季節を彩る和の色名帳

日本には、数多くの「色:の名前が存在します。昔の日本人は、過ぎてゆく季節の風景を、そっと切り取り手元に置くように、色のひとつひとつに丁寧に名前を付けました。

んやり、景色を曖昧にする、山間に沈む藍白無常の美を思わせる、藍白 01無常の美を思わせる、藍白 02
藍白藍白

藍白 とは……ほんのりと藍色の入った、白色のこと。藍染の工程の中でも初期の段階の、最も薄い色です。「白」とは言い切れない、けれど「藍色」などとは到底呼べない、ささやかで繊細な色。その微妙な違いすら目に留め名前を付けるところに、日本人の細やかさがうかがえる気がします。写真は新潟県十日町市の、とある早朝。霧自体も美しかったのですが、霧に覆われ輪郭のぼやけた山々の、姿の見えない奥行きの深さに、目を奪われました。曖昧で形容し難いものにこそ美しさを感じてしまうのもまた、日本人ならではかもしれません。
※ブラウザ等の環境によって、色の見え方が異なります。

  • 藍白
  • 苔色
  • 淡黄
  • 桜色
  • 虹色
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