4つのコース
レザーエイジングダービーとは?

革愛好家の楽しみである「味の出し方」の様々な方法を、実験によって検証するコンテンツ「レザーエイジング・ダービー」。今回は、「水拭きコース」の最終ステージをお届けします。前回は常温の水を使いましたが、今度は人肌温度のぬるま湯と熱湯で実験。そのエイジング効果は果たして?!

キーケース

実験サンプルに使うのは……
「Naturaヌメ革 キーケース」

最も素朴なエイジングが楽しめるヌメ革で仕立てたシンプルなキーケース。革初心者にもお薦めです。



馬

さて、今回お届けする「水拭きコース」のラスト実験では、革に浸みこませる水の温度が高くなるほどエイジング効果が上るか、を検証します。そこで、革の味出しに最適という噂のある人肌の温度と、アツアツの熱湯を用意。前回常温の水で味の出た「ヌメ革 キーケース」が、ぬるま湯と熱湯でさらに味を深めるのか……トータルの効果を観察します。


充分にお湯が浸みこんだ効果を検証するため、それぞれ3回にわたって水拭きを実行することにしました。また、浸みこませたお湯がしっかりと抜けるよう、乾燥の時間は2日間を用意。日焼けによる味がでないようにするため、陰干しで乾燥させました。

常温・人肌・熱湯と3段階に温度を上げて実験した結果、エイジング効果に大きな違いはありませんでした。一方で、日陰干し後の革の状態には違いが。温度が高くなるほど表面のカサつきが増し、革がゴワゴワした感じになり、色が落ちやすくなるという副作用が認められました。

この副作用はおそらく、浸みこませた水分の蒸発とともに革の油脂分が抜けるため。温度が高いほど油脂と水分の親和性が増し、抜け方が強くなるのだと思われます。結論としては、水拭きは常温で充分。そして陰干し後、なるべく早めにオイルを補充するのが良いでしょう。



「ポリッシュコース」FINALの模様をお届け。前回は柔らかなタオル生地で磨きましたが、今度は固さや肌目の異なる生地で効果を検証します。どうぞ、ご期待ください!