変わらぬ技と心配り
村上の冬の風物詩ともいえる、軒先に吊されたたくさんの鮭。
伝統の塩引き鮭にもうおやはこだわりがあり、海で捕れた鮭を使用している
という。さらに、「それも、成長したものよりは、若い鮭を使っています。
塩引きにするにはこれが一番。塩引鮭には主に程よい脂のある若い銀系の鮭を使い、酒びたしはブナ系のものを使っています。製品によって鮭を見極めているんです」と熱っぼく語る。
うおやの特徴は製品だけではない。お客様への心づかいは細やかで、鮭の切り身は好みに応じて厚さを調整しているという。
「毎年注文を頂くお客様の場合は、好みを記録し、大きさや質、塩加減、切り方など、気に入ってもらった鮭と同等のものをご提供するようにしています」
今でこそお客様の好みの記録はパソコンで管理しているが、かつては電話の声を開いただけで対応できたこともあったという。
「一番嬉しいのは、親子にわたってうちの店に買いに来てくれるお客さんが
いることです。長い間、頑張ってきたかいがあったなと思いますね」
にこやかに語る女将の八惠子さん。
『海外旅行に行くと、必ず現地の人から親切にされる」という彼女の、気取らないその人柄もお店の人気を支えているに違いない |