安全に使用するために

薪ストーブはスイッチひとつですぐ一定温度に暖めてくれる石油、ガス、電気ストーブとは違います。
煙突の設置環境、使用する薪の性質により燃焼状態にかなり差がでますし、薪の調達や煙突掃除等
のメンテナンスにとても時間がかかります。簡単で、短時間の暖房を望む方には不向きかもしれません。
 又、薪ストーブは安全装置が付いていませんので、取扱いには充分注意し、安全にご使用いただきますようお願い申し上げます。
 薪ストーブの設置、煙突の設置は「低温炭化現象、煙道火災」を起こさないよう充分注意し、個人で施工できない場合は取扱店・専門設置業者にお問い合わせください
 安全装置のない薪ストーブを安全にお使いいただくために、次の項目は必ず厳守してください。
すべてが重要な項目ですのでよくお読みください。

 

Check 1
 薪ストーブ、煙突の設置は建築基準法、消防法、各都市火災予防条例等に従ってください。
Check 2
 薪ストーブ、煙突と壁とは一定距離以上離してください。
Check 3
 薪ストーブは不燃材を使用した台の上に置いてください。
 畳、じゅうたん、木床等可燃物の上に薪ストーブを直接置かないこと。
 低温炭化を防ぐ為、周囲の可燃物は50℃以上にならないよう配慮のこと。
Check 4
 カーテンや家具などの燃えやすい物は薪ストーブから十分離してください。
Check 5
 薪ストーブの近くで衣類等燃えやすいものを乾燥させないでください。
Check 6
 薪ストーブの近くに薪を置いたり、乾燥させたりしないでください。
Check 7
 スプレー缶や使い捨てライター、爆発物、可燃性液体など危険のある物は薪ストーブの周囲に置かないでください。
Check 8
 シーズンの使い始めは、弱火で充分にストーブ本体を暖めてから本燃焼に移ってください。
 急激な燃焼は本体を傷める原因となります。

 ※ 慣らし運転を必ず行うこと。

Check 9
 高温で長時間焚き過ぎると、ストーブ本体や煙突を傷めます。
 また、火災につながる恐れもあります。
Check 10
 ガソリン等の可燃性の強い液体は、絶対に燃料としないでください。大変危険です。
Check 11
 薪以外の燃料(石炭、豆炭、プラスチック、ビニール、発砲スチロール等)は絶対に燃やさないでください。
Check 12
 灰の処理は、炎が完全に消えたのを確認してから行ってください。

 ※ 掃除機で灰を吸い取るのは危険です。

Check 13
 燃焼中はときどき部屋の窓を開け、外気を取り入れてください。
Check 14
 燃焼中は薪ストーブ本体や煙突に素手で触れないでください。
 高温になっている為火傷します。

 ※ 触れる際は皮製の手袋を着用ください。

Check 15
 燃焼中は、ストーブの扉を開けたまま傍を離れないでください。
Check 16
 メンテナンスは定期的に行い、部品の消耗や破損のチェックをしてください。
 部品の交換時には当社が用意する純正品をご使用ください。
Check 17
 耐熱ガラスは熱に強いですが衝撃に弱い性質がありますので取扱いには充分注意してください。
 鋳物や耐熱ガラスは温度の変化により伸縮します。
 伸縮率の違いにより圧力でガラスが破損する恐れもあります。
 耐熱ガラスと本体はきつく固定せず、止め金具が多少左右に振れる位に、適度な力で固定してください。
 ※ ガラスが破損した場合は、ストーブの使用をやめ、最寄の販売店もしくは、弊社までお問い合わせください。有償にてご用意いたします。

 

Check 18
 煙突掃除は年1回以上、必ず行ってください。
 煙突の詰まりは煙道火災の原因になります。

 ※ 燃料にする薪の性質や煙突の設置状態、薪ストーブの運転状態により2〜3ヶ月の間に煙突掃除が必要になる場合もあります。

Check 19
 薪ストーブの傍には消火器を備えておき、いつでも使える状態にしておいてください。

 

薪ストーブの選択  (ホンマ製作所  薪ストーブオンラインマニュアルより抜粋)

薪ストーブの種類と特徴

鋳物製薪ストーブ  【中国製】

 薪ストーブのスタンダードともいえる鋳物製薪ストーブ。シンプルな仕組みの一次燃焼のものから、デュアルバーン方式の高機能までご用意。サイズも小型から大型までバリエーション豊富です。ホンマ製作所では中国製鋳物薪ストーブをリーズナブルな価格で販売しております。

・ 本体は、暖まりにくいが一度熱を持つと冷めにくい(鋳物の特徴/蓄熱性が良い)
・ 鋳物であるため輻射熱が強く赤外線効果が高い
・ 耐用年数約10年(使用頻度などにもよる)

鋼板製薪ストーブ  【国産】

 厚い鉄板を用いた薪ストーブで、モダンな住宅と良くマッチするデザインが特徴です。デュアルバーンのような燃焼機能の他にオーブン、調理機能などを備えたモデルもあり、薪暖房+αで本格的なストーブライフをお楽しみいただけます。

・ 本体は、暖まりが早いが、その分火を落とした後は冷めやすい(鋼板の特徴)
・ オーブンや調理機能付機種あり
・ 耐用年数約10年(使用頻度などにもよる)

鉄板製薪ストーブ  【国産】

 実用的でお求め易い鉄板製の薪ストーブです。気軽に薪暖房をご体験いただけます。持ち運びしやすく使い方も色々で、アウトドアや災害時の備えとしても人気があります。日本の昔ながらの薪暖房をお楽しみください。

・ シンプルな機能と使いやすさ
・ アウトドアや災害時の備えに
・ 耐用年数約3年(使用頻度などにもよる)

二次燃焼方式とは

2次燃焼方式は、ストーブに空気吸入口が二箇所ついており、1次空気と2次空気で薪を無駄なく消費できる機能のことです。煙に含まれる煤やタールの量を削減し、クリーンな排煙が可能になっています。

 仕組みは、左図のように1次空気で薪を燃やし(1次燃焼)、さらに発生した煙に含まれる不純物を2次空気を使って燃やす(2次燃焼)というものです。ストーブにより内部構造は異なりますが、2次燃焼対応機種はいずれもこのような仕組みを持っています。

 また、2次燃焼方式は独特の炎(フレアー燃焼)もお楽しみいただけます。

<対応機種一覧>

鋳物製 :MS-780X、HT-440DX、HT-470DX、HT-620DX

鋼板製:AD-45B、BW-45A

鉄板製:なし

 

外気吸入の必要性

 薪ストーブは次のような環境で使用すると室内が酸欠状態になったり、煙や炎がストーブから逆流してくる恐れがあり大変危険です。
「外気吸入ユニット」を取り付けることで、屋外から燃焼に必要な空気を供給できるようになり、室内の空気をほとんど消費せずに燃焼できるようになります。
● 薪ストーブは通常室内の空気を取り入れて燃焼します。 ● しかし高気密の住宅では、室内に換気扇などの空気を外に吐き出す(または吸引する)機構がある場合、薪ストーブが燃焼空気を引き込まなくなり煙突側から燃焼空気が吸い込まれます。結果として本体から煙や炎が逆流することになり危険です。

外気吸入ユニット セット内容と取り付け方法

※ アルミ蛇腹管は状況に応じてカットしてお使いいただけます。

 

薪ストーブ、炉台の設置

炉床・炉台の安全装置

 薪ストーブを使用するとストーブ周りの温度は100℃近くに達します。床や壁が可燃材の場合、断熱が不十分だと火事になる恐れがあります。炉床や炉台を用いて完璧な断熱処理をしましょう。設置参考例をご紹介します。

 

ステンレスストーブ台 + 炉床

 ステンレスストーブ台と炉床を併用し、床面温度が50℃以下になるように設置してください。
ステンレスストーブ台は床に直接置かないでください。断熱が不十分のため危険です。
※ 鉄板製ストーブは鋳物製や鋼板製より床面に伝わる温度が高いので気をつけてください。

 

耐火ブロック炉台 (壁面セット、コーナーセット)

 耐火ブロック炉台と床との間には、12mm以上の断熱材を敷き詰めるか、空気層を設けて断熱してください。また、壁面に炉台を設置する場合はブロック炉台と壁との間に30mm以上の空気層が必要になります。壁に炉台をぴったりくっつけると、熱が直接壁面に伝わるため危険です。

 

 

薪ストーブと壁との離隔距離

耐火壁との離隔

ストーブ本体を耐火壁から300mm以上離して置いてください。壁がレンガなどの不燃材(内部が可燃材になっている壁は除く)の場合も離隔300mm以上としてください。
※ 耐火壁は可燃性壁材と密着させず、断熱のために30mm以上の空気層を設けてください。

 

可燃性壁材または可燃物との離隔

耐火壁を用いない場合は、可燃性壁材(または可燃性の家具など)からストーブを1000mm以上離してください。

 

※ストーブ周りの温度を把握するには「デジタル温度計」などをご利用ください。デジタル温度計はレーザー照射したところの温度を瞬時に測定出来ます。(300度まで測定可能)

 

 

煙突選びのポイント

煙突設置の基本パターン

 煙突の出し方は2通りあります。
室内の壁を抜いて横に出し、屋外から屋根の上まで煙突を立ち上げる「壁出し設置」と、ストーブから真直ぐ垂直に立ち上げ屋根を抜いて煙突を出す「屋根出し設置」です。
 また、屋根から出す方法には、フラッシングという部材を用いる「フラッシング設置」と、角煙道(サンタクロースが入るようなレンガ調の四角い煙道)による「角煙道設置」がありますので、設置パターンは全部で3つになります。

 屋根出し設置は、真直ぐ煙突を立上げるため排煙効率がよく、メンテナンスも容易です。見た目にもスマートなものとなりますが、その反面、施工には専門的な技術(屋根工事、水切り・防水、角煙道作成)が必要であるため、ほとんどの場合施工業者による取り付けとなります。
 取り付けの容易さでは壁出し設置が優れています。足場さえあれば個人でも取付け可能なため、最もポピュラーで人気があるスタイルです。

二重煙突の必要性

 二重煙突とは、筒が二重構造(内筒・外筒)になっている煙突のことです。
 断熱された二重構造により、煙突の表面温度を下げ、冷たい外気から煙道内の温度を保護します。つまり、安全であると同時に排煙効率を保持する効果があります。
 煙突と可燃材が近いところや普段目の届かないところでは安全のために必要となり、煙突が外気に晒されるところでは煙道内の保温のために必要になります。

ステンレス? 黒耐熱塗装?

 煙突には、ステンレス色のものと、ステンレスに黒耐熱塗装を施したものの2つをご用意しております。(一部部材は黒耐熱塗装のみ)
黒耐熱塗装した煙突には次のようなメリットがありますのでご参考ください。

・ 煙突表面の耐食性が高まり、雨や風から煙突を保護
・ 煙突から遠赤外線が発せられ、煙突の熱を効果的に暖房に利用出来ます
・ ツヤ消しの黒色により、落ち着いた雰囲気を出し、鋳物・鋼板製薪ストーブによくマッチします

壁出し設置の注意点

@横引きの煙突は可能な限り短くしてください。

 横引き煙突は煙の排出を妨げるため、長ければ長いほど排煙効率が低下します。
すると、煙道に不純物が溜まりやすくなるばかりか、煙の逆流など不具合に繋がります。
 横引きが2m以上となる場合、可能ならば屋根出し設置に設計変更するなどしてください。

A煙突は必ず屋根上まで立ち上げてください。

 煙突のトップからは火の粉が飛ぶ可能性があります。屋根より低い位置に煙突トップがあると建物に火の粉が飛び移り、火災に繋がるおそれがあり危険です。
 また、屋根より低い位置に煙突トップがあると、建物の風圧帯により排煙に支障が出ます。
煙が壁を汚し外観を損なうことも考えられます。
 デメリットが非常に多いため、煙突は必ず屋根上まで立ち上げてください。

B壁出し位置をよくご検討ください。

 掃除のし易さや、天井との離隔を充分考慮して壁出し位置を決める必要があります。
例えば、高い位置で煙突を壁出ししてしまうと、煙突掃除のたびにはしごに登り、危険な思いをして煙突を磨かなければなりません。メンテナンスのことを考えるなら手の届く位置で壁を抜いた方が良いのです。
 また、煙突と天井とは600mm以上の離隔(遮熱板を用いる場合は最低300mm以上)が必要です。

 

(ホンマ製作所  薪ストーブオンラインマニュアルより抜粋)

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