手延麺職人の一日は午前3時に始まります。
世の中が真っ暗なうちから、起きて小麦粉と向き合います。
「さあ、勝負だ」
その日の気温、湿度、気分によって様々な顔を見せる小麦粉を、
長年の勘で瞬時に対峙してゆきます。
熱を欲しているのか、風邪を欲しているのか、
あるいは寝かしを欲しているのか、
よ~く見える職人たちを、
手延べ麺職人と呼びます。
あいまいで、気まぐれな小麦粉にやわらかく、
丁寧に相手をするから、
やわらかくて、優しい味の麺が出来上がります。
大きな工場でボタンひとつで作られる簡単さはないけれど
「なんじゃこりゃ~」という感動を生み出す手造りの味わい、
ひとだから作り出せる、ひとのぬくもり、
これからも大切にのこしたいですね。