トスカニートップへ


■7月11日 突撃インタビュー ビービーグラーツ氏

ビービーグラーツ氏

彗星のごとく現れたテスタマッタ

ヴェロネッリでテスタマッタ2001が
イタリア全土第三位のポイント。
ヴィネクスポで、ボルドーワインなどを相手に
堂々の第一位を獲得!
噂のワインの生産者
ビービーグラーツ氏に会ってきました!


ビービーのワイン造りを一言で言えばその独創性&感性につきます。

トスカーナでは、フィレンツェから車で5分の地で育ったビービーグラーツ氏は、その土地、ヴィンチリアータで高品質なワインを造ることに燃えていました。
その土地で100年以上も、良いぶどうを作ろうとした人はなく、ビービーグラーツ氏がそのテロワールの可能性を信じて始めた最初のイタリア人。


谷間にある畑は、非常に寒暖の差が激しい土地柄で、非常に力強いぶどうを作るのに適しており、現在15haの畑ではサンジョベーゼが70%、カナイオーロ、コロリーノ、モスカートネーロ、マルヴァジアネラを栽培しています。


■独創的栽培方法と醸造
古い農家の人に100年前のぶどうの栽培方法を聞く機会に恵まれたビービーグラーツ氏は、100年前に栽培されたその方法を模倣してみようと考えて、ぶどうの木を植えました。

1ヘクタールあたり2万株という、密度の高い植え方。
ぶどうの木は、50cmおきに、1m間隔で植えつけるという、トスカーナの伝統的栽培方法。
春になると、伸びた若い枝を、上の方に3ヶ所結わえて、葉によく日が当たるようにします。
これはとても大変な作業で、12人の作業員で、この作業をしています。このとき収穫は極力抑えるように努力します。
このことにより、非常に力のあるぶどうが生まれます。

テスタマッタの醸造はすべて、新樽内で6時間のマセラシオン。
すべてぶどう品種ごとに、小さな樽で発酵させているため、ワイナリーは、口の開いた樽だらけ、あまり見かけない光景です。
そこでの発酵が終了すると、今度は、樽内での熟成に移ります。
樽熟成16〜18ヶ月。瓶内熟成6ヶ月させるのですが、そのおかげでワイナリーは樽だらけ。作業するのにもとても手狭なので、現在新築を検討中なのだとか。

この地域で質の高いワイン造りをしようとすること。
ぶどうの栽培の仕方、発酵のさせ方など、どれをとっても個性的なので、周りの人たちからは変人よばわりされたとか。
他の有名ワイナリーに見られるような、緻密な検証や計算といったものと、氏のワイン造りは一線を画しているようにも、見受けられます。
計算を超えた、鋭い感性と独創性。それがビービーグラーツ氏の大きな力です。


─最後に、氏の貴重なお時間を頂戴できたので、直接質問してきました!

「あの、なぜ、ワイン造りを始めたんですか?実家がワイン造りをしていたんでしょうか?」

「僕は芸術家一家に生まれ育ちました。父は彫刻家です。
私も大学の専攻はアートで、絵画が専門。当初、大学卒業後は祖父の代から所有している敷地内のお城を、結婚式やイベントに貸し出していました。でも、だんだん、そのことに満足できなくなってきたんです。
もっとクリエイティブなことをしたいと思うようになりました。
敷地には昔から、小作してもらっていたブドウ畑があり、このブドウ畑の面倒を見るのが自分の使命突然思ったんです。」


そして、なにも、わからない、ビービーグラーツ氏がたずねたのが、イル・カルボナイオーネで有名な生産者、ヴィットーリオ・フィオーレさん。
彼のワイン作りへの取り組みを見て、ビービーグラーツ氏は

「人生が変わった」

と言っています。ヴィットーリオ・フィオーレさんのアドバイスをうけながら、熱心にぶどう作り、ワイン造りに取り組むことになったわけです。

そしてできたファーストヴィンテージがテスタマッタ2000。

「ヴェロネッリというガイドがあるから、サンプル送ってみるように言われたんだ。
なにも知らずに送ったら、ある日、ヴィットーリオ・フィオーレが95点をとったという知らせを、ファックスしてくれたんだけど。
そのとき、「ん?なんだ95点か」と思ったんだよね。
その点があとで、イタリア全土で第3位であることをしったんだけど、思わず震えちゃった。」

「その後、ヴィネクスポがあると聞いていってみたら、見知らぬネゴシアンが、1本、コンテストがあるから出してみないか?というので、「どうぞどうぞ〜。もっていってください」とあげた1本が、なんと、ボルドーを相手になんと、第一位に輝く快挙。もう、わけがわからなかったよ」



ビービーグラーツさん本人が語るように、ワインは彼そのものの表現。
だから自分に似ているのだそうで、何でも徹底的にしたい、極端?な性格ゆえ、テスタマッタは徹底した品質を追及したし、とても親しみやすい性格ゆえに広く友達になってもらいたくて、カザマッタを作った。

ワイン造りを、まるで絵の具で絵を描くかのように楽しんでいるビービーグラーツさんは、幸福そのもので、あふれんばかりの世の中のすべてのものに対する愛情が、ワインにも、表現されている。
そんなワインが、彼のワインです。

そういう彼だから、いろいろな幸運をどんどんひきつけて、これからも、そんな風に、このワイナリーは展開していくはず。

このワインを飲むと、幸福と愛が感じられます。






追伸:
こんなに、楽しい取材はありませんでした。
自分の自由な感性を大事にするビービーグラーツさんは、
本当に素敵な方で、とにかくワイン造りを楽しんでいる
芸術家そのものの姿がありました。

毎日が幸福。そんな、彼ののびのびとした様子に
人をひきつける魅力があります。


ビービー グラーツのワインはこちらです>>





突撃インタビュー!バックナンバーはこちらです