日本を代表する調味料である醤油のルーツは古代中国の醤(ひしお)と言われています。
醤とは食品を塩漬けにして発酵させたもので、草醤、魚醤、穀醤の三種類に分かれます。
野菜を漬け込んだもの(草醤)が漬け物、魚を漬け込んだもの(魚醤)が塩辛として、今に形を残しています。
そして穀物を塩漬けにして発酵させたもの(穀醤)が醤油の原型と言われています。
鎌倉時代に中国から日本へ径山寺みそが伝わり、その製造過程で桶の底にたまった汁で食物を煮ると大変美味しいことが発見されました。
この「たまり」こそが醤油の原点と言われています。
偶然ともいえる発見に高温多湿の日本の風土と先人の知恵が加わって醤油が誕生したのです。
七百年以上におよぶ歴史と、伝統を守る蔵人の心と技が一つになって、
醤油は味・色・香が絶妙のバランスで調和しています。
今日では醤油の無い生活は考えられないほどの必需品です。

ところで、
「たまり」と「しょうゆ」はどこが違うのかご存じですか?
私たちが常日頃「しょうゆ」と呼んでいるのは「こいくちしょうゆ」のことで全国各地で生産され、しょうゆ消費量の約80%を占めています。
これに対して「たまり」は愛知・岐阜・三重の東海三県だけで生産されています。
原料を比べてみると、「しょうゆ」は大豆と小麦がおおよそ50%づつ、小麦のおかげで香ばしい香が特徴です。
「たまり」は大豆が ほぼ100%。香はおだやかですが旨味があります。
仕込みに使う水の量は「たまり」は「しょうゆ」の50%〜80%位と少なく、この差が「たまり」独自のトロリとしたコクのある味となっているのです。
その上「たまり」は一年以上かけてゆっくりと熟成させてあるため、大豆と塩が良質の水と見事に融和してまろやかな味となります。その証として「しょうゆ」よりも濃い色合いが生まれるのです。
 
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