作品:杉と月
作者:ホセ・ルイス・パスカル

セラー・エスペルトのゲストハウスの前に飾られているオブジェ。

このオブジェには『ようこそいらっしゃいました。食事をお楽しみください。そしてゆっくりおやすみください 』という意味が込められているとエスペルトのオーナー、ダミヤン・エスペルトのマダムから聞きました。

今回、セラー・エスペルトにて私自身がアッサンブラージュし一つのワインをつくりました。自分で言うのもなんですが本当に素晴らしいワインができました。ぜひ多くの皆様にお楽しみいただきたく思っております。

素晴らしいワインに仕上げてくれたエスペルトのみんなに感謝。



CONFIANCA Celler Espelt

2007年11月、セラー・エスペルトに訪ねた時にダミヤン・エスペルトとシャビィから『来年、ハルヒコだけのスペシャルワインを一緒につくろう』と声をかけられました。この時いろいろなバレルサンプルを飲み、とても胸が躍ったことを覚えています。

2008年5月、ハルヒコスペシャルのアッサンブラージュを行うため、3度目の訪問。

ダミヤン、シャビィ、そして醸造家のアナ・エスペルト(ダミアンの長女)とともにセラー・エスペルトの素晴らしいタンク・サンプルのワインを9アイテム使い、ワイナリー和泉屋オリジナルワインのためにいろいろなブレンドのワインをつくりました。


想像していた以上に大変な作業でした。初日は4つのサンプルを使い練習をし、翌日、9つの葡萄品種や畑別のサンプルワインをまずはテイスティングし、シリンダーを用いてアッサンブラージュを行いました。

最終的に3つのワインができあがり、その中から1つ選ぶのですが、私は私がブレンドしたNo.4とNo.8のワインを半々ずつブレンドしたワインを選びました。決定後No.4とNo.8のワインについてシャビィに詳しく聞くと、別々のエリアの樹齢が百年を超えるカリニェナだと教えてくれました。

セラー・エスペルトは基本的にいくつかの葡萄品種をブレンドしワイン造りを行うのでこのワインは他のワインとはちょっとニュアンスが違い、私的には満足なワインとなりました。以前からこのお宝のカリニェナ100%のワインをなぜつくらないのだろうと思っていたので、このワインはカリニェナ100%となり結果的に私の夢が叶ったことになりました。

今回のワインは少し口中で冷たさを感じ、そしてあまり重たさを持たずに複雑さも持ち、酸とタンニンのバランスがとれている、そんなワインをイメージしました。セラー・エスペルトのみんなも素晴らしいワインだと思うと言ってくれました。

今まで、要所要所でこのワイナリー和泉屋オリジナルワインのサンプルを空輸で送ってもらい、たくさんのワインビジネスに携わる方たちとテイスティングを重ねてきましたが、皆様からはとても嬉しいコメントばかりいただけ、その出来映えには大変満足しており、そしてこんなにも素晴らしいワインに仕上げてくれたセラー・エスペルトの全員に改めて感謝しております。

このワイナリー和泉屋オリジナルワインはこの話が立ち上がったときから販売しやすい『ハート』を使ったラベルにしようと思っておりました。

しかし、セラー・エスペルトに行き、みんなとアッサンブラージュを一生懸命し、ワインを大事に育ててくれていることを思ったとき、セラー・エスペルトと何ら関係のないハートのラベルは全く意味のないことだと思い、ラベル、名前について考え直すことにしました。

夜、エスペルトのゲストハウスのバルコニーで涼んでいたとき、ゲストハウス前に飾られている『杉と月』のオブジェが目に飛び込んできました。

初めてここに来たとき、オーナー、ダミヤン・エスペルトのマダムから『あのオブジェには「ようこそいらっしゃいました。お食事をお楽しみください。そしてゆっくりおやすみください」と言う意味があるのよ』と教えてもらったことを思い出し、翌日、『杉と月』をラベルにできないかとシャビィに聞いてみたところ、ちょっと考えてみるとの返事をもらいました。

そして、今度はワインの名前です。このワインはセラー・エスペルトが私を信頼してくれ、私もセラー・エスペルトを信頼したからこそつくられたワインです。ダミヤン・エスペルトにカタロニア語で『信頼』と言う名の “コンフィアンサ” にしたいと話すとセラー・エスペルトの全員、とても良い名前だ大喜びしてくれました。

はい、その結果がこのラベルとなりました。

熟成が効くようにフレンチオーク樽で6ヶ月熟成。樽のニュアンスはつけたくなかったので2年目の樽を使用しました。

2010年6月、セラー・エスペルトにて最終チェックをしてきました。本当に素晴らしいワインになっております。

シャビィは口には出しませんが素晴らしい原酒をこのワインのために出してくれたのだと思います。もう何年もセラー・エスペルトのワインを飲んでいますのでそれはすぐにわかります。全てがセラー・エスペルトの宝物である百年を超える樹齢のカリニェナなんですからね。

そして、たくさんの日本の皆様に飲んでいただきたいと言うことで価格もこのワインとしては考えられない蔵出し価格で分けてくれました。 この『信頼』と言う名のセラー・エスペルト&ワイナリー和泉屋のコラボレーションワインをぜひ飲んでみてください。これがセラー・エスペルト&ワイナリー和泉屋のコンフィアンサ (信頼)の味わいなのです。



フランク・マッサール氏(元英国ソムリエチャンピオン)

現在はD.O.Ca.プリオラートで自ら経営する小規模だが素晴らしいワインをつくる ボデガを経営、ウエリャスというプリオラートのお買い得ワインをリリースしています。

師と仰ぐのはトーレス時代を共にしたスペインを代表する醸造家ラウル・ボベ氏。 そんなフランク・マッサールにブラインドでコンフィアンサを飲んでもらいました。

『熱さのない葡萄品種、ピノ・ノワール、ガルナッチャ・・・・・う〜ん』。

『酸が綺麗で、エレガントさもあり、ほんのり感じる木のニュアンスも大変心地よい。非常に上手くつくっているワインだと思う』と。

カタロニアのモノバラエタルとヒントを言うと最終的に『標高の高い畑に植えられた、古い樹齢のガルナッチャでつくったワイン』とのこと。

答えは古樹のカリニェナと言ったら驚いていました。D.O.Ca.プリオラート以外でもこんなに素晴らしいワインが、しかもこんなにリーズナブルな価格でできることは知らなかったとコメント。

う〜ん、ブラインドは難しいねと笑っていました。



田中克幸氏(ワイン・ジャーナリスト ワイン専門誌ワイナート元主筆) 田中氏とはいろいろなスペインワインを一緒に飲んだとき、このコンフィアンサも飲んでもらいました。

とにかく新井さんの作ったワインの印象が一番強かったですね。趣味や実験段階のものを商品化したような、立ち位置がまっとうではないワインもいくつかありましたが、新井さんのはまじめでした。

新井さんらしいです。あのカリニェナは香りが清涼感にあふれ、緻密なカシス、スミレ、ラズベリー、ミント、ミネラルといった要素の組み合わせが、ジュブレ北部からフィサンあたりを彷彿とさせ、そこにオレゴン・ピノ的な若干の土っぽさと重さを加えたようで、たいへんに複雑で、素晴らしいものがありました。果実味の表面張力がタイトで、隙間が見えず、内側からのエネルギーを感じました。

酸とタンニンの姿かたちが整っていて、キリリと舌に浸透してくる感覚が心地よいものでした。

とりわけ、タンニンはふたたびフィサン的なエッジの効いた固さがあり、しかし乱暴さがない点が特筆すべきだと思いました。堅牢なのですが、骨ばかりで肉がないといった傾向がまったく見られず、ミッドの密度感が失われず、きちんと甘さが感じられ、重心がしっかりと落ち着いていました。また、適度なスパイシーさが後味に生命感を与えていました。

と、嬉しいコメントをくれました。 あと、樽の使用についてはもう少し違う方法が良かったのではともコメントをいただきました。



櫻井一都氏(スペインワインコンテスト2007 優勝者 五反田エシェゾー支配人)

”コンフィアンサ”ですね。この前お伝えさせていただいたように、あれこそ今後続くであろう”新井スタイルの第1章”なのではないのでしょうか?これからワインを飲む方たちにも優しいし、いわゆるワイン通の方たちにもあのエレガントさは安心させ、しっくりきますし。

いろいろと見方や売り方などあるかもしれませんが、(この前、田中さんがおっしゃられていた樽が・・・という事は置いておいて)

「カリニェナ」とうたっていくのか、いかないのか。とか考えるとワクワクしますね。

知っている人は、まずそのワイン自体を珍しがり、一般にはプリオラトで使用され”鉱物のニュアンスやら凝縮さやら”という先入観たぷたぷの頭で飲むと、その香味にびっくりすることでしょう。

このワインを手にするほとんどの方は「カリニェナ」を知らないと思いますので、うたわなくても、まったく問題なく、逆にこの前みたいに「んっ、これはいい」から入っていくみたい状況が目に浮かびます。

この前のお墨付きがある以上、味わいには全く問題ないですよね。あとは選びたくなるような”コンフィアンサ”を感じるラベルではないのでしょうか? この前も伺っていたら、やはりラベルを気になさっている光景や話しがありましたから。



山下京子さん(ブリュッセル在住 マドリッドでワインセミナー講師などで活躍するソムリエール)
ブログ、 Spain Wine Navi ☆ 彡 スペイン ワイン ナビはスペインワインファンは必見です!

セラー・エスペルトからサンプルを送ってもらいご意見をいただきました。

先日、スペインへ行ったときに「Confianca 2007」をスペイン人らとテイスティングしました。「いいですね〜!」一緒にテイスティングしたスペイン人の友人らも驚いていました。

【コメント】

色合いは紫を残した魅惑的なブラックチェリー色。香りは熟したブラックベリーなどの果実の香り、華やかなスミレの花の香り、そして仄かな地中海のハーブの香り、控え目で落ち着いた樽熟成からのローストされた香りが上品に調和。

味わいは果実味が溢れ、よく溶け込んだタンニンが口当たりよく滑らかなに広がる。酸がとても上質でフレッシュ。軽快でスタイリッシュでエレガントな地中海の赤ワイン♪

本当に可愛らしいエスペルトのキャラクターで、目に付くデザインです♪シールキャップにも、コルクにも、キャラクターがデザインされていて、コルクを集めている友人もとても気に入ってました。 日本の方に早く「コンフィアンサ」を楽しんで頂けたらと思います。



佐武祐子さん(バルセロナ在住 ワイン商として活躍。スペインの多くの生産者と交流を持つ)
2010年6月、セラー・エスペルトにて一緒にテイスティング。

あぁ、新井さんらしいワインだな。

これがまっ先に感じたコンフィアンサの印象でした。アンポルダの暑い地中海の産地とは思えない冷たさと 爽やかさがあり、樽が主張し過ぎることなくカリニェナの優しい果実味に寄り添っていました。

角のとれたタンニンでシルキーで緻密な赤。

コストパフォーマンスの素晴らしいエスペルトでも高価な赤かな、と。

銘醸地プリオラートはそのスレート状の土壌だからこそ樹齢の古い土着品種カリニェナ、ガルナッチャで素晴らしいワインができる。

エスペルトのあるアンポルダも似たテロワールがあり、コンフィアンサでそのポテンシャルをすごく感じることができました。(写真はアルフレード・アリーバス氏とともに。)



他にもたくさんのワイン専門家(ワインジャーナリスト、ワインショップオーナー、ソムリエ、インポーターなど)の皆様に飲んでもらいましたが、推定価格は8,000円が一番多く、ほとんどの皆さんが5,000円以上と言っておられました。

こういう結果を見ても本当にセラー・エスペルトが採算を度外視して素晴らしいワインをつくってくださったことが本当に良くわかります。

多くの皆様がこの素晴らしい『信頼』と言う名のワインを飲み、楽しい食事、ゆったりとした人生を満喫していただけたら本当に嬉しく思います・・・・・・。

《コンフィアンサ 2007 セラー・エスペルト》


葡萄品種:カリニェナ 100%(1905年以前に植樹された花崗岩質土壌のカリニェナとピサーラ土壌のカリニェナを50%ずつブレンド) セラー・エスペルトの宝物のカリニェナ古樹のモノ・バラエタル(単一品種)・ワイン。モノ・バラエタルながら複雑さも出したかったため異なったキャラクターをもつ二つのエリアのカリニェナをブレンドしました。

樽熟成は6ヶ月。樽のニュアンスは抑えたかったので新樽は使用せず、2年目のフレンチオーク樽で6ヶ月熟成させました。

セラー・エスペルトの多くのワインはモノ・バラレタルのワインが少なく、赤ワインに関しては甘口ワインを除くと全てがブレンドワインとなります。ヴィンテージは偶然にも D.O.エンポルダにとってエクセレント・ヴィンテージの2007年、いろいろな意味で恵まれたワインだと思っております。

味わいは前文にも書きましたが『少し口中で冷たさを感じ、そしてあまり重たさを持たずに複雑さも持ち、酸とタンニンのバランスがとれている』、そんなワインをイメージしました。

スペインを代表する醸造家ラウル・ボベ氏は『 カリニェナは肥沃な土地だと、タンニンの強いワインができるが、やせた土地ではテロワールをきれいに表現する素晴らしい品種だ 』とコメントしています。

セラー・エスペルトのワインは特にカタロニア地方では絶大なる人気がありエル・ブジ、サン・パウ、カン・ロカといったスペインミシュラン3★のレストランをはじめ数多くの★付きレストランにそのワインたちはオンリストされています。

写真は一つ星のミラマルのオーナーシェフ。 

エスペルトの大ファンだそうです。

ここのお料理、良かったですよー!

※後ろはセラー・エスペルト オーナー、ダミヤン・エスペルト

コンフィアンサ [2007] エスペルト
スペイン/エンポルダ・赤
生産者 セラー・エスペルト
輸入元 ワイナリー和泉屋

葡萄品種:カリニェナ 100%(1905年以前に植樹された花崗岩質土壌のカリニェナとピサーラ土壌のカリニェナを50%ずつブレンド)

セラー・エスペルトの宝物のカリニェナ古樹のモノ・バラエタル(単一品種)・ワイン。モノ・バラエタルながら
複雑さも出したかったため異なったキャラクターをもつ二つのエリアのカリニェナをブレンドしました。

樽熟成は6ヶ月。樽のニュアンスは抑えたかったので新樽は使用せず、2年目のフレンチオーク樽で
6ヶ月熟成させました。

味わいは前文にも書きましたが『少し口中で冷たさを感じ、そしてあまり重たさを持たずに複雑さも持ち、
酸とタンニンのバランスがとれている』、そんなワインをイメージしました。

スペインを代表する醸造家ラウル・ボベ氏は『 カリニェナは肥沃な土地だと、タンニンの強いワインが
できるが、やせた土地ではテロワールをきれいに表現する素晴らしい品種だ 』とコメントしています。

内容量 750ml