磨くだけで、味は出るのか?

4つのコース
レザーエイジングダービーとは?

革好きが一番気になることと言えば、「革の味の出し方」。その様々な方法を、実験をして確かめるのがこの「レザーエイジング・ダービー」です。今回は、ひたすら革を磨く「ポリッシュコース」を検証。 確かに、尻ポケットに入れている革の財布は出し入れの摩擦で光沢が出ると言います。しかし、ただ磨くだけで、革に味までが出るものなのでしょうか? 1週間、地道に革を磨き続けたその結果は……?

キーケース

実験サンプルに使うのは……
「Naturaヌメ革 キーケース」

最も素朴なエイジングが楽しめるヌメ革で仕立てたシンプルなキーケース。革初心者にもお薦めです。

水で革を拭く

馬
柔らかなタオルでも、磨けば味が出るのか?

さて、「ポリッシュコース」第1回実験は、どこのご家庭にもあるような柔らかなタオルで、「ヌメ革 キーケース」をくり返し磨くというものです。もちろん、2~3回撫でる程度では何も変わらないと思われるので、1日300回ずつ拭くことにしました。

実験に使用したタオルは、革に優しい綿100%のもの。これを使って色落ちしない程度の強さで革を拭いてゆきます。そのためタオルの色は白を選び、色落ちしたらすぐ分かるようにしました。拭く回数は1日に朝昼晩100回ずつ、一週間で計2,100回。ひたすら地道に、黙々と磨きあげました。



では、注目の結果はいかがだったでしょうか? まず目に見えて変化があったのは、やはり光沢でした。画像では少し分かりにくいかもしれませんが、表面に薄くオイルを塗ったような艶が出ています。予想通り、艶出し効果は高いようです。また表面の滑らかさが増した結果、手触りが良くなっているのも効果の一つと言えるでしょう。

但し、その一方で色の変化はというと、微妙な感じです。かすかに色が濃くなっているかな……とも思われますが、光沢が出たことで味わい感が増し、そう見えているのかもしれません。長期的に行えば色も濃くなる可能性もあるので、更なる検証が望まれます。

次回の「レザーエイジング・ダービー」は、第1コースに戻って2回目の「オイル」実験をお届けします。実験するのは、革用のケアオイルといえばまず最初に名前が出てくる、定番中の定番であるあのオイル。果たしてその味出し効果は? 次回の実験を、どうぞ楽しみにお待ちください!