革好きの最大の関心事「味の出し方」を、様々な実験で確かめる「レザーエイジング・ダービー」。今回は革を磨く「ポリッシュコース」のFINALとして、2つの実験を行います。
使用したのは、硬さと肌目の細かさが異なる2種類の生地。果たして、磨く生地の質の違いによって、効果はどのように変わるでしょうか?
実験サンプルに使うのは……
「Naturaヌメ革 キーケース」
最も素朴なエイジングが楽しめるヌメ革で仕立てたシンプルなキーケース。革初心者にもお薦めです。
さて、「ポリッシュコース」のFINAL実験では、磨くための生地にキャンバス地とストッキングを用意しました。キャンバス地は、革の財布をデニムパンツのポケットに入れたときの摩擦を想定。ストッキングは、靴磨きの仕上げに使われるという話の検証を目指しています。これらの硬さも肌目の細かさも違う両者で「ヌメ革 キーケース」を磨いたとき、味の出方に差が出るでしょうか?
・キャンバス地⇒ストッキングの順で実験
・キャンバス地は、綿100%の平織りのものを使用
・ストッキングは、ナイロンとポリウレタンの混紡
・色落ちしない程度の強さで磨く
・磨く回数は朝昼晩100回ずつ=1日300回、
これを一週間続けて計2,100回行います
実験の結果、どちらの生地でもはっきりと光沢を出すことができました。但し、素材によって仕上がりの印象は違うようです。ワイルドな光沢感を出したいときにはキャンバス地、仕上げ磨きにはストッキングなど目的によって替えてみると良さそうです。
なお、あまり強く磨いてしまうと革に傷をつけたり、色落ち・色移りをしてしまいますので、注意が必要です。またポリッシュの効果の中には、手によって革が温まる影響もあると思われますので、手の温もりを革に伝えながら、愛情と時間を掛けてゆっくりと磨いてみてください。
1年以上にわたってお届けしてまいりました「レザーエイジング・ダービー」は、今回で全コースの結果が出揃いました。それぞれの方法における味の出方の違いを、少しでもお伝えできていれば嬉しく思います。
さて次回は特別編として、各コースの「ヌメ革キーケース」を引き続き実験して、さらにエイジング度が増したものをご紹介したいと思います。どうぞ楽しみにお待ちください!