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■2007年5月31日 パルミジャーノ界のフェッラーリ!『ジェンナーリ』


「スローフード協会が‘金のかたつむり’を与えるすごいパルミジャーノがあるよ」
とパルマでも有名なレストランのシェフに教えてもらい今回訪ねてきました。


パルミジャーノ・レッジャーノと一口に行っても、色々なメーカーでたくさんのパルミジャーノ・レッジャーノが作られています。これは、おいしいと思ったりはするものの、イタリアでその品質が認められているものというものはどんなものなのか基準知りたいと思い、今回パルマのレストランのシェフに紹介してもらって突然、伺うことになりました。
さて、ポー川沿岸を飛ばして向かいながら、この川の周辺にはおいしいものいっぱい。パルマ産生ハム、クラテッロ、パルミジャーノとまさに、イタリアの食を支える源流。
イタリア最長の川だそうで、アルプス山脈から始まり、ピエモンテ、ロンバルディア、エミーリャロマーニャ、そしてアドリア海に注ぐそれは立派な川です。
でも、時々氾濫するようで、チーズ屋さんに向かう途中のどが乾いて立ち寄ったバールに入るとと、そのバールの前を小舟をこいで移動する写真が飾られていました。よっぽどひどい氾濫があったんだわ。と思いつつ、このバールを後にして、チーズ屋のジェンナーリさんの工場に向かいました。
「作っているのを見たかったら早く来ないと見れないよ」
とジェンナーリさんに言われていたので、到着は朝8時。


着くと、鋭い目つきのジェンナーリさん登場。電話ではもっと年を取っていると思っていたのでその若々しい風貌に驚きました。

いきなり工場に案内され一通り作り方を教えてもらいました。

ジェンナーリさん「パルミジャーノは牛の乳で作る。牛の乳は毎日できるから毎日作っています。うちは牧場を持っているからこの乳はすべてうちの牛のもの。1日あたり150HLの牛乳が入荷します。
「ミルクは、朝のミルクと夜のミルクを半分づつ使用してます。それを35度に温めて次の日に固めるためのカリオ(凝固液)を入れます。このあと、手作業で混ぜるんですが、胡桃大のかたまりになるまで手で混ぜ続けるこれが重労働。ミルクの温めはこの間50度にまであげます。」

アッピ「朝のミルク?夜のミルク?って何ですか?」

ジェンナーリさん「牛乳は朝と夜に乳をしぼります。朝搾ったミルクを朝のミルク、夜搾ったミルクを夜のミルクと呼んでいます。」

アッピ「なるほど・・」


ジェンナーリさん「カルダイア(チーズを混ぜるときに使うおおきな桶のような容器)に1時間放っておきます。下にモッツァレラ程度の固さになって固まります。それを半分に切って1個のパルミジャーノができます。」

アッピ「1日だいたい何個作っているんですか?」

ジェンナーリさん「1日に20桶。それを半分に切るからパルミジャーノにして40個です。食べてみますか?」

桶からつまんでかたまりをくれるジェンナーリさん
もぐもぐ(食べる)

アッピ「コシがすごい!」

ジェンナーリさん「そうでしょう(うなずく)。これをパルミジャーノ型に入れて、休憩室で3日間。この部屋には湿気があることが大事なんです。1日目は木型の型に入れて木の重しをかけて、残り2日は、金型の型に移して木のおもしをします。」

アッピ「おぉ〜〜。この型の内側のこのあみあみが、パルミジャーノのあの表面の点々なんですね〜〜(ひたすら感心)」

ジェンナーリさん「そして、この後は、サルモイア(塩水)につけるんだ。これが唯一許された保存料なんだよ。うちの塩水は父の代からうけつぐ、50年もの。チーズを塩水につけると、チーズは塩分を吸収して水を外に出すんだ。うちではこの塩水にシチリアの塩を足しているよ。パルミジャーノの原料は塩にカリオに牛乳だけ。牛乳の品質がパルミジャーノの品質に重要なんだ。」

アッピ「え〜〜。50年ものの塩水ですか。新たにパルミジャーノ作ろうって言ったって中々そんな簡単なことではないですね、、」

ジェンナーリさん「では倉庫に行きましょう。うちには3つの倉庫があり、全部で35000個のパルミジャーノがあります。パルミジャーノは1個40kgの重量だから、、」

アッピ「すごっ〜〜。パルミジャーノがお金に見える(^◇^ ;)」

ジェンナーリさん「うちでは24ヶ月熟成以上のものしか作っていません。その上は3年4年5年とあります。それから、うちのチーズの特徴は脂質が多いこと。コレゆえに熟成が長くできるんですが、脂質の高いパルミジャーノは発酵が難しいので作るのが難しいんですよ。じゃぁ。別の部屋で味を見てみましょう」



ジェンナーリさんが、チーズを切り分けてくれる。24ヶ月を食べたあとに、36ヶ月熟成を食べてみる。

ジェンナーリさん「どっちが好き?」

アッピ「どっちもおいしいけど、しいて言えば36?」
ジェンナーリさん笑う

ジェンナーリさん「うちのパルミジャーノは、パドヴァにあるカランドレでも使われているし、」

アッピ「カランドレ?」

ジェンナーリさん「世界の4つのレストランに数えられるすごいお店だよ。そして、ミラノのブルガリホテルのレストランもうちのお客さんだし、ミラノのプリンチペサヴォイアもそうだよ。スローフード協会では金のカタツムリ賞をもらっているし、新聞のRepubulicaでは、パルミジャーノレッジャーノ界のフェッラーリなんて、書かれたんだ。」

アッピ「すっご〜〜い(のけぞる)。でも、このなめらかさ、わかるような気がする。確かに、口の中でとろけるようなコクがあるよね〜(真剣に戻る)」

アッピ「ところでジェンナーリさん、聞いてもいい?」

ジェンナーリさん「何?」

アッピ「あの、、おいくつ?」

ジェンナーリさん「いくつだと思う?」

アッピ「30くらい?」

ジェンナーリさん「わぉありがとう。35だよ」

アッピ「お若いのに、しっかりされていて、指示をきびきびとだされて、会社をしきっていらしゃるのは、パオロさんですよね。すごいです。」


ジェンナーリさん「うちは5人の家族と21人のスタッフ、35000個のチーズがあり、300ヘクタールの土地に1200頭の牛を飼っています。それから3つのエノテカを経営。色々やっているんですよ。」

アッピ「ひぇ〜すごい。驚きました。」

今回は、会ったとたんに、アッピのアンテナが反応。
職人気質な鋭いまなざし。緊張感あふれるきびきびした様子。いいパルミジャーノを作っているに違いないと思いました。パルミジャーノ界のフェッラーリは、家族全員が現場に出て、チーズ作りを担っている、ものすごい情熱の生産者です。
 

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