リネンについて
1. 麻のこと 2. リネンのこと 3. リネンのできるまで 4. リネンの機能性 5. リネンとの付き合い方 6. リネンの歴史
1. 麻のこと
私たちが日ごろ麻と呼んでいるのは、実は1種ではありません。

麻は、木や草に含まれている繊維の総称で、20種近くあります。同じ麻と呼ばれながらも、原料となる植物によって、それぞれまったく性質が異なるのです。

私たちの身近にある麻は、リネン、ラミー、ヘンプなどが代表的なものですが、その中で最も肌に優しい繊維こそ、リネンなのです。
リネンが日本で作られるようになったのは明治時代以降のこと。
ヨーロッパでは古い歴史のあるリネンですが、日本では一般的にはまだあまり馴染みのない存在かもしれません。

リネン→麻→硬くてゴワゴワ・・という印象をお持ちの方は、ぜひ本物のリネンをお手に取ってみてください。
そのしなやかな肌触りにきっと驚かれるはずです。
リネンもラミーも洋服や家庭用品のタグに「麻」と表示されていますが(※1)、品質の良いリネン製品には「麻」という表示とは別に、「リネン」と表示されています。
同じ「麻」がリネンかラミーかによって、
その後の使用感や肌触りがまったく違ってきます。

※1家庭用品品質表示法で、タグに「麻」と表示できるのはリネンと
  ラミーだけです。

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2. リネンのこと
ランジェリー(lingerie)の語源ともなったリネン(linen)は、昔からヨーロッパで愛される存在でした。

使い込むほどに柔らかくしなやかになり、私たちの肌を心地よく包んでくれます。
上品な白さと光沢、リネン独特の肌の上で滑るような感触。

古代の人はリネンを「月光で織られた生地」と称え、人々はその美しさと心地よさに魅了され続けてきたのです。

それを示すかのように、リネンにまつわるロマンティックなエピソードは数多く残されています。
リネンはその糸の太さと織りによって様々な表情を持ちます。

糸の太さは糸番手と呼ばれる数字で表わされ、糸が細くなるほど番手の数字は大きく、糸が太くなるほど番手の数字は小さくなります。
 
したがって糸番手が大きくなるほど繊細な表情のリネンに、糸番手が小さくなるほどカジュアルで丈夫なリネンとなります。

60番手のリネン糸は普段着のシャツを仕立てるのに、80番手のリネン糸は繊細な女性用ブラウスに・・などと使い分けます。
現在作られている糸では150番手の糸が最も細く、リネンの最高級品と言えます。

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リネンは用途により様々な織り方をされていますが
美しく機能的で、素晴らしい肌触りであることは変わりありません。

リネンは日本語で亜麻(あま)とも言います。
「亜麻色の髪の乙女」の亜麻と同じです。
亜麻色とは、少しグレイがかった美しいブロンドを指しています。

自然そのままの、染めたり漂白しないリネンはナチュラル志向にともない人気が高まっており、洗濯や日光により徐々に亜麻色があせ、独特の風合いが出てくる様子を楽しむことができます。

また、リネンを染める場合、その方法は大きく分けて2種類あり、生地になったリネンを染める方法と、糸の段階で染めてから生地にする方法があります。
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3. リネンのできるまで
リネンはフラックスという、寒い国で青や白の可憐な花を咲かせる一年草の草から採れる繊維です。
4月頃から種をまき、6月初旬頃に開花。

とても丈夫なため農薬は少ししか必要とせず、たった2ヶ月の間にどんどん育ちます。
土の栄養をぐんぐんと吸いとり成長するため、一度リネンを育てた土地はその後7年はお休みさせないといけない
ほどです。
7〜8月にかけてが、リネンの収穫時期です。

まずフラックスと呼ばれるリネンの草を抜き取り、しばらくそのまま畑に置いて表皮を発酵させた後、残ったリネンの茎を乾燥させ、くしけずり細くそろえ、上質な繊維だけを選りすぐって糸にしていきます。

一面に花が咲き誇る満開のリネン畑は、まるで「湖」のようです。

リネンの花は朝にしか咲かないため、その光景は早起きをしなければ見ることができません。
ロマンティックなリネンの湖に出逢われた方は、大変幸運だと言えるでしょう。

最近では観賞用のリネンの種も売られていますので、ご家庭のプランターで育てることもできます。
リネンができるまでは、他の繊維と比べ多くの手間がかかっています。
そんなことも、リネンが高価な理由のひとつです。
しかし残念ながら、リネンの中にも原料や生産工程によって硬い表皮の除去が不完全なためチクチクしてしまうリネンもあります。

直接肌に触れるリネンは、丁寧に大切にリネン作りをしているメーカーの商品を
お選びになることをお薦めいたします。
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4. リネンの機能性
天然繊維のなかで最も強い繊維です。

・長持ちで使うほどに風合いが増します。
 使うほどに肌になじみ、愛着が湧きます。

・素晴らしい肌触り。
 リネンの極上の肌触りは疲れやストレスを解消させ
 充実した睡眠や癒しの時間をお届けいたします。
 イタリアでは皮膚科の専門医がリネンを推奨しています。 

・濡れると更に強度が増します。
 この特性を活かし、現在でも森林用消防ホースには
 リネンが用いられています。
・汚れが落ちやすいです。
 大きな分子が繊維内へ入りにくい構造をしているからです。

・すぐに乾くので便利。 雑菌の繁殖も抑えます。
 キッチンクロスなど リネンにしていただくと とても衛生的です。 

・吸水性はコットンの約4倍と、優れています
 繊維に張りがあるので、濡れても肌への張り付きが少なく爽やかです。

・毛羽が少ないです。
 リネンはヨジレのない繊維なので、毛羽が少ないのです。
 多くのソムリエがワイングラスの手入れにリネン100%のキッチンクロスを使っています。
 (生地や、商品の種類によっては、毛羽落ちがあります。)

・防虫性も良好です。
 セルロース系繊維です。
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5. リネンとの付き合い方
リネンは手入れが大変だと 思われる方も多いようですが
リネンと仲良くなるコツはごくごく簡単なことばかりです。
●新しいリネンは

●洗濯

●乾燥

●アイロン、シワについて

●染み抜き
●新しいリネンは
3時間ほど水浸した後、そのまま軽く洗濯をしてからお使いください。
●洗濯
リネンは基本的に水洗いが可能です。
ただし、裏地や付属、生地の加工方法によっては水洗いできない場合も
ありますので、商品の洗濯絵表示に従ってください。
刺繍などが施された製品はつけ置き洗いをお薦めいたします。

お湯洗いが最も汚れを落としますが、熱湯での洗濯は避けてください。

リネンはコットンに比べ汚れが落ち易いので、洗濯時間は短めにして下さい。
洗剤は色合いが損なわれますので、漂白剤や蛍光増白剤の含まれていない洗剤を使用してください。

すすぎを十分に行った後、脱水は軽めに抑えて下さい。
●乾燥
脱水後、形を整えシワを伸ばして干していただくと、
アイロンがけもスムーズです。

乾燥機やドラム式洗濯機のご使用は、リネン生地を痛めますので お控えください。

リネンは速乾性に優れていますので他の繊維と比べ乾きが早いです。
●アイロン、シワについて
霧吹きで湿気を十分に与えてから高温で強くかけます。
生乾きの状態でかけていただいても、美しく仕上がります。

アタリやテカリが気になる製品につきましては、当て布をしてください。
高温のアイロンでまず裏側からかけて小じわを伸ばし、次に表面から強くかけてツヤを出すときれいに仕上がります。
バスルームの中にかけておいていただいても、蒸気でシワが
伸びます。

リネンウォーターで香り付けを愉しまれるのも素敵です。

ただリネンのシワも、持ち味の一つです。
ジャケットの後姿で そこに入っているシワで
本物のリネンをまとっていると解る人にはわかるのです。
また干すときにシワを伸ばしていただければ、ベッドリネンやキッチンクロスなどそのままお使いいただけます。
●染み抜き
いずれの場合も、染みがついたらすぐに 洗うようにしてください。  
時間がたてばたつほど、染みは落ちにくくなります。

(1) 口紅や油の汚れ 濃い目の石鹸水でモミ洗いします。

(2) 醤油やソースの汚れ 石鹸水に20〜30分程度浸し、汚れた部分をモミ洗いします。

(3) 紅茶・コーヒーの汚れ 熱湯を掛け洗います。

(4) ワインやフルーツの汚れ 塩とレモン汁でモミ、熱湯を掛けます。

(5) 血液の汚れ すぐに冷たい水で洗います。 シミがひどいようであれば、冷たい塩水に浸してから水洗いします。
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6. リネンの歴史
●世界のリネンの歴史
人類がリネンを使い始めたのは今から1万年以上も前のことです。

リネンは人類最古の繊維といわれ、紀元前8千年に世界文明発祥の地チグリス・ユーフラテス川に芽生えました。
古代エジプトでは、リネンが神聖なものとして神事に用いられたり、一般の衣服にも使われていました。
ミイラを包んでいた布もリネンです。
先史時代のスイスでは、湖上生活をしていた民族がリネンの衣服や船の帆やロープを作っていました。

古代エジプトで芽生えたリネンは、時を経て 中世ヨーロッパの貴族文化の中で磨き上げられ、やがてそれが
文化として一般へも広がっていきます。

イニシャルが刺繍されたハウスリネン一式を嫁入り道具とする慣わしも、貴族から一般へ広まったものです。
家風や品格、美意識を象徴するそれらのリネンは 母から娘へ 娘から孫へ・・
現代もなお 嫁ぐ日に託される大切な家伝の品とされています。

英国王室の正式晩餐会のテーブルをはじめ、合衆国ホワイトハウス、日本の宮中晩餐会、ヨーロッパの一流ホテルなど、格式と権威を重んじる場面では必ずリネンが採用されています。
●日本のリネンの歴史
日本に初めて繊維用植物としてのリネンを紹介したのは、明治維新の立役者の一人、榎本武楊です。

彼は明治7年(1874年)、公使として赴任していたロシアよりリネンの種子を日本へ送り、当時の北海道開拓使長官、黒田清隆が札幌の屯田兵に栽培させました。

これが日本におけるリネンの始まり、1万年以上も前から存在していたリネンですが、日本での歴史はまだまだ始まったばかりなのです。
その後、明治11年にフランスへ留学した内務省技師、吉田健作がリネンの紡績を学び、明治14年に帰国後、
リネンの重要性を各方面へ力説しました。
その結果、明治17年6月、日本初のリネン紡績会社として、帝国繊維の前身の1つである「近江麻糸紡績株式会社」が発足したのです。
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