| 硯の用語
まず、頗にあたるところが硯面であり、これを硯表ともいいます。背にあたるところは硯背であり、これを硯陰ともいいます。側面にあたるところは硯側であり、これを硯傍ともいいます。そして、硯面にもそれぞれ部分的なよぴかたがあります。

墨堂と墨池 |
まず、墨を磨るところを墨堂とか墨岡といい、古くは磨墨処などといっていました。墨汁をたくわえておくところは墨池とか硯池といい、たんに池ともいっています。近世では、硯に池がないのは人に目がないようなものである、といったことわざもあります。もし、池が墨堂の周囲をめぐっているばあいは、これを石渠とか辟薙とかよぶことがあります。墨堂から硯池へかかるところは、これを落潮とか舌とかいっています。この部分はみすごされがちになりますが、機能のうえからいっても、製硯のうえからいっても、ひじょうに大切なところです。もし、墨堂と墨池がななめにつらなったり、あるいは臼状をなしたばあいは、これを墨海とか、たんに墨池ということがあります。
硯面の周囲のところは、硯縁とか硯純といっています。硯縁はふつう、一センチ前後の幅でほどこされていますが、中にはまったく縁がないものもあります。あるいは、上部と左右の三辺にだけ縁をほどこしたものなど、硯縁には、いろいろ工夫がなされていのす。

硯足・硯脚 |
また、硯背にも硯式によっていくつかのよびかたがあります。ふつう、長方形や正方形に一段おとされているものは、これを履手といっています。もし、手前のところが空処に掘りぬかれているものは、これを挿手、あるいは抄手などといっています。そして左右に足がほどこされているものは、これを硯足とか硯脚といっています。硯の背の底面にあたるところは、これを硯底といっています。
さて、硯の全体からみたばあい、頭部のところを硯首といい、中央のところを硯腹といい、手前のところを硯尾といいます。ついでに、もし蓋付きの硯のばあいは、上部を硯蓋、下部を硯身といっています。
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