vol.23  突然、濡れ縁を考える の巻
濡れ縁とは、読んで字の如く、濡れた縁側。
即ち、屋外にある縁側のこと。


きっと濡れ縁の時代が来るぞ!と思ったのは2年前ですが、
やっとそんな感じになってきました。


濡れ縁というと、どうも和風な感じで、
夕暮れに将棋を打つというようなイメージが付きまとってしまいますが、
そのイメージは古いですね。
おそらく当店の販売する濡れ縁のうち、
ほとんどが洋室の掃き出しに設置されているはず。


ガーデニングブームがやってきたとき、一気にウッドデッキが普及しました。
洋風な暮らし、イングリッシュガーデン、仲の良い家族・・・・
「ウッドデッキ」というのは幸せな家庭のシンボルでもあったんですね。
その意味では、RV車の人気にも通じるものがあります。
「家族みんなで、楽しい我が家」的な団欒の象徴です。


でも、3ナンバーのRV車はうちの車庫には入らないよー、とか
子どもも大きくなって、大きな車は不要になった、とか
でかい車は洗車が大変なので、いやだ、とか・・・・。
小さめの車を選ぶ理由もいろいろ。


これをそのままウッドデッキに当てはめてみると、「濡れ縁」になるわけです。


だから濡れ縁は、ウッドデッキの機能を、
より凝縮してコンパクトにしたものでもあります。
機能の第一は、外と中をつなぐ機能。


サッシを越えて濡れ縁に1歩踏み出せば、そこはもう「外」
靴を履くことも、段差を越える必要もない。


外であなたが庭の掃除でもしているとします。
ちょっと疲れて濡れ縁に腰掛けると、
家の中から奥様が、あるいはご主人が飲み物をもって現れる。
「お疲れ様」と労をねぎらいつつ、濡れ縁に座り、
しばしお茶を飲みつつ会話を楽しんだりする、なんてどう?

外の人も、内側の人も同じ場所で、時間を共有できる。
これが濡れ縁の特徴です。
田舎の縁側がそうですよね。


それなら、掃き出し窓を開けて床に座っても同じじゃないの?
なんてツッコミが聞こえてきそうですが、ぜんぜん同じじゃありません。


まず、掃き出し窓に座ると、サッシの凹凸がお尻に刺さって痛い。
それから、網戸を開けておかないといけないので、蚊が入る。
さらに「寒いから締めてよ!」なんて、奥から子どもの声がする(場合がある)。


ということで、やはり濡れ縁はいいでしょ。


「確かに濡れ縁っていいなあ」
そう思っていただけたと仮定して話を進めます。


それならアルミとか樹脂の濡れ縁のほうが腐らなくていいんじゃない?
という声もどこかから聞こえてきそう。


よく考えて見ましょう。濡れ縁のある場所と、接する体の部位。
濡れ縁は屋外にあるので、季節によって周囲の温度がかなり違う。
しかも、素足かそれに近い状態で出ることが普通で、
腰掛けた場合はお尻で接することになります。
そういう場所にアルミはまず使えません。
熱くなりやすく、冷たくなりやすい。冬場にサッシが結露するのはそのためです。
真冬に座るとお尻の熱がどんどんとられてしまいますから要注意。


樹脂というのも最近多いですね。
特に「木樹脂」なんて、どっち付かずの名前のものが・・・。
樹脂は、木と同じように熱伝導率が低いので、
ナベの取っ手なんかにも使われますから、アルミみたいに冷たくなることは無いです。
ただ、やっぱり品と味がない。
なんか、うそっぽい。(ように私には見えるのですが・・・)
素材の温もり感とか、手触りの優しさとか・・・、やっぱり違う。


木の濡れ縁に腰掛けて、
庭を眺めながら、
四季の移ろいを体で感じてみる。
なんて、どうでしょうか?