1993年、それまでぶどう畑の病気を治す仕事をしていたポール・マリー・モリロン氏は、どうしてもワイン造りをするという夢を捨てきれず、ついに8ヘクタールの畑を購入しました。その畑からできる極上のメルローとマルベックを使って造ったワインは皆を驚かせるものでした。ACボルドーとは思えぬエレガンス、そして奥ゆかしいその複雑な味わい。2002年にはボルドーコンクール(*)で見事に銀賞を獲得し、その後のヴィンテージは大人気のため完売状態。今、目が離せないスーパーボルドー、それが「CH ラフォン フルカ」なのです。

* ボルドーコンクール
ジロンド県農業会議所が中心となって行う伝統あるワインコンクールで、1万5000銘柄ものワインが出品されても、メダルを受賞できるのはわずか2割程度といわれます。

やや濃い赤紫色。カシス、チョコレート、ココア、ブラックペッパー、シナモンなどの多種多様で上品な香りが渦巻いている。口当たりはまろやかで、ほんのり甘さを含んだタンニンの風味が軽快に広がる。スタイルとして決して濃いワインではなく、生き生きとした上質の酸味がフルーティーさを演出しながらも、その後ろからじわじわとビターチョコのようなエレガントなタンニンが立ち昇ってくる。口にした瞬間、すぐに理解するようなタイプではなく、スタートからフィニッシュまでの全体を通した味わいの演出が非常に興味深いワインである。 

CHラフォン フルカの複雑で奥行きのある味わいの秘密、それは3種類のタイプの異なるワインをタンクを分けて丁寧に醸造し、絶妙な比率でブレンドしているところにあります。だから目を閉じると3種類の味わいが浮かんでくるのです・・・

【味わいその1】 華やか上品メルロー
 CHラフォンフルカの主力となり、華やかな香りを放つ。ほのかな甘みと抜群の上品さを持ったスタイリッシュなメルロー。

【味わいその2】 パワフルなメルロー
 甘みを極端に減らした上質のブラックコーヒーを思わせるメルローで、ワインにパワフルさを与える。

【味わいその3】 フルーティーなマルベック
 補助的な役割をするマルベック種のワインで、きれいな酸味はワインにフルーティーさを与える。

ワインに外見は関係ありませんが、CHラフォン フルカのクールでスタイリッシュな外見は特筆すべき点です。全く派手さの無いモノトーンに包まれたその姿にただならぬセンスを感じます。とにかく、文句なしにカッコイイ・・・