な大人カジュアル、気軽な普段使いに、他のネックレスやペンダントとの重ね付けに便利
5.0-6.0mmのパールネックレス・・・主張しすぎない控えめサイズ、気軽な普段使いに、清楚で上品なイメージ、他のネックレスやペンダントとの重ね付けに便利
6.0-7.0mmのパールネックレス・・・大人の可愛らしさを演出、ちょっとしたパーティに、キチンと感を出したいお出かけファッションに、お子様の冠婚葬祭用にぴったりのサイズ、
7.0-7.5mmのパールネックレス・・・普段使いや冠婚葬祭にもおすすめ、成人のお祝いに、首の細い方に、キチンと感を出したいお出かけファッションに
7.5-8.0mmのパールネックレス・・・定番サイズ、冠婚葬祭の必需品、バランスよく着けられて清楚さを前面に引き出す
8.0-8.5mmのパールネックレス・・・存在感があってエレガントな雰囲気、代々受け継いでゆくパールジュエリー、女度の上がるミセスになったら真珠もワンランク上へ
8.5-9.0mmのパールネックレス・・・大人の余裕を楽しむサイズ、頑張った自分へのご褒美に、気品を感じるボリューム感
9.0-9.5mm・・・希少価値の高い貫禄あるサイズ、格式を失わない大胆なボリューム、誰よりも目立ちたいあなたに、誰もが目で追う存在感


また、真珠ネックレスの長さですが、珠の連のみ(留め具がついていない状態)で約40〜41cmが主流です。
これに2cmのクラスプ(留め具)をつけた場合、全長は約43cm程度になります。
真珠の卸屋さんでは、お客様のご希望に合わせて真珠ネックレスをクラスプ込みで38cmの長さに加工したり、
フルクッション加工で45cmの長さに加工することが可能です。
※短くする場合は加工無料ですが、長くする場合はフルクッション加工料や珠足し代がかかります。


真珠ネックレスの長さの加工について詳しく説明します。

●パールネックレス-1倍ロング(チョーカー/プリンセス)
40cm前後の最も標準的な長さの真珠ネックレスです。

●パールネックレス-2倍ロング(オペラ)
80cm前後の真珠ネックレス。2重に巻いての着用も可能です。
1倍ロング2本お買い上げでダブル1本をお作りします。

●パールネックレス-3倍ロング(ロープ)
120p前後の真珠ネックレス。2重、3重に巻いての着用など多彩なアレンジができます。
1倍ロング3本お買い上げでトリプル1本をお作りします。

●パールネックレス-4倍ロング
160p前後の真珠ネックレス。2重、3重に巻いての着用など多彩なアレンジができます。
1倍ロング4本お買い上げでトリプル1本をお作りします。

※真珠ネックレス1倍ロング〜4倍ロングは真珠の卸屋さんだけの名称です。

ロングネックレスの加工について


●パールネックレス-エンドレス
クラスプを使わずにつなぎ目なく加工した真珠ネックレスです。


●パールネックレス-ラリエット
クラスプを使わずに真珠を一文字につないだ真珠ネックレスです。
結ぶようにアレンジして着用します。

※ラリエットパールネックレス-アレンジ例


◆ポイント6 真珠の形

基本的に「ラウンド(真円)」、「セミラウンド(やや丸)」、「バロック(変形)」に分けられます。
その他に、丸を一方から押しつぶしたような形の「ボタン」、しずくの形の「ドロップ」、楕円形の「オーバル」があります。
バロックなどの変形はまさに世界でひとつしかない真珠のため、根強い人気があります。

また、完璧な真円の真珠は大きさが大きくなる程採るのが難しくなります。
照り、巻き、キズ、サイズ、色、形が同品質であれば、一般的には真珠の形が真円に近ければ近いほど評価が高いとされています。
ただし美しいドロップ(しずく型)は評価が高く、イヤリングなどのペアの真珠で形がそろっていれば、真円以上に評価が高くなることもあります。
■黒蝶真珠の形のバリエーション

■白蝶真珠の形のバリエーション

TPOにあわせて選びましょう!シーンによるふさわしいネックレスの違い


【お葬式時の真珠ネックレス】


一般的に真珠ネックレスは喪の席でも許されている唯一の宝石です。
昔から「神の涙」と呼ばれており、哀しみの気持ちを表すものとされてきました。

お葬式には昔から多くのしきたりやマナーがありましたが、
時代とともに少しづつゆるやかになっている傾向にあるようです。

真珠ネックレスの種類はあこや本真珠ネックレス(ホワイト、グレー、グリーン)以外にも
タヒチ黒蝶真珠ネックレスや南洋白蝶真珠ネックレスもおすすめです。

1連の真珠ネックレスか真珠イヤリングなら問題ありませんが、二連の真珠ネックレスは「重なる」に繋がるため、タブーです。
真珠ネックレスの長さは胸から上、長くても60cmくらいまでにしましょう。
また、真珠リングはダイヤの大きいものは避け、シンプルなものを選びましょう。

マナーは「周りの人を気遣う」気持ちの表れです。
故人が親族、親戚の場合や、参列者にしきたりを重んじる方が多い可能性がある場合は
あこや本真珠ネックレス(ホワイト、グレー、グリーン)のみにしておくほうが無難でしょう。


【結婚式・披露宴時の真珠ネックレス】


昼間のパーティーでは、ジュエリーは控えめにしましょう。
真珠ネックレスは白のあこや本真珠ネックレスやマルチカラーの淡水パールネックレスなどがおすすめです。

夜のパーティーでは輝きが強いジュエリーも問題ありません。
ロングの真珠ネックレスや、ダイヤモンドのペンダントと重ね着けがおすすめです。
また大きめの真珠ピアス・イヤリングやリングなどでパーティーを華やかに彩りましょう。

真珠ネックレスのお手入れの方法

真珠は主成分が炭酸カルシウムです。酸、熱、水に弱いのが特徴です。
汗やほこりが付いたままにしておくと、真珠の表面が酸や汗で侵され、照りを失ってしまう原因になります。
この劣化現象には主に2つあります。

1.真珠層の溶解
:真珠層表面のカルシウムが酸で溶けて、表面に微小な凹凸ができ、光がそこで散乱するために起こります。
ちょうどガラスの表面に微小なキズをつけ、くもりガラスを作るのと同じ現象です。

2.黄ばみ:真珠層中のたんぱく質に原因があります。たんばく質には、紫外線や熱で褐色に変化する性質があります。
長期間の光や熱に曝されると、これが黄ばみとなって現れます。


劣化現象をできるだけ抑えるためにも、ご使用前、ご使用後は汗や汚れをよく落としてください。
こまめに拭いていただくことが一番のお手入れです。

●日常のお手入れ


パールネックレスについた汗や汚れを、柔らかく乾いた布で優しく拭き取ってください。
真珠科学研究所開発の真珠の光沢を回復させる布<真珠てりクロス>がおすすめです。
また、真珠に<PS加工>を施しておくと、酸や汗に強くなり、輝きが長持ちします。

●特に汚れが気になるとき

 
ぬるま湯で固く絞った柔らかい布で汚れた部分を拭いた後、必ず乾いた柔らかい布で乾拭きしてください。
金具と真珠が接している部分に汚れが付着しやすいので特に念入りにお手入れをしましょう。

 

●着用時に注意すること


・炊事やお洗濯などの家事をされる際は真珠製品は外してください。
・ご入浴の際、水辺のレジャーや温泉では真珠製品は外してください。
・硬いものとぶつかったり擦れあわないようにご注意ください。
・化粧品の影響を少しでも押さえるため、真珠製品はメイク完了後に身に付けてください。
 日焼け止め・ヘアスプレー・香水・ハンドクリームなどにもご注意ください。
・お食事の際は食品と真珠が接することがないようにご注意ください。特に柑橘類や酢の物などにご注意ください。
もし、汚れてしまったら…
 すぐに水気や汚れをふき取ってください。時間がたってしまうと変色などの原因になります。


●保管時に注意すること

・真珠は紫外線や熱や光の影響を受けやすいため、日当たりのいい場所や温度が高くなる場所の保管は避けてください。
 照明の影響も受けますので必ずケースに入れて保管してください。
 高機能パールネックレス専用ケース<パールキーパー>がおすすめです。当店で販売しております。HPで検索してみてくださいね。
・真珠は湿度にも敏感な宝石です。湿気の多い場所も、極端に乾燥した場所も避けてください。
・真珠の酸化を防ぐために、ケースに小分けに保管されることをお勧めいたします。
・真珠の表面はそれほど硬くはありません。他の宝石や、金属など硬いものと触れ合わないように保管してください。
・防虫剤などの薬品や、化粧品などの近くでの保管は避けてください。
・脱脂綿を緩衝材として保管することは避けてください。脱脂綿の漂白作用により変色の恐れがあります。
 <真珠の卸屋さんでは、ネックレスの糸替えも承っております>
≫真珠ネックレスのお手入れグッズ

【真珠ネックレスの糸換えについて】

真珠ネックレスをずっとずっと大事にお使い頂くために、2年に1度の糸替えをお勧めします。
真珠ネックレスの糸はかつては絹糸でしたが、最近はビニロンやテトロンなどの化繊、
それにワイヤーなどが使われております。
パールネックレスを2年くらい使った時点でたるみがあったりする場合は、切れてしまう危険もあるため、
早め早めの糸替えメンテナンスをプロにお願いしましょう。