かもがた本舗が追及する麺の「味わい」とは
最近の麺の流行を見ると、強いコシをうたっているものが多く見受けられます。
「麺といえば一番にコシ」というのは必ずしも間違いとはいえないでしょう。
しかし鴨方本舗は麺の老舗としてのプライドを持って、脈々と受け継がれてきた麺の文化
を継承しています。かもがた本舗が目指す麺はコシだけではない。
その先の「味わい」を追求しているのです。
備中(岡山)は昔から朝廷の荘園として栄え、
播州(兵庫)とともに京の都に物品を納入する台所のような役割を果たしてきました。
ですから、岡山で作られる麺は京の貴族たちに好まれるように、上品でなめらかな舌触り、
ツルツルとした清涼感のあるのどごしが楽しめるスイーツのような存在として進化をとげてきたのです。
そんな貴族たちの、食事以上の欲求を満たすべく磨き抜かれた備中の麺は
「下りもの」(西日本から京献上される上級品の通称くだらないの語源)
として高く評価され朝廷にも献上されたのです。
そのような歴史を持つ当店が目指すものだからこそ、他店が行っているように、
単に固い原料を使った、強いコシだけの麺は作りません。
当店の麺は基本的に柔らかい粉を使います。
お菓子が薄力粉でできているのはご存じだと思いますが、通常小麦粉は、柔らかいほど味わいがよく、上品な味に仕上がります。
ではなぜ柔らかい粉を、みんながなぜ使わないかというと、
柔らかい粉は、味が良くなる半面、作るのに何倍もの手間と、時間と、技術を必要とするた
め誰でも使いこなせるわけではないからなのです。
つまり形だけではない本物の「味わい」には生産性に逆境する手間暇と高い匠の技が必要なのです。
当店の麺は、赤ちゃんの離乳食としても用いられるほど、体に優しく
毎日でも食べたくなる「味わい」があります。
その味わいを生かし、うすあじでいろいろな料理に応用することも可能です。
いつも車で通り過ぎる野道も、ゆっくりとあるけばいろいろな発見があって、 ほっこりとした気持ちになるものです。 いつもより少し味をうすめにして素材の「味わい」を楽しむのも自分へのご褒美ではないでしょうか。